天上の月影

勅命のほかに領解なし

出世本懐法話(1)

2017年06月13日 | 利井鮮妙和上集

出世本懐法話(真宗論題法話其一)

今席より三部経及び七高祖の御聖教に依って真宗法門の大切な処を題をかかげて順序立ててお話しを致します。

 何れの高祖にても開宗をなさるるには必ず依経開宗といふて経文によらねば宗旨は開かれぬものであって、吾が真宗は三部経、殊に此の中の大無量寿経に依って、其の経に説かせられた通りにお開きになったのである。故に高祖大師は浄土真宗真実の教えは大無量寿経是れなりと仰せられてあって、此の大無量寿経は常並常並(つねなみ、つねなみ)の御経でなく、今より三千年の昔に釈迦仏が印度に御出世遊ばした其の出世の本意本懐を御説きなされたのである。故に高祖は正信偈に「如来正意興出世、唯説弥陀仏本願」釈迦如来様が娑婆世界に御出現遊ばさした所以は唯だ阿弥陀如来様の御法を説かんがためであると御示しなされてある。
 此の仰せは我が高祖大師は勝手に仰せられたのではなく、釈迦如来様が大無量寿経に「如来、無蓋の大悲をもつて三界を矜哀したまふ。世に出興するゆゑは、道教を光闡して群萌を拯ひ、恵むに真実の利をもつてせんと欲してなり」と明らかにお示しになってある。正信偈と言葉は違へども意(こころ)は同一であるから今は常に親しく聴聞している正信偈の御文に依ってお話しをするのである。

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2 コメント

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ルビ必須部分 (かささぎの旗)
2017-06-15 00:02:47
道教を光闡して群萌を拯ひ

どうきょうをこうせんしてぐんみょうをすくい

とよみますか。難解、わからないです。
出世本懐の文 (水月)
2017-06-15 09:33:52
これは大阪府高槻市の利井鮮妙和上(1835~1914)の法話を転載しているものです。

難解といわれる文は『大無量寿経』に釈尊がみずからの出世本懐、この世にお出ましになられた理由、わけがらを、みずから述べられたものです。「世に出興するゆゑは」とあるからです。昔から出世本懐の文(もん)と呼ばれてきました。ただしこれをそのように見られたのは親鸞聖人です。詳しい解説がなされていますが、いまは省略します。問題の文は、「どうきょうをこうせんして、ぐんもうをすくひ」と読みます。群萌は「ぐんみょう」でなく「ぐんもう」です。私たちのことです。雑草が群がり生えているのにたとえたものです。そして漢文では文章中に「欲」の字があり、その位置が問題になるのですが、長くなるのでやめておきます。いずれ機会があれば私の文章で書かせていただきます。

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