風に乗れ -Winddriven Current-

ワイヤーフォックステリアのナイトさんとORIXを応援する日々
“Challenge Together @KOBE”

雨上がりの火曜日#2

2010-09-29 | Bs現場レポ2010 
#1(別記事)からの続きです。
8回までハムの一方的有利な展開で、だらだらと試合を消化していくオリックス。
ただ8回裏の攻撃が開始されるとともに一変される空気。

相手は今季最後の登板となるダルビッシュ有。いや、もう地元大阪での登板も最後なのかもしれません。
(そんな貴重な姿を、このガラガラドームで見ることが出来るなんて)

そして打席には、引退を表明した塩崎真。
気づけばライトスタンドではBlueWaveの旗が2本、振りかざされていました。
BW最後の4番打者ですもんね。正田コーチからも笑顔で送り出されてました。






気付けば今まで仲間うちで宴会していた人たちも、急に静かになって固唾を飲んでこの対決を見入ってました。

私もその直前まで元気に応援歌を唄っていたのに、急に声に出せなくなるもんです。
まわりの人も、震える声に「こいつ泣いとんちゃうん?」みたいな顔で振り向かれたりして。こっち見んな!
でも、この曲をもうこれから唄えなくなると思うと、絶対今唄っとかないといけないと思うんですが、
それが悲しくてまた声が出なくなって、必死で声を絞り出しましたよ。

「神戸の夢を掛けて 青い空を目掛け そして狙いは一つだ星を掴め」



なんか、塩Zは神戸の夢でしたし、青い空の下でまた野球が見たいし、
何より塩Zが現役で星を掴み損ねたことが何とも・・・

塩崎選手の本心を垣間見たのは、現役を続けていくことの苦しさを吐露したこの記事でした。
JSPORTS【野球好きコラム】 野球とは
(引用)ほぼ全国各地区からこの夏の甲子園出場チームが顔をそろえた。各代表の校名を見ながらの楽しみは初出場チームの名。プロフィールを眺めながら伝統校や常連校を破っての出場に心からの拍手を送っている。

僕も毎年奈良県大会の予選の実況ブースに出向いている。今年の担当試合では常連校などの担当はなかった。むしろ、大会に出場する為に部員を確保するのに大変な苦労をしたチームを担当した。その名は山辺高校。冬の3ヶ月間は3年生のキャプテンと監督のわずか2人で練習を続け新入部員が入ってくるのを待った。そして迎えた春から夏。部員はやっと11人集まったが野球経験者がほとんどいない現実。従って試合内容も全力で戦いながらもコールド負けというシーンが多かったらしい。

監督も「生徒達には何とか7回までやらせてあげたい。これまで5回コールド負けがほとんどだったので」と話す。7回といえどこれまた規定コールドイニングだ。「とにかくいい思い出を、そして楽しんでやってもらいたい」との言葉。

それを聞いていたので僕も彼らの必死のプレー振りを熱く伝えることを頭に置きながら実況した。その選手達が一点を取った時は心が熱くなった。他チームが簡単に取ってくる一点。彼らは全員でもがいて取る点数。重みが違ったかもしれない。しかし結果はこの夏もコールド負け。でも誰が見ても真剣にしかも野球を楽しんで最後まで諦めずに戦った彼らに拍手を送りたい。

一方、プロ野球のペナントレースも終盤戦にもつれ込もうとしている。つい先日オリックスのベテラン塩崎選手と話をしていた時に言っていた「よく野球を楽しんでやりたいと言っている選手がいるが、僕は野球は楽しんでやれるものじゃないと思う。こんなに苦しい世界はないです。努力に努力を重ねて練習をして結果を求められる世界。楽しいとは決して言えない。これがプロの世界だと思いますよ」と聞いた時、やはりプロの世界でいきるとはこんな心境なのかと改めて気づかされた。

もちろん高校球児は教育の一環として野球を楽しみ、野球で生計を立てているわけではない。しかしプロ野球選手は野球で人生の勝負をしている身。従って取り組み姿勢も考え方も違って当然。いろんな考えがあってもいいだろう。ただ共通することは野球に対する愛情はみんな持っている。野球好き精神は変わらないことは僕も同じ。今回改めて自分に問いただした 野球とは?
(引用終わり)

ずっと野球を続けることに苦しみ、でもやっぱ現役で続けなければ食っていけない、それがプロ。
結果を出し続けることもそうですが、ベテランとなると選手起用にも限りがあるわけですし。

ただ、この日だけは塩Zの表情はすこぶる明るかったです。
今日だけは楽しんでいたと思います。



エースキラーとして絶好の相手、ダルから綺麗に1・2塁間を破るクリーンヒット放ちました。
(今季はこの当たりでライトゴロにもなりましたが)
米村さんもずっと一塁コーチ、やっていて欲しいですね。

残念ながら、後続のゴゴティーはあえなく三振、ぐっちも惜しいあたりを小谷野君に好捕され、
結局塩Zは一塁に釘付けでした。


ただ、その一塁ベースから帰ってくるとき、チームメイトから温かく迎えられていました。



そしてサードの守備へ。延々と続く塩崎コール。


そう。このグラブを差し出す構えこそが塩崎。後ろから見ると股間の下からグラブがぷらぷら出てくるヤツ。
打席でのバットの先を投手に向ける構えも特徴ありましたが。



9回表二死から(西からでもあるが)、田中ケンスケの打球はその塩崎のグラブへ。
ただのワンプレーなのに、そのときの緊張感と場内の張り詰めた空気は何ともいえなかったです。




ただ、試合はあえなく完封負け。
Bs 0 - 4 Marines
ハムはこれでシーズン144試合を全て終了。レフトスタンドへ挨拶へ行くハムの選手に対して、
力尽きた1塁側オリファンたちからも拍手が送られていました。

こういう雰囲気は昔からパリーグ見てる関西ならではなのかな。エール交換も含めて。





最後に、本拠地最終戦終了ということで、一同整列の上、監督から挨拶が。



(口の音が気になりましたが)秋に向けて、更に強いチームになることを断言されてました。
ほんとおつかれ、Bs。ほんとおつかれ、アキノブ。

今年は、たぶん限界を超えた戦いをしてくれたと思います。
いくらプロとはいえ、ビッキーに限らず、本当なら途中で心が折れてもおかしくない条件でしたから。
さすがに、たかがあれくらいで、とか、プロなら乗り越えろとか、言える出来事ではないと思ってます。
徐々に、また、時間とともに、焦ることなく強くなっていって欲しいです。
好きだった球団が消滅して、それでもこのチームについてきた我等。簡単には離れないですから。


そして。




激動の14年間、このチームを支えてくれて本当にありがとう。
旧チームのメンバー、殆どもういなくなってしまい、BWからの生え抜きでこういう形で引退できる選手がいたこと、
それだけで良かったとも思ってます。

谷佳知も佐竹学も先に退団して行ったし、川越もタイミング次第で移籍していったし、
山口も寂しい結末でしたし、日高も相川も大輔加藤もこのまま任意引退できるとこまで残れるかも不安だし。
そう思うだけでも、この球団に必要とされる塩崎は凄かったんだと思います。



神戸の夢は後輩へ受け継がせ、実現させてください。

















なんか、ちょっと前までさっぱり打てないし、速い打球の処理ももたついたりと結構厳しく言われることも多く、
塩崎=ライトゴロって呼ばれてたくらいなのに、いざいなくなると寂しいもんですよね。
まだまだ、ここに残る人たちには、文句言われながらも強くなってね。

ここで笑顔で握手を交わしてますけど、また顔を見るのも憎いくらいの鬼コーチになってやってください。
(監督もそれくらいの憎さがあるほうがいいと思ってます。いろいろ文句言ってごめんよ)



本拠地組の皆さん、どうも1年お疲れ様でした。
あと2戦、消化ゲームでも勝てよ。借金は嫌だ。


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4 コメント

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来年こそは (ike)
2010-09-30 11:46:19
開門前から常連仲間と飲み会になってしまって試合前に泥酔状態で殆ど試合内容を覚えていないと言うアホな最終戦観戦になってしまいました。ここ一番で勝てないのが今年の実力だったと思うしかないですかね。監督が「実力は紙一重」と言ってましたが、そうとも見えるし、相当厚みのある紙なのではとも思えるし。ってとこでしょうか。
とりあえずはゴッツとカブが出て行かない様に全力尽くして欲しいものです。
で、何で塩Zの最後の挨拶やってくれなかったんでしょうかね。
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ike さん (かずまん)
2010-09-30 18:18:04
いいですね~平日ナイターの開門前から盛り上がるって。
紙一重。一応紙ですから、ブアツすぎても紙は紙。木じゃないですよね。
交流戦を除くとかなり厳しい戦いだったというのが実感です。
ダルや岩隈がどうなるかわからんとはいえ、吉見に苦しんでる現状を見るといやはや・・

必死の引き留めは、監督の一押しが効果的なのかな。ここで、ドン氏の活躍を期待してます。


塩Zも十分頭を下げておられましたが、やっぱり声は聞きたかったですね。
去年、マイク奪って直接ファンに話をした川越さんを思い出すと余計に。
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Unknown (やぼた)
2010-10-01 00:00:54
塩崎ファンながら、見に行く事ができなかったんですが、写真いっぱいのせてくれてありがとうございます!
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やぼた さん (かずまん)
2010-10-02 00:50:01
塩崎選手、FA権行使などもありましたが、最後までオリックスに残って本当に良かったです。
このブログがファンの方に少しでもお役に立てたのなら、私にとっても本当に幸いです。
ありがとうございました。

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