ヤポネシアンレゲェ

新しい日常を追い求めるギター弾きホワイト教授のゆるゆる人生散歩日記。目指すは架空のリゾートミュージックアイランド。

異界からの戻りかた

2016-12-31 21:17:36 | やんばる
そんな聡子に出会ったのは去年の夏のことだった

何月頃かは覚えるよしもない

そう、沖縄の夏は長い

気温はそう低くはないかが、北風がひんやりさせる短い冬以外は、すべて夏



そこは、廃墟となって放置された沖縄北部の山小屋

とある、うちなー(沖縄出身)の億万長者と呼ばれる絵描きが、地元のおじさんたちと時間をかけて自力で造り上げたカルスト岩の独特な庭と木造の画廊喫茶

それがその後、品のよい老夫婦に受け継げられたはいいが、体を悪くして管理出来なくなってしまう


敷地の草は身長以上に伸び、周りの森は凶暴なつるにおおわれ、昼でも暗く風も通さない



小屋においた小さなCDラジカセをrepeatにして、CDを再生する

作業着に安全靴
右手にノコ、左手にナタ

最初はビクビクしながらも、道具を持った人間ってものは、次第に恐れを忘れてどんどん切り込んでいく

くそー、負けるもんか
あぎゃー、やられるもんか

が、所詮は人力
せいぜい、半日で一本の木に絡んだツルを落とすのが精一杯

ターザンがぶる下がって移動に使うような太さにまで成長したやつなら二日がかりだ

中にはやっかいなトゲトゲのサルカケミカンってのもある
しかもそのトゲは逆さにむいていて、もがけばもがくほど抜け出せなくなるときた


さすが、に一ヶ月もやっていくと四方にがんがん進んでいく

どういうわけか、ちっぽけな生き物ってやつは、周りからだんだん進まず、トンネルを掘るように細く長く先へさきへとすすんでしまう

森の奥へ奥へと進んで行くと、聡子の声は届かない


しかし

山小屋には確かに

「うた」

がある


間違いなく気配がある


何かの気配にとりつかれるのは、死期の迫ってきた証拠?

魂を半分落としかけているかもしれない

雑木林を切り開く作業していても、もしや死に場所を探してるんじゃないかとふと思う


たとえば、亜熱帯の強力なツルで覆われた木の下
真っ暗なテントの中にでもいるようだ

下草は生えず、土はむき出し、空気は冷たく、虫さえ一匹もいない





そこに100人いたら、100人の聡子がいる
そんな余白にあふれる聡子の歌はすべてが傑作だ

「そして命の恩人でもある」

何故って?

今日も無事に、山の暗闇に飲み込まれず戻ってこられたからだ




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