風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

陶炎祭@常州笠間

2008年05月05日 | 出版
昨日は10:00過ぎに妻と家を出、池袋10:50発の電車でまずは小山まで。そこで12:35発の水戸線に乗り換え揺られること約一時間、車中ビールを飲んで爆睡しようやく常州笠間に到着。13:00をすでに回っている。駅前の観光客用の出店で、日本酒を一杯飲んでまずは景気をつけてから、会場へと歩いて向かう。今年は歩くことを奨励しているのか、駅前に徒歩観光客向けの茶店なんてのが出ている。歩いているうちに、陽が照り始めてきて気温上昇、汗ばんできたころ陶炎祭(ひまつり)会場の笠間芸術の森公園に到着。
まずは常陸春秋窯に顔を出して挨拶。その後朴葉の上で焼いたピザとビールを売店で買い、芝生の上に腰を下ろして腹ごしらえ。昨夜の雨でまだ芝がしけっていて、そのまま寝転がって昼寝できないのが残念。それからようやくお店を見て回る。200軒以上の窯元が、テントを張って出店を構えているので、かなり見ごたえがある。隣接する茨城県陶芸美術館では「人間国宝 荒川豊蔵」展が開催されていて、NHKの日曜美術館でも紹介されていたらしいが、本日はパス。到着が遅くなってしまったうえ、どうせこれからタップリ焼物を見るんだから。
笠間焼きは、フォーマットがかっちり決まっていないところが面白い。基本は粉引きと焼き締めのようであるが、陶芸家によっては織部や信楽もあれば、青磁風のもあるし、エスニックなものもあれば、外国人陶芸家の出店もあるし、こんなの作ってどうするのと思わせるような独創的作品もある。むかし、京都の清水坂を歩いたことがあるけれど、二級品ばかり置いてあるようなまがい物臭さを感じてうんざりしたことがあったが、ここはそうではなく、お祭りを楽しむことを第一義にしているような雰囲気を演出しているので、気軽に楽しむことができる。しかも今年は、小生のような半分酔っ払った冷やかし客の眼にも飛び込むような焼物が、多くなったように感じられた。
一通り見てから、再び常陸春秋窯へ。F社ご母堂様もいらっしゃったので挨拶。日本酒を出されたので、いただきながら話をうかがう。
 「普段は人っ子一人いないところなんだけれど、この陶炎祭の期間だけはよく賑わうよね」と、常州春秋窯の高橋春夫さん。
今年はどこも作陶のレベルが高いのではないかとうかがうと、
 「うーん、どこも努力はしていますね。それと、景気が悪いと華やかなものが売れるというのがあるから、これまで絵付けをしていなかったところが、今年は絵付けしたりして、そういう工夫もしています」
焼き方についてうかがうと、
 「薪にこだわっている人も多くて、ぼくも手伝ったことがあるんだけれど、あれは炎に魅入られていって、そのうち炎の奥で作品が光り始めるような感じがあるから楽しいよね」
笠間の近くでは県境を越えた下野の益子焼も有名であるが、益子焼の方が組合の縛りが厳しいらしい。笠間はそういうのが緩いので、益子から笠間に移住してくる陶芸家も多いそうだ。
いよいよ酔っ払ってきたので退散することにし、帰りがけに工芸の丘の物産店で干し納豆を買って駅に向かう。ビールのつまみにはこれが一番なのである。本当は、工芸の丘で、焼物体験でもしようかと早く来るつもりだったのに、結局酒を飲んだだけで終わってしまった。
18:03の電車に乗り、池袋に着いたら20:00を回っていた。途中は爆睡。腹が減ったので、池袋の博多天神によってラーメンを食べてから、歩いて帰宅。一日よく歩いた。小さな旅は気持ちがいいのだ。
ところが昼間寝すぎて、今度は寝付けなくなってしまい、遅くまでボケーッとテレビを見る。

画像は、常陸春秋窯で売られていた鬼面。見にくいかもしれませんが、額の「寿」マークが一家に福を呼寄せます。

本日、出社拒否症と闘いながら、10:00出社。本郷で、R出版のT社長とすれ違い挨拶。仕事をしたくないから、P舎のパソコンでエロサイトでも見ようと立ち上げると、P舎の大大社長が出社。どこも連休どころではないのである。
こちらも、M印刷の仕事と「救援」の仕事。とにかくM印刷が終わらないので、あせりまくり、弱り果てている。この調子だと、12日まで地獄が続くことになるのか。

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