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『百物語』 手塚治虫

2007-04-27 | 作品

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『百物語』 手塚治虫 『百物語』 手塚治虫

 

なんでも、手塚治虫の作品ならば、自分が子供のころ読んだもの。

とか、勘違いをしてしまう。

 

これって、よくよく想い出してみれば、かなりエロチックな表現もあったりして、大人というか色気がついたあんちゃんとかが読む、ジャンルの漫画だ。女の魅力にも様々あって、純情なのとか気高いのとか。この作品に出てくる、スダマというのは魔性のそれである。【ガムザッティの感動おすそわけブログ】さんの投稿を、下に紹介させていただいているのだが、1971年の作品で、ちょうど沖縄施政権返還闘争の時季とかさなっている。

                 ノーベル平和賞

ふと思い出したのだが、この裾の短い小袖を着た小女に、よく似た雰囲気の女性がいた。

ゴリゴリの理論派の闘士と何時も一緒にいたので、「女」 として見ることはなかった。しかし、美人でもあるし、ハッキリものを云う聡明さが際立っていた。

物語の筋は、この魔性の女に魂を売って、かわりに男前の顔と、強運を手に入れた。

その波瀾万丈の顛末記。

 

読む方の興味は、玉藻の前という妖怪の女狐の、その素性であった。

なので、ファウスト物語の翻案が、どのように、日本の戦国時代に移し替えられたのか、などの興味はそれほどもなくて、それを読み解くドイツ文学への素養なども、からっきし。

     『百物語』 手塚治虫

小生、ねっからの子供脳なので、物語ではなく、イメージつまり映像ばかりに関心がゆく。自分もこの漫画は買って読んだのだが、その実物はあとで若いのが貪り読んでいたので、くれてやってしまった。なので、なんとなくおぼつかない記憶で、この拙文を綴っている。

何処かの活火山の山麓に、なんとか地獄というのがあった。その中央に大岩があって、幾つかの割れ目から 瘴気(しょうき)が出ている。この毒気にあたると、人も死んでしまう。なので、この辺り一帯には、動く獣の姿はない。草木も生えず、上空を飛ぶ鳥もいない。

 

 

 

Wikipedia で調べたならば、「鳥羽上皇が寵愛した伝説の女性、玉藻前(白面金毛九尾の狐の化身)が正体をあらわし、数万の軍勢によって殺害され、石となったという逸話がある」 などと書いてある。たいそうな美人で、色白美人で身体は金色、そして怪しきことかぎりなし。シッポは九本も生えている。

この岩に封じられた物の怪を、手塚治虫はいともたやすく、生き返らせてしまった。

そして、質素な着物を着た、小女に描いている。

 

描かずに、その不思議さを、小袖の向こうに想像させる。

あるいは、描くのがメンドウだったのか。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

私が手にした本は朝日文庫の「ファウスト」で、
その中には、続けて「百物語」が収められていた。

この「百物語」、手塚治虫47歳の時(1971年)に描かれた、いわば「ファウスト」の翻案もの。
舞台は日本、時代は下克上の戦国時代。
主人公はファウスト・ハインリヒならぬ一塁半里(一塁=ファースト→ファウスト、半里=ハインリッヒ)。
彼が理不尽なお家騒動に連座し、斬首される寸前に「死にたくない!」と思うところから、
この物語は始まる。
どうみても非力でダサくてモテそうにない一塁を、
女の妖怪・スダマがイケメンの男に変え、名前も不破臼人(ふわ・うすと=ファウスト)と名乗らせる。
そして、一塁の望みである
「一国一城の主になりたい」「イイ女をモノにしたい」「満足な人生を送りたい」の3つをかなえたら、
魂を抜き取って自分のものにできる、という約束をするのだ。

25年の歳月を経て、手塚はゲーテの大作の核心を会得して換骨奪胎、
緻密な背景、魅力的なキャラクターを造り上げて素晴らしい物語を創造した。

日本人だからだろうか、ゲーテのあらすじを知ってなお、
「こっちのほうが上じゃないか?」と思ってしまう展開である。
一つには
日本人って、「天使」と「悪魔」っていう二律背反の法則が苦手でしょ。
「天使」の中にも「悪魔」が棲み、
「悪魔」もやがて「愛」を知る・・・みたいな。

「悪魔」の変容だけではない。
「人間」も成長する。
不破(一塁)とスダマとの関係が、長い間連れそうことで微妙に変化していくところ、
ダサい一塁が、魔法でイケメンになっても中身は前とおんなじ弱腰だったのを、
少しずつ少しずつ、自分の力で人生を切り開くべく努力していくところなど、
「魔法」や「妖怪」が出てくるけれど、そうしたSFチックな痛快さだけに終らないからこそ、
ぐっと引き込まれていくのだと思う。

騙されたとおもって、一度お手にとってくだされ。
http://plaza.rakuten.co.jp/gamzatti/diary/200806180000/ 

 

 

 

 

 

 

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 アセチレンランプ

 

アセチレン・ランプは、手塚治虫の漫画に登場する人物である。

手塚治虫のスター・システムを代表する「俳優」の一人。中肉中背で、角ばった顔と大きな目の中年男性として描かれる。また後頭部には窪みがあり、何かの拍子にそこへ火の点いたろうそくが立つ描写がある。これが彼の最大の特徴であり、「ランプ」という芸名の由来にもなっている。このろうそくの火を熱源として利用する場合も有る。服装は格子模様の背広に斜めの縞が入ったネクタイを合わせ、背広の前ボタンを全て外して無造作に着こなすことを好む。眼鏡をかけていることも多く、特に『アドルフに告ぐ』などリアルタッチの作品では、目そのものを大きく描く代わりに大きなレンズの眼鏡をかけることで顔の造作を再現している(ちなみに「アドルフに告ぐ」においては、フキダシの中に描くという苦肉の策で、トレードマークのろうそくを出している)。

     
 
基本的にギャングをはじめとした悪役を得意とする。ただし単純に善悪二極のうちの悪と割り切れるようなキャラクターではなく、悪行の中にも善性や人間味をのぞかせる、いわゆる「グッド・バッドマン」としての演技が特徴。古参スターだけに演じた役は多く、またその幅は広い。『ザ・クレーター』では、温泉旅館の女将として女性役を演じたことすらある。
 
原型は手塚治虫の小学校時代の友人木下平八郎。彼の後頭部に平たい窪みがあり、ろうそくを乗せれば立つと噂されていたところから、後頭部にろうそくを立てたキャラクターが誕生した。商業作品中でのデビューは、1948年3月刊行の『ジャングル魔境』。同年12月に刊行された『ロストワールド』がデビュー作だと誤解されることがあるが、これは時期的な近さや作品の知名度に加え、手塚自身が1950年代にまとめた自作スター名鑑に「『ロストワールド』でデビュー[3]」と記載されているためである。 Wikipedia

 

 

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