天上の月影

勅命のほかに領解なし

出世本懐法話(2)

2017年06月14日 | 利井鮮妙和上集

 出世とは仏様が西化をかくして驚いて火宅の門に入ると善導大師は仰せられてあるが、釈迦如来様は三千年の昔に無蓋大悲と申して無上最上の大悲より西方浄土で十方衆生を御済度遊ばすことを御止めなされ、火事場の様な造悪の此の娑婆世界に御出世遊ばし八万四千の御法り、三百余会の御説法を遊ばすは皆此の界の衆生のためである。此の八万四千の御法(おみのり)三百余会の御説法は一一皆御本意ではなくて、出世の御本意は此の中ただ一つ「唯説弥陀本願海」である。然るに機に千差万別があるから其の機、其の機に対して法を説き与えて五濁悪時の衆生は自力の法は難行なるが故に成仏叶ひ難し自力無功を知らしめて、弥(いよいよ)自力では叶わぬと得心せられたは、弥陀の本願海こそ五濁悪時悪世界濁悪邪見の衆生に相応した法なりと、出世本懐の南無阿弥陀仏をお説き遊ばされたのである。
 お同行が京都へ上れば東山の名所古跡も見、嵐山の桜狩りもし、家族への土産物も種々(いろいろ)ととゝのへるなど用事はすれ共、上京の本意は一天無二の御真影に御礼をするが上京の本意である。夫(それ)と同じく釈迦如来様が種々(いろいろ)の御説法をなされ、西化をかくして驚いて火宅の門に入らせられたは五濁悪時の私に南無阿弥陀仏をきかせんためである。こゝを正信偈には「唯説弥陀本願」と仰せられたのである。

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