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DEODATO / Prelude

2005年09月22日 11時22分04秒 | Jobim+Bossa
 これがヒットしたのは確か73年頃だったと思う。この手のフュージョンとしてはまさに「走り」の音楽だったハズだけど、とにかく「ツァラトゥストラはかく語りきという曲のおかげで本作は大ヒットしのだ。なにしろ、ジャズとしては異例なシングル盤が発売、そのヴァージョンは、パチンコ店のBGMやその他有線などでもオンエアされまくっていたらしいから、そのメガトン・ヒットぶりがわかろうというものだ。

 この曲が大ヒットした理由は、まず「ツァラトゥストラはかく語りき」という素材の良さがあったと思う。もちろん、あの長大の交響詩の有名な冒頭部分のみをデオダートはアレンジしているワケだけど、その前段階としてこの部分が1970年公開のスタンリー・キューブリック作品「2001年宇宙の旅」の冒頭で、あまりに印象的に引用されていたため一躍有名にやなり、多分、それの影響を受けて70年代前半のエルヴィス・プレスリーのライブ・ステージのオープニングにいつもこれを使用したことも、ポピュラー・ミュージック界でこれをとみに有名した。。

 とにかく、本作はその後塵を拝する形でこの曲は発売されたのだった。このアイデアはデオダートというより、クリード・テイラーのものであろう。ブラジル出身のアレンジャーで60年代中盤からブラジルの大物のボサ・ノヴァ系の作品を非常に器用にこなしていたという印象ではあったが、この手のことはほとんどやっていなかったと思う。要するに腕を買われたのだと思う。「ツァラトゥストラはかく語りき」の冒頭はマイルスの「ビッチズ・ブリュウ」風な仮想アフリカ的世界に始まり、もやもやが晴れるように例のテーマが8ビートにのって現れるカッコ良さは今聴いてもアイデア賞ものであった。さすが商売人、クリード・テイラーの目に狂いはなかったのだ。もちろん、この作品でデオダートは一躍大スターとなったのであった。
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