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ザ・キワモノの軌跡~キワモノ宣言 (`89-`91) #3

2007年01月29日 18時19分51秒 | JAPANESE POP
 「古今東西(`90)」は前述の通り、彼女がキワモノの頂点に極めた傑作といっていい作品である。ことにその前半、江戸時代の風なSE「プロローグ」から始まるハードロック作品「鬼たいじ」の壮大なむなしさ、4ビートのバッグ・バント作品「ザ・バスターズ・ブルース」のゴキブリ退治を歌にするアナーキックさ、わずか数秒の意味不明な「インターリュード」、社会をナメきったOLの傲慢さをこれ以上くらいないくらいに森高がチャーミングに歌う「あるOLの青春」、サンタナの渋さもリズムのおもしろさも全て脱力感の中に消えていく「オエ・コモ・バ」のカバー、お約束である森高流ハートブレイク・バラード「雨」、これまたバブル絶頂期の浮かれまくった海外ツアーのオンナ達に森高がなりきって歌うテクノとファンクの合体「大冒険」「香港」に至る流れは圧倒的だ。その音楽的なブチ切れ度、なんの必然性もなく組み合わされた各種ジャンルのバラエティというか、その組み合わせのハチャメチャさはほとんど前例のない暴走振りだったし、それを受ける森高の傲慢さ軽さがないまぜになったキャラクターもチャーミングの一語に尽きる。そして、それらが渾然と一体化された時の妙というか要するにキワモノぶりは、今聴いても凄味すら感じるものだ。まさにメタ・アイドル森高の絶頂期が記録された作品群といってよかろう。
 ついでに云えば、当時これまた絶頂期にあった正統派アイドルWINKの音楽と森高のそれはあらゆる意味で対極に位置していたが、そのでくの坊のようなシラケた歌い方は80年代末期の世相を反映した共通したものであった(これについてはずれ書くこともあろう)。

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