バイロンはお好き?

バイロンを超現代的に解釈・注釈・日本語訳するブログ

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すっかり秋に…

2013年09月23日 | メモ・ノート
すっかり涼しくなってしまいましたが…^^;

管理人の片割れShallotです。

更新が滞っていてすみません!
現在別の作業を進めておりまして、
噂では数年後に『バイロン事典』が出るとか…。
ちょっと楽しみですが、まだまだ先の話。
目下自分もちょっとした訳をしておりまして、
うまく出版できるといいな~なんて。
キンドル版とかでもいいかなとも思ってます!

相棒も日々忙しくしておりまして、
もう少々更新までお待ちくださいませ☆^^☆
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美しいヴェネチアよ

2013年03月02日 | チャイルド・ハロルドの巡礼第4編

19
私は[ヴェネチアのがらんどうの広間や寂れた通りを]過去でいっぱいにできる。
そして現在の目と思念と鎮められた瞑想にとって充分なものがある。
そしてそれは私が望んだり求めたりする以上のものかもしれない。
私の存在という織物を織ってきたもっとも幸せな瞬間のうち、
いくつかはおまえから採った色彩に彩られているのだ、
美しいヴェネチアよ!
<時>も無視できない、<拷問>も歪められない、
いくつかの感情がある。
そうでなければ、もう、私の感情は冷たく唖となるだろう。


XIX.

I can repeople with the past - and of
The present there is still for eye and thought,
And meditation chastened down, enough;
And more, it may be, than I hoped or sought;
And of the happiest moments which were wrought
Within the web of my existence, some
From thee, fair Venice! have their colours caught:
There are some feelings Time cannot benumb,
Nor torture shake, or mine would now be cold and dumb.
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少年時代からヴェネチアが大好きだった

2013年03月01日 | チャイルド・ハロルドの巡礼第4編
18
私は少年時代からヴェネチアが大好きだった。
私にとって、ヴェネチアは心の要請の都市として、
海から、喜びのいる場所から、富の市場から、
水の支柱のように上ってきた。
そしてオトウェイ、ラドクリフ、シラー、そしてシェイクスピアの技巧が
ヴェネチアのイメージを私に刻み込んだ。そして、
ヴェネチアの様子がこんなものだと分かったけれども、我らは別れなかった。
傲慢で、驚嘆に満ち、誇り高かったときよりも、
その嘆きの日にあって、たぶん、ヴェネチアはなおさらいとおしい。


XVIII.

I loved her from my boyhood: she to me
Was as a fairy city of the heart,
Rising like water-columns from the sea,
Of joy the sojourn, and of wealth the mart
And Otway, Radcliffe, Schiller, Shakspeare’s art,
Had stamped her image in me, and e’en so,
Although I found her thus, we did not part,
Perchance e’en dearer in her day of woe,
Than when she was a boast, a marvel, and a show.

・Otway:トマス・オトウェイ(1652-1685)。イングランドの劇作家・詩人。代表作に『守られたヴェニス』(1682)がある。
・Radcliffe:アン・ラドクリフ(1764-1823)。イギリスの小説家。ゴシック小説を広めた。
・Schiller:シラー(1759-1805)。ドイツの詩人。

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<海の女王>たるもの

2013年02月28日 | チャイルド・ハロルドの巡礼第4編
17
それゆえ、ヴェネチアよ、たとえおまえに説得力のある主張がなくても、
ヴェネチアの誇り高い偉業の数々がすべて忘れられても、
神々しい詩人の歌の記憶は、ヴェネチアのタッソーへの愛は、
ヴェネチアを暴君たちへと結びつける結び目を断ち切らせたことだろう。
ヴェネチアの運命は他の国家にとって恥ずべきものだ、とりわけ、
アルビオン[英国]よ! おまえにとって。<海の女王>たるもの、
<海>の子どもたちを見捨てるべきじゃない。
水に隔てられていようとも、
ヴェネチアの陥落に、英国の陥落を思うがいい。


XVII.

Thus, Venice, if no stronger claim were thine,
Were all thy proud historic deeds forgot,
Thy choral memory of the bard divine,
Thy love of Tasso, should have cut the knot
Which ties thee to thy tyrants; and thy lot
Is shameful to the nations, - most of all,
Albion! to thee: the Ocean Queen should not
Abandon Ocean’s children; in the fall
Of Venice think of thine, despite thy watery wall.


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詩の歌声だけが遠方からの身請金だった

2013年02月27日 | チャイルド・ハロルドの巡礼第4編
16
アテネの軍隊がシラクーサに敗れたとき、
鎖に繋がれた捕虜たちは戦いの軛に耐え、
アッティカの詩神に救出の声を上げ、
詩の歌声だけが遠方からの身請金だった。
見よ! 彼らが悲劇的な歌を歌うとき、
勝ち誇る勝者の戦車は止まり、手綱はその手から落ちる。
無用の三日月刀は帯から外れ落ちる。
彼は捕虜の鎖を断ち切る、
そして銃への歌と旋律に感謝するように言うのだ。


XVI.

When Athens’ armies fell at Syracuse,
And fettered thousands bore the yoke of war,
Redemption rose up in the Attic Muse,
Her voice their only ransom from afar:
See! as they chant the tragic hymn, the car
Of the o’ermastered victor stops, the reins
Fall from his hands - his idle scimitar
Starts from its belt - he rends his captive’s chains,
And bids him thank the bard for freedom and his strains.

・Athens’ armies fell at Syracuse:紀元前431-404年、ペロポネソス戦争のとき、アテネはシラクーサに戦いを挑み、敗れ、多くの兵士が捕虜となった。そのとき、エウリピデスの悲劇を歌って自由を得たという『プルタコス英雄伝』にある。
・Attic:アッティカ。ギリシア南部の半島。
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ヴェネチアの美しい城壁に惨めな雲を投げかける

2013年02月26日 | チャイルド・ハロルドの巡礼第4編


15
硝子の彫像たちは、みなうち震え、
ヴェネチアの今は亡き大公たちの長い列は塵へと帰した。
しかし彼らの住まうところ、広大で贅を尽くした宮殿は
栄えある責務の華やかな物語を紡ぐ。
その笏は壊れ、刀は錆び、
異邦人に降伏した。がらんどうの広間、
寂れた通り、ヴェネチアを従えているものが誰で何なのかを
常に意識させる異邦人の様子、
それらがヴェネチアの美しい城壁に惨めな雲を投げかける。


XV.

Statues of glass - all shivered - the long file
Of her dead doges are declined to dust;
But where they dwelt, the vast and sumptuous pile
Bespeaks the pageant of their splendid trust;
Their sceptre broken, and their sword in rust,
Have yielded to the stranger: empty halls,
Thin streets, and foreign aspects, such as must
Too oft remind her who and what enthrals,
Have flung a desolate cloud o’er Venice’ lovely walls.

・the vast and sumptuous pile:ドゥカーレ宮殿のこと。
・sumptuous:豪華な;ぜいたくな
・pageant:(特に歴史的・伝説的・宗教的事件を扱ったはなやかな)野外劇,ページェント;はでな行列;(祭の)仮装行列
・enthral:隷属状態にする
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多くの奴隷を生み出したが、自分は自由だった

2013年02月25日 | チャイルド・ハロルドの巡礼第4編
14
若かったころ、ヴェネチアはまったく栄華を誇り、新チュロスとも呼ばれ、
勝利から得たあだ名こそ「獅子の旗を打ち立てる者」、
炎と血をかいくぐり、
彼女に従う大地と海のうえへとかざしたのだ。
多くの奴隷を生み出したが、自分は自由だった、
そしてオスマントルコに対する欧州の壁となった。
古代トロイの好敵手、クレタ島の港町カンディアを見よ!
レパントの海戦を見た不滅の波よ、証言せよ!
というのも、カンディアもレパントも、時や暴君がくじくことのできない名なのだから。


XIV.

In youth she was all glory, - a new Tyre, -
Her very byword sprung from victory,
The ‘Planter of the Lion,’ which through fire
And blood she bore o’er subject earth and sea;
Though making many slaves, herself still free
And Europe’s bulwark ’gainst the Ottomite:
Witness Troy’s rival, Candia! Vouch it, ye
Immortal waves that saw Lepanto’s fight!
For ye are names no time nor tyranny can blight.

・a new Tyre:Tyreは、古代フェニキアの都市チュロスのこと。現在のレバノンのスール。
・byword:あだ名
・Planter of the Lion:バイロンは原注で、ヴェネチア人のあだ名「パンタレオーネ(pantaleone)」は「獅子の旗を立てる者」の意味からきているとしている。(しかし、正しくは305年に殉教した聖人Pantaleoneに由来している。)
・bulwark:土塁,堡(ほう)塁;防護物;防波堤
・Candia:クレタの港町イラクリオンのイタリア語名。オスマントルコから24年間ヴェネチアが守っていた。
・Lepanto’s fight:ギリシア西部の港レパントであった1571年の海戦のこと。
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ヴェネチアよ、敗れては勝ちを得た者よ

2013年02月24日 | チャイルド・ハロルドの巡礼第4編

13
サン・マルコ寺院の前で、金鍍金した首当てを日の光に耀わせて、
今でも真鍮の馬が光っている。
だが、ドリアの威嚇があったのではないか?
馬勒をつけられてはいないのか? ヴェネチアよ、敗れては勝ちを得た者よ、
1300年の自由の歳月は終わり、
藻屑のように、立ち現れた海へと沈む!
たとえ<破滅>の底にあっても、波にのまれ、
その支配から不名誉な休息を得るよりも
外敵を避けるほうがましだ!


XIII.

Before St. Mark still glow his steeds of brass,
Their gilded collars glittering in the sun;
But is not Doria’s menace come to pass?
Are they not bridled? - Venice, lost and won,
Her thirteen hundred years of freedom done,
Sinks, like a seaweed, into whence she rose!
Better be whelmed beneath the waves, and shun,
Even in Destruction’s depth, her foreign foes,
From whom submission wrings an infamous repose.

・Doria:ジェノヴァの指揮官ドリアのこと。1379年にヴェネチアを破った際、ヴェネチアが和平交渉を持ちかけたが、その時にドリアは、馬勒を外したサン・マルコ広場の馬に手綱をかけるまでは交渉に応じないとした。しかしその後、ヴェネチアはそれをきっかけに大奮起し、ジェノヴァを破り、勝利を得た。
・bridle:〈馬に〉馬勒をつける
・whelm:((文・詩))…を水に沈める,〈波などが〉…をのみ込む.
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準備中です

2013年02月23日 | メモ・ノート
長い間更新滞ってすみません、
今月中にいくつか更新するつもりですので、
もう少々お待ちください!>_<;
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「権力」の頂点の高みから溶けていった

2012年10月25日 | チャイルド・ハロルドの巡礼第4編
12
スアビア人が懇願し、今ではオーストリア人が統治している―
皇帝がひざまずいた場所を、ほかの皇帝が踏みつける。
王国は属領に縮み、王権によって治められた市は
鎖に繋がれている。国々は、陽光をしばしの間
感じたときに、「権力」の頂点の高みから
溶けていった。そして山腹から崩れていく
雪崩のように、下っていく。
ああ、ほんのひととき、盲目の老ダンドーロがいたならば!
齢八十を越えた総督、ビザンティウムの征服者よ!

原文
The Suabian sued, and now the Austrian reigns –
An Emperor tramples where an Emperor knelt;
Kingdoms are shrunk to provinces, and chains
Clank over sceptred cities, Nations melt
From Power’s high pinnacle, when they have felt
The sunshine for a while, and downward go
Like Lauwine loosened from the Mountain’s belt;
Oh for one hour of blind old Dandolo!
The Octogenarian Chief, Byzantium’s conquering foe!


Suabian:神聖ローマ皇帝フリードリヒ一世(Frederick I, c.1123-90) のことで、赤髭王(Barbarossa)と呼ばれた。 1177年に聖マルコ広場でローマ教皇アレクサンデル三世(Alexander III, 1105-81)に恭順を示して跪いた。
Suabia(Swabia)はドイツ南西部に位置する。
Astrarian:神聖ロー皇帝フランツ二世(Francis II, 1768-1835)
Dandolo:エンリコ・ダンドーロ(Enrico Dandolo, 1107?-1205)、ヴェネチアの総督。第4次十字軍の先頭に立ち、1203年コンスタンチノープル(Constantinople)を征服した。
lauwine:なだれ
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