植物によるがん治療のお手伝い 聡哲鍼灸院日記

植物で心身を癒す施術の日々。そこから感じたこと、学んだことなど。。。

緩和ケア

2005年12月11日 18時32分51秒 | 癌治療・緩和ケア
 今日は東京都大塚の日本鍼灸師会館で開かれた学術講習会にいってきた。
 演題および講師は、
 1.がんの痛みを緩和する
   --モルヒネやほかのオピオイドlを中心として--
   日本赤十字社医療センター 緩和ケア科 部長 秋山修先生
 2.Palliative期の患者に対する鍼灸
   --症例から学ぶ現状と問題点--
   東海大学医学部付属大磯病院 鍼灸治療室 高士将典先生
 だった。

 日赤の秋山先生のお話からはホスピスで使われる一般的な疼痛鎮痛薬の働きや特徴、最近のデュロテップなどの新薬の話などもあって参考になった。秋山先生には何度も面識があり日赤医療センター緩和ケア病棟に入院している患者さんのところへ往診に行ってぼくが貼った皮内鍼を後日先生ご自身で張り替えてくださったり、と代替医療に理解を示してくださっていらしてとても有り難く思っている。今日の講演に対する会場からの質問への答えの中にあったのだけれども、緩和ケアの現場における医療人に鍼灸への期待や理解が薄いのでどうしても鍼灸師がチーム医療に入るのが難しいとのこと。「国立ガンセンターでは鍼灸師がチームに入っていてうらやましい」と仰っていたのでぜひ秋山先生には日赤医療センターの上司を説得して頂きたいと思う。

 高士先生の講演は初めて聞いた。コメディカル(医師を頂点とした医療チームの中の一員)として大学病院内で鍼灸治療を行ってきて、実際にペインスケール(痛みの程度を数値で表現したもの)の一つであるVAS(Visual Analog Scale:拷問のような耐え難い痛みを10としまったく痛みのない状態を0として患者に現在の痛みを10段階のうちでどれくらいか自己申告してもらうことで、治療前治療後の痛みの変化を知る)を使ったりして統計を取ってこられてきた。

 その結果、例えば電子温灸器の導入により痛みの緩和が図られたことで医師や看護師といったまわりの医療スタッフに「鍼灸は効くらしい」と認識してもらう一助になったこと、その後医療スタッフが鍼灸治療室に積極的に患者を回してくれるようになったことなどを紹介していた。

 また慢性疼痛には皮内鍼が予想以上に効果があることなどぼくも納得できる報告をされていた。さらに刺絡というわりと刺激量の多い刺鍼方法も採用したことがあるなど興味深い報告もしてくださった。
 
 高士先生とは講演の後に個人的の話をしたかったのだけれどもすぐお帰りになってしまわれたようでちょっと残念だった。ぼくのように自分のしたい治療方法で患者さんにあたれる環境よりも制約の多い医療現場でされている高士先生のことは尊敬するし、これからもいろいろ教えて頂きたかったから。まぁ、いずれまたご縁があればお会いするだろう。

 良く学べた休日だった。

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