涼麻が行く ~白犬ウエスティの のんきな生活~

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『天球の歩き方 計算編』#6 〜カシオペヤからポラリスへ〜

2017年06月18日 14時18分14秒 | 星空

天球上の目印として重要な北極星

北斗七星から探す方法と並んで、小学校で習ったのがカシオペヤ座から辿る方法

Wikipediaによれば、「W字形で表現されるカシオペヤ座の5星のうち、片側2星の延長線と反対側2星の延長線の交点と中央の星とを結んだ線上、W字の上側にある。中央の星からの距離は、先の交点と中央の星との間隔の約5倍である」とあります。

さて、今回もどんな感じか計算してみます。

 

1. 5つの恒星の位置

カシオペヤの、β星カフ、α星シェダル、γ星ツィー、δ星ルクバー、ε星セギンを、それぞれ恒星A〜Eとします。

それぞれの赤径RA及び赤緯Decは、下記の通りです(元期 J2000.0)。

カフ:(RA, Dec)=(00h 09m 10.68518s, +59° 08′ 59.2120″)

シェダル:(RA, Dec)=(00h 40m 30.44107s, +56° 32′ 14.3922″)

ツィー:(RA, Dec)=(00h 56m 42.5317s, +60° 43′ 0.265″)

ルクバー:(RA, Dec)=(01h 25m 48.95147s, +60° 14′ 7.0225″)

セギン:(RA, Dec)=(01h 54m 23.72567s, +63° 40′ 12.3628″)

 

2. 道案内にしたがって計算してみる

2.1 シェダルとカフを結ぶ直線及びルクバーとセギンを結ぶ直線

シェダルとカフを結ぶ直線は、恒星AとBを通過する大円です。大円G1の方程式を

とおくと、【基本計算式2】を適用すれば、a=-1.7156、b=1.0004が得られます。

同様にして、ルクバーとセギンを通過する大円G2の方程式のパラメーターは、a=-0.7874、b=-2.7772となります。

 

2.2 2つの大円G1とG2の交点

2本の直線の交点は、大円G1とG2の交点です。この交点を点Qとすると、【基本計算式4】を用いれば、

交点Q:(RA, Dec)=(00h 55m 13s, +54° 59′ 4″)

となります。

 

2.3 交点Qと恒星Cを結ぶ直線

交点Qと恒星Cを結ぶ大円の方程式のパラメーターは、【基本計算式2】を用いれば、a=11.6898、b=-53.5555となります。

 

2.4 交点Qと恒星Cの間の角距離

交点Qと恒星Cの角距離は、【基本計算式1】より、θQC=5.7356°が得られます。直線QCに沿って、θQCの約5倍、延長すればポラリスがあるというわけです。

 

2.5 ポラリスから直線QCにおろした垂線の足

直線QCを延長していって、ポラリス:(α, δ)=(2h 31m 49.09456s, +89° 15′ 50.7923″)に最も近付く位置を点Rとすると、【基本計算式3】から、

交点R:(RA, Dec)=(04h 39m 36s, +88° 45′ 44″)

となります。

 

2.6 ツィーから約5倍のあたりにポラリスがあるか

ツィーからポラリスがあると期待される点R(=直線QC上でポラリスに最も近い点)までの角距離は、【基本計算式1】より、θCR=28.6028°です。この距離は、θQCに対して、28.6028°÷5.7356°=4.9869倍≒4.99倍となり、「約5倍」という道案内は、非常に正確です。また、北斗七星からポラリスを探すときの「5.33倍」よりも、圧倒的に「5」に近いことが分かります。

 

2.7 ポラリスがあると期待される位置と実際にポラリスがある位置の距離

点Rと点Pの間の距離は、【基本計算式1】より、θRP=0.7266°と求まり、この値は、一般的な双眼鏡の実視界が7°程度であることから考えて十分に小さいと考えられます。また、北斗七星からポラリスを探すときの差異「1.92°」と比べても、はるかに小さく、正確だといえます。

 

以上の計算結果を手持ちの写真で説明すると、こんな感じになります(写真画像なので歪曲収差があります)。

 

2.8 W字形からポラリスへ向かう方向

「カフとシェダルを結ぶ直線」と「セギンとルクバーを結ぶ直線」の成す角は、球面三角形AQEに【基本計算式5】を適用して、φAQE=86.3911°です。

「カフとシェダルを結ぶ直線」からポラリスへ向かう直線は、球面三角形AQPに【基本計算式5】をすればφAQP=52.1417°、「セギンとルクバーを結ぶ直線」からポラリスへ向かう直線は、同様にして、φEQP=34.2494°です。

もちろん、φAQPEQP=52.1417°+34.2494°=86.3911°=φAQEです。

 

3. まとめ

カシオペヤからポラリスを探すとき、個人的には、なんだかスッキリしないことが多いという印象をもっていたのですが、計算してみると非常に正確な道案内であり、北斗七星の場合に比べても、はるかに優秀だということが分かりました。

カシオペヤからポラリスに向かうときの難しさは、ε星セギンが3.37等星と暗いためにδ星と結ぶ直線の方向をつかみにくいこと、さらに「W」の形状が線対称になっているわけではないこと、などが要因ではないかと思います。

 

5つの【基本計算式】こちらで紹介しています

その他の『天球の歩き方』はこちらへどうぞ

Cassiopeia to Polaris

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