本会の庭に住む蝦蟇が呟いてます

人間のやることなすこと・・・ワシから見たら何とも・・・

書き下ろし~長編妄想小説

2015-03-28 10:50:19 | 日記
第1章  2045年

夢を観ている…
私は80歳になっている
5月の汗ばむ陽気に誘われ、今日も家から車で30分ほどの山間の渓流沿いで、群れ遊ぶイワナやヤマメを眺め、この時代に生きられたことを神に感謝し、持参したお神酒のウィスキーを川に一垂らし捧げ深く頭を下げる。
『ありがたいことだ…』
『幸せの独り占めなんて、罰が当たるわい』
少しだけ飲んだウィスキーのせいか、最近とみに衰えた頭のせいか、うとうとと、その場で膝を抱えるように眠りについてしまった。
まどろみの中で、何か叫んでいる声が聞こえる。
あれは?聞き覚えのある孫の声のようだが…
『じいちゃん、寝たらだめだよ。川に落ちて死んじまうよ!』
『あぁ、分かった、分かった…今車に戻るよ』
『幸せだ…このまま眠るように逝ってしまいたい』
さぁ今が私の人生のゴールだ…そんな思いを遮るように、いつの間にか近づいてきていた孫娘が大声を挙げて、桃源郷に入ろうとしている私の邪魔をする
『じいちゃん!今日はメンテナンスの日でしょう!予約入っているんだから早くしてね』
あぁそうか…このところ歩行アシストロボットの調子が悪かったのだ…段差認識センサーの交換の日だった』
よろよろと立ち上がり、薄くなった頭に降り注いだ藤の花を払い除けながら、側に置いた全自動電動車椅子に乗り込み、近くの駐車場に置いた自家用車(オートドライブ水素エンジン車)に向かう。
車いすにある音声認識ナビゲーターに声をかけ、車いすに乗ったまま運転席に移る。
『病院』…と声をかけると、静かに車が動き出し、曲がりくねった山道をエンジン音もショックもなく快適に走行していく。
孫たちはそれぞれに自分用のオートドライブ水素エンジン自動車に乗り込み、スイスイと先を走っている。
行く手に突如現れたリスの飛び出しにも、事前にセンサーで察知し、ブレーキングと回避行動を的確に行っているので、8歳の孫娘でも安心して乗っていられる。
今日はどうやら、誕生日のプレゼントを買いに駅前のショッピングモールに向かっているようだ。
前から欲しがっていた、腕時計型のアンドロイドタイプペット呼び出し端末機を買うのだろう。(続く)

異動の季節

2015-03-26 17:00:24 | 日記
この時期は公務員の方々の人事異動の季節だ。
今日も、ご丁寧に茨城運輸支局から茨城県バリアフリー委員会担当課長、および福祉有償運送担当係長のお二人が転任のご挨拶に
来てくれた。
また、県も市も懇意にしてきた課長、係長が配置転換するという。
総じて、話のわかる賢い方達ばかりだ。
また、真剣に県、市・町のことを考え、一緒に取り組んできた方達。
4月から、また、新たな方達とお付き合いしなければならない。
私は運が良いのか、全国のNPOの仲間の愚痴話に出てくるような駄目行政マンに出会ったことがない。
思想信条・主義主張に拘らないで、人が人らしく生きる上での知恵の出し合いを行っている分には、皆、優秀な方々だった。
新たな配置場所でも熱意を持って、任務に当たってほしい。
と同時に、今度はどんな方が赴任するのだろうかという不安と興味がある。
どんなにかたくなな人間であっても、誠意をもってぶつかれば胸襟は開くと信じたい。

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2015-03-18 09:23:09 | 日記
昨日は、朝から晩までスケジュールいっぱい!
県警本部に行き、交通企画課係長と面会して、施設送迎員研修開催の案内と職員派遣の依頼。
午後より、茨城県総合福祉会館にて「茨城県新地域支援構想会議」で5時まで熱のこもった議論。
急ぎ戻って、6時からNHK水戸放送局の取材…。

M子さんの意思表示

2015-03-06 14:49:47 | 日記
M子さんの日常会話
『バガッ』『アホッ』は日常挨拶
『早くしなっ』は何かを訴えているとき
『痛いよっ』は『嫌だ』の意思表示

およそ2~3分に一回は、誰にともなく投げつける。
一日中、ディルームと廊下、事務所を巡回視察と名付けた徘徊行動
そして誰かと遭遇すると、顔を見るなり『バガッ』『アホッ』…

初めての来訪者は驚く
新米のケアスタッフも最初は戸惑い怖れもした…
最近ではようやく 慣れてきて
『はいっ~~私はバカです』『さあM子さん お手洗い行きましょう~~』
『アホッ』『痛いよっ』
『は~い じゃあ後にしましょうね』
と思う間もなく
『早くしなっ』
ドタバタドタバタ・・・おしっこが間に合わない!

『でもさ 機嫌のよい時に見せる笑顔 可愛いんだよね』
こうやって 新米ヘルパーさんは鍛えられていく