深いクレバス~阪神淡路大震災を五行歌で語り継ぐブログ~

1995年1月17日。あの日を経験した私の心の声、被災した皆さんの声を五行の旋律に乗せて詠います。

鎮魂の鐘

2007年02月06日 13時43分29秒 | 五行歌
震動に
身ぐるみを
剥がされた
ビルの軒並に
言葉を失う

鎮魂の鐘が
今年も
響き渡る
朝の雨音と
闘うように

黙祷時刻への
帳尻合わせで
竹筒に灯りを
雨の中でも絶やすなと
テレビ局が煽る

ドキュメントは
なまもの
ありのまま
脚色も演出も
いらんのや


掲載したい、と思ったときはここがメンテ中でした。
先に震災歌投稿掲示板に掲載したものの転載です。

管理人からお知らせ

2007年01月18日 18時19分16秒 | お知らせ
ここでは私の出身地である都合上、阪神大震災に関する五行歌ばかりを
掲載していますが、新潟、宮城、福岡、北海道・・・その他の地域の災害を題材に
詠う事もOKですよ。奮って投稿掲示板へ書き込みをどうぞ!
この先にまとめて、このブログにてアップさせていただきます。
お待ちしています^^

管理人 たかしろなおみ

水ぐらい撒いて行けや!

2007年01月18日 16時33分29秒 | 五行歌
一進一退の
被災地に
本当の春は
遠すぎるのか
世相がそうさせている

鎮魂の日に
いつも思う
昆陽(こや)池に行きたい!
北淡町で燈籠を流したい!
東遊園地で黙祷したい!

とめどなく燃え続ける
街の上を
我が物顔で飛行する
報道ヘリさんよ
水ぐらい撒いて行けや!

人間は
非常の時ほど
心を試される
にしても
この災害はありえへんわ

あれから12年
JR芦屋駅の
落ちた吊り時計が
市民感情的には失礼だが
懐かしく思えてくる

今年もまた春節祭が
南京町に
やってくる
華僑の人も
すっかり逆さ福

13年目の
明石海峡に
声をかけたい
地盤が暖まりすぎて
くしゃみしてないかと

自らを殺めたり
人を殺めたりする
この時代に
生きたくても生きられなかった
犠牲者たちの無念を偲ぶ

12年前の
クレバスから
聞こえる
民の哀しみさえも
官僚たちは耳を塞ぐ

繁華街や
名所ばかりを映して
「復興」を伝えるマスコミよ
真実の姿こそ
全国に伝えたれや

神戸を離れてから
この秋で12年
震災から復興への
歩みを同じくして
私も生きてゆく

亡骸(なきがら)

2007年01月18日 08時50分23秒 | 五行歌
跡形もなく
滅ぼされた
菅原市場の亡骸に
声さえも出てこない
母の姿

社内報の記事に使えと
フィルムを手渡す
会社を失った義父(ちち)
被災地を車で巡りながら
撮影してきたらしい

お城から
電車が飛び出す…
視覚効果抜群な
阪急三宮駅の残像が
瞼を離れない

理事長の
記念館以外は
いとも簡単に潰れた
母校の校舎を前に
立ち尽くす

幸いなことに
ガスと電気は
すぐに復旧
水を求めて毎日
北区の親族宅へ走る

鉄枴(てっかい)山が
削られていたら
と思うと
背筋が凍った
板宿界隈の大火事

帰郷の度に
あの頃一番傷ついていた
新長田を歩く
元気にしてるかと
声をかけながら 

大地が哭いた/2007年 ブログ開設以前の作品  

2007年01月17日 17時36分35秒 | 五行歌
幸せに
翔び立つ心を
知らずに
大地が哭いた
1月17日

大地の嗚咽が
二度とこの地に
起こらないようにと
祈りを捧げる
5時46分

商人(あきんど)の
王様は
国より先に
庶民を救った
立役者

震源地の
爪痕を
和ませるように
今年もまた
水仙の華ひらく

花嫁になる夢を
膨らませながら
彼の街へと
飛んだ途端に
彼女は瓦礫の中に消えた

車が生命線の
街だったら
もっとパニクって
いただろうな
震災直後の大渋滞

婚前ムードを
叩き壊された
天災の脅威に
未来を悲観していた
あのころの私