風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

高崎へ

2017年05月15日 | 出版
ある日、「浜名湖に行きたい」と妻が突然言い出した。お決まりの気まぐれである。「なんで浜名湖なん?」「うなぎを食べたい」「うなぎやったら、板橋の大山にも美味しい店があるやろ」「湖も見たい」「だけど、ちょっと遠いぞ」「遠いってどれくらい?」「ひかりで浜松で下車して在来線に乗り換えないといけないから、2時間くらいかなあ」「だったら、そんなに遠くないじゃない」「問題は浜松に停まるひかりの本数が少ないことで、こだまで行くとのぞみの待ち合わせで待たされることが多いからイライラするんだよ」「東京発のひかりなら出発の時間に合わせればいいでしょ」
というような会話があり、久しぶりに浜松に行ってもいいかなあという気分に小生もなってきた。浜名湖は新幹線の車窓から眺めるだけで行ったことはないし、定期的に東京から離れないと脳みそが腐ってしまう。しかし、大河ドラマのからみで、今年の浜松は観光客が殺到しているのだろうか。人ごみから逃げたいのに、わざわざ人ごみに行くのもバカらしい。それでもひかりの時間を探してみると、浜松に停まるひかりは1時間に1本は出ているようだ。それにしても、静岡県は不思議なところだ。あんなに新幹線の駅があるというのに、ほとんどが素通りしている。
妻に新幹線の時間を伝え、「ほな、東京発8:03のひかりにでも乗るか?」とたずねたら、「いやあ、やっぱり遠いかなあ」と突然ひよりやがる。「じゃあ、どうするんだ?」とたずねたら、「もっと近場の方がいいかなあ」「近場ってどこ?」「浜名湖じゃなくて榛名湖にしようか」「なんだ、前に行ったことあるじゃん」「いいところだったじゃない」
小生がF社に勤めていた若いころ、東海地方は小生の書店営業の担当地域だったので、浜松も2、3ヶ月に一回は回っていた。Y書店のかたにはずいぶんとお世話になったものだ。そのころとは街並みも変わっていることだろうけれど、浜松の中心部ならば土地鑑はある。しかし、北関東にはあんまりなじみがない。ただ、以前榛名湖に行ったときは、池袋からわりとスムーズにたどりついたようなイメージであった。JRで高崎まで出て駅前発のバスで榛名神社に向かい、そこから道なき道をかきわけて榛名湖まで歩いていったのだ。ちょっとした冒険で面白かった。
「それだったら、今回は高崎でいいんじゃないの」ということで話がようやく決まり、某日、高崎に向かうことになる。10:00過ぎ、妻とチンタラ家を出て、池袋まで歩いていく。そこで高崎線に乗り込んだけれど、それが籠原行きなる電車である。籠原ってどこじゃと車内の路線図を見れば、高崎の手前のようだ。「なんだよ、乗り換えなきゃいけないのか」とガッカリする。それでも、12:00過ぎにようやく高崎着。妻が車中スマホで検索すると、梅の花なる有名なおそば屋さんがあるらしい。ならば、そこで昼飯にしようと、駅の東口に出た。
大通りの一つ目の角を右に曲がったら「梅の花」という看板が出ていて、数人が店の前に並んでいる。ああ、ここかとわれわれもその後ろに並ぶことにした。気になるのは「牛たんとそば」とあることで、そのいささか奇異な取り合わせに「本当に美味しいのかなあ?」という疑念は払拭できない。待っていることしばし。お店の人が出てきて、列の最後にいるわれわれのところに来て、「お客さんのところまでしか入れないんです」とおっしゃる。それはラッキーだ。
さらに待つことしばし。ようやくわれわれも入店し、メニューを眺めてみた。すると、牛たんの料理しか記されていない。なんじゃ、こりゃ。小生は肉が苦手だし、そばを食いに来たんだぞ。そこでお店の人に、「すみません。このお店はおそばが美味しいと聞いて来たんですけど、そばのメニューはないんですか?」とたずねてみた。すると、申し訳なさそうな顔をして「おそばはここじゃなくて、この先にあるお店なんですよ。うちはそこから夜だけそばを取り寄せているんですね」とのことだ。それじゃあしょうがない。お店の人に場所を聞いて、そば屋に向かうことにする。
住宅街を何百メートルか歩いていったら、立派なお屋敷がある。そこが目指す梅の花であった。なんだか紛らわしいなあ。ところがそこも混んでいる。小生の前は7人くらいの大家族だ。ヒマを持て余している様子がよくわかる。お店の前に細い水路があり、鯉がジャカスカ泳いでいる。こんな狭いところに放り込まれたら鯉もかわいそかろとは思うものの、そんなことに文句をつけても始まらない。結局、14:00くらいにわれわれの順番となり座敷に通された。すぐに店員さんがつけ汁と薬味が持ってくる。それにはちょっとびっくり。そこでまずはビールを注文し、渇きを癒す。そば五合(二人前)なるものと、野菜天の盛り合わせをお願いしておく。
料理はすぐに運ばれてきた。越後のへぎそばのように、そばが一口サイズにざるに並べられている。早速その一束を口に放り込むと、モチモチしていて噛みごたえのあるそばである。信州や江戸前では味わったことのない食感で、まさに「こんなの初めて!」という感覚である。しかも量が多い。飢餓状態でお店に入ったのに、すっかり満腹してしまった。上州のそばあなどることなかれとの感慨を受けた。
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