HAMAARUKI

いろんな街を歩きたい、今日このごろ。

うれしい気持ち

2012-07-12 22:37:41 | ニホンゴ
先日、クラスに新入生が入って来た。
仕事の関係で日本語を学びに来た、私とほぼ同世代と思われる人。

その人が、初対面のクラス終了後にうれしそうに声をかけてくれた。

「今日はここ一週間で一番幸せなクラスだった。」

今まであまり他のクラスメイトと交流できなかった彼が、
その日は他の人と交流する機会を持ててうれしかったんだと思う。

それにしても、どういう理由であれ、こんな風に気持ちを素直に相手に伝えられるということに
すごいなあと思わずにいられない。

うれしい気持ちを伝えることは、伝えた相手をもうれしい気持ちにさせてくれる。
こういう気持ちの伝え方は、本当に外国の学生に学ぶことが多い。

簡単なことだけど、自分ではあまりできていないこと。
その日の終わりをうれしい気持ちで締めくくらせてくれた彼に感謝した。

孔雀柄

2012-01-20 13:21:37 | ニホンゴ
初めてタジキスタンの人たちに会った。 

彫りの深い顔立ちと、アジアの雰囲気を併せ持つ人たち。

地図上のあの辺りは、ウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタン・・
なんとかスタンがたくさんあってよく知らない地域。

お互いに何を言っているかよくわからなかったけど、
9世紀のサマニ王がいた頃は大きい国だったこと、
でも今の経済はアフリカ諸国並みなことを
一生懸命話してくれた。

聞いたことのないような名前の国からやってきて、
お互いに何を言っているかわからないまま時間を共有し、
さよならした人は今までどれだけいたのかな。
数えたこともないけれど、よく考えればすごいご縁だと思う。

お別れの日、クジャク柄の服を頂いた。
さて、これを着る日は来るのだろうか?

留学生たち

2011-03-16 20:26:46 | ニホンゴ
今日職場へ行ったら、
クラスの留学生ほとんどがすでに帰国、
または帰国予定となっていました。

地震をあまり経験したことがない学生にとっては、
小さい地震であっても本当に怖いもの。
ましてやこんな事態になって、
一日も早く国へ、という気持ちだったと思います。

たまたま今日帰国届けを出しにきた学生は、
いつもより受け答えの日本語がたどたどしく、
なかなか会話を理解できませんでした。
気持ちが落ちつかず頭が働いてないせいだな、と思いました。

ちょうど春休み期間なので、
落ち着いたら再来日予定という人が多かったのですが、
中には、退学届を出していった人もいました。

台湾、中国、韓国などでは、地震はもちろんのこと、
放射能汚染について大々的に報道されているとのことです。
学生からの情報なので確かなのかわかりませんが、
「関東地方すべて高濃度放射能汚染」という感じで
誤った報道がされているとのことでした。

当の学生が正しい現状を説明し、日本にとどまろうとしても、
そのご両親や親戚達がひどく心配し、
「なんとしても帰国して」というケースも多かったそうです。
親御さんのお気持ちを考えると、無理もないと思います。

平穏あってこその留学生活。

皆の日本体験が「怖い日本」で終わってしまわないように、
また楽しい留学生活を経験できるように、
そうできる日本に一日も早くなるように、願ってやみません。

青春

2010-01-29 21:45:42 | ニホンゴ
先日、学校でスピーチテストがあった。

皆がしっかりスピーチを覚えて来た中、
一人全然スピーチを覚えてこず、
教室の前で「あのー、えーと」を繰り返す彼女。

「もう原稿にとらわれないで話しちゃいなさい」
と先生に言われても、パニックしてどうにもできない。

仕方がないので先生に助け舟を出してもらいながら、
とぎれとぎれに話す。

私は一番後ろの席で採点しながら見ていた。

途中から、私のすぐ前に座っている男子学生が、
声と大きい口の動きで、彼女の原稿を読み上げてあげている。

「いや、バレバレなんですけど・・」と
周りの学生と笑いをこらえていたのだけど、
彼自身は至って必死。

普段感情を顔に出さないクールな彼。

必死のフォロー、結局彼女は気づいてなかったんだけど、
そっか、君にはそういう一面があったのかと、
「青春」を見たような気がした(笑)


人のパワー

2009-09-28 16:07:54 | ニホンゴ
仕事関係のセミナーに行ってきた。

講師の先生はとある学校の先生。
本を出版されたり、様々な活動に携ったりととにかくパワフルな方。

今回のセミナーは無料だったにもかかわらず、
90分の時間を少しも無駄にしないようにとの意気込みとパワーにあふれていた。


理想を語るのじゃなくて、必要だと思ったことをどうしたらできるのかを考えて、
実行したその過程や成功例、失敗例を話してくださり、
さらに受講者同士のブレーンストーミングや意見交換なども折り込んで、
時間を感じさせないセミナーだった。

思いついたらすぐ実行して、人を引き込んでアイデアをふくらまして、
振り返って、どんどん改善していく・・というご自身のスタイルを持って、
それを徹底しておられる。

おっしゃっていたのは何を何のためにするのか常に考え、本当に必要なことを行い
必要なものは自分で作る手間を惜しむな、ということ。
当たり前のように聞こえるけど、日々時間に追われるなかでこれを実践するのはなかなか難しい。
それを日常的に、学校をあげてされていることが、ほんとにすごいことだと思った。

教育格差って、その機関に集う教師の意識によってもかなり大きく生まれるものだと思う。
たとえ同じ条件の教育機関があったとしても、上の人がどういう意識を持った人か、
現場で動く人がどういう意識を持った人かで、その教育機関の質は大きく変わると思う。

その先生は上に立ち、時間をかけて周りの人の意識を変えてこられた。
こういう人に会う度に、人のパワーって何だろうなあと思わせられる。

活動量も生産量も軽く自分の3倍以上だなあと感心しながら帰宅。




万国共通

2007-06-25 23:03:09 | ニホンゴ
クラスに実習生が授業見学に入った。

授業に日本人のお客さんが来るのは
こっちはちょっと緊張するけど、
学生にとってはいい練習の機会だ。

しかも、今日来たのはかわいい女子大生とあって、
とたんに皆の目の輝きが変わった。
まさに”キラリ”と音がきこえたかと思うほど。

かわいい実習生が教室に入ったら、
みなさん、とたんに積極的。
うちのクラスは10人中8人が男性。
うち7人は独身20代。
どこの国でもそんなもんなのね。

次から次へ、習ったばかりの言葉で質問が飛び交う。
気のせいかいつもより流暢で、上手だった。
その流暢さを毎日みせてもらいものだが、
モチベーションが上がるって、こういうことなのよね。

今回の実習生はとても機転が利く人だったようで、
皆が理解できる言葉を選んで話そうとしてくれたのが
とてもよかった。
この点に気づかないで話す人だと、
日本語をさらに日本語で通訳しないと通じない。
そんな配慮のおかげもあって、
20分ほど楽しいやり取りが続いた。

話せて理解できたことで、皆とてもうれしそうだった。
きっと次につなぐ自信にもなっただろう。

あまりに皆がヒートアップしたので
しまいには部屋の温度まで上昇。









自己主張

2007-06-08 20:18:54 | ニホンゴ
新しいコースが始まり、
その初日に試験をしてクラス分けをした。

クラス分けをして数日後、
あるクラスの一人の中国人学生がクラスを上げてくれと
申し出てきた。

でも、その学生の話す力は最初に振り分けられた
クラスでも下位レベル。
クラス分け試験の成績もそのクラスの範囲内。

そう事実と数字を見せて説明されても、頑としてゆずらない。
日本語では基本的なコミュニケーションが成り立っていないのに、
自分は上のクラスでやっていける、
このクラスでは意味がないとの一点張り。
どんなに力が足りないとはっきり言われても、
「自分には能力がある」とゆずらない。
そんなやり取りが延々2時間も続いていた。

能力がないといわれても、
自信満々に「そうではない」と言い切り、
数字を見せられても「試験が悪い」「意味がない」
と突っぱねるあの自信はどこから湧いて来るのだろう・・。

はたでそのやり取りを見ていて、
「ああいう自信があればねえ・・。」と
妙に感心しあっていた。
自分のクラスだったら、とっくに根負けして上に上げている。

確かに、言葉を勉強している人が聞いたり読んだりする能力と、
実際に使うことができる能力には差があるから、
その人がどうしてそこまで主張しているのかという気持ちもわかる。

だけど、現在の状況と良くなるための周囲のアドヴァイスを、
全く受け入れる気持ちがなく、
自分にとって何がベストなのかと客観的に判断できないのは
伸びるチャンスを逃しているし、本人にとって不幸なことだと思った。

その後、フラストレーションの塊となって元のクラスに
留まっているその人だけど、
どこかで気持ちを切り替えてがんばってくれればいいなあと思う。

聞く耳と主張する口と、そのバランスが大事なんだなあと思った。






電子辞書

2007-01-23 21:08:44 | ニホンゴ
学生に辞書を買え買えと言いながら、
自分では買わなかった中国語搭載の電子辞書。

「You Tube」で台湾の『白色巨塔』を見るのに
紙の辞書めくるのが面倒になって、
年始に衝動買いしてしまった。
かなりアホだが買ってよかった。

私の中国語学習の敗因の一つは、
中国語は好きだけど、中国自体にはそれほどの興味が
ないし、中国語で何かをしたいという目的が何にも
なかったこと。

だけど、今は単純に中国語のセリフを追うのが楽しくて
しょうがない。
楽しいことは覚える。
これ続けてたら、きっとちょっとは力がつく。

日本語を勉強するのに、自分と同じ敗因を抱えてる学生は
結構いる。
不純でも何でもいいから、
それぞれの動機を見つけられたらいいと思った。




本日のいやし

2007-01-10 19:39:23 | ニホンゴ
久々に20人ぐらい相手に授業したら、
疲れた。
頭の芯がぼーっとしている・・。

いやされなければ・・。
本日のいやし。

でも、新しいクラスは目がキラキラしてる人々が
多くてラッキー。あたりです。あたり。
集中力は目にでるのだ。
昔小学校の校長先生が、「人の話は目でききなさい」
とおっしゃってたのはこれだな。


越式

2006-11-13 20:54:22 | ニホンゴ
よく試験問題にこんなのがある。

問題1:正しい答えを選びなさい。

A:お金を貸してください。
B:①すみません、私もありませんから・・。
 ②すみません、貸さないでください。
 ③今から勉強するところです。

③はどうみても関係ないと、誰もが思うところ。

しかし今日の会話練習中に、このやり取りが発生。

 「お金を貸してください。」
 「私は今から勉強します・・。」

私の頭に?が浮かび、みんなは大笑い。
どうしてこうなるのか尋ねると、ベトナムでは
したくないことを要求されたり頼まれたときに
のらりくらりとかわして答えることがあるそうだ。
すなわち越式コミュニケーションの日本語訳。

・・たぶん。
ジェスチャー交じりの意志疎通だけに、
こうやって文字にしてみると途端に自信がなくなるけれど。

しかし、その後しばらくトンチンカンなやりとりを楽しんだ。
外では日本式で会話してくれるよう頼んだけれど・・。

連続授業の2週間。
笑いはビタミン剤になってくれる。