朝礼の話題

見たり読んだりして、感じたことを朝礼で話しています。この頃は仕事の話は少なくなりました。

福祉の有り難さ

2013-04-03 22:21:45 | 21世紀
福祉の有り難さ
2013/04/04
 透析が健康保険の対象になったのが昭和42年だそうです。
 その頃は1カ月の透析費用は全額自己負担で400,000/月、年間480万円だったのです。保険適用になっても、3割負担で、月々12万円、年間144万円となります。
 また、当時は人口腎臓の機械も足りず、誰もが透析治療を受けられるわけでもなかったそうで、家族の透析費用が高額になるため、仕方なく離婚する夫婦や自殺する患者もいました。透析費用を工面するため、泣く泣く家や土地を売り払う人も多かったそうです。
 患者が安心して透析治療を受けられるようにと、患者自身が患者会を立ち上げ自らの命と暮らしを守るため運動を開始したのだそうです。ひどい貧血の状態で連日のように、厚生省や国会に出向き交渉を続け、その結果透析患者が身体障碍者に認定され、更生医療の適用となり、誰もが自己負担なしに透析治療を受けることが出来るようになったのです。
 しかし、自ら奔走しながら、自分では透析治療を受けることなく亡くなった先輩患者もおられたそうです。
 私など、過去のことを知らないので、4時間もベッドに括りつけられ、仕事も出来ず、世の中のお荷物になってしまったなどと、ぼやいていましたが、申し訳ない事です。

 今、北九州の裁判所では、カネミライスオイル事件の訴訟が継続されています。判決は、民事の時効は20年で、訴える権利がないということでした。
 一律、1000万円慰謝料・治療費を支払えと言う患者の要求ですが、カネミ倉庫は小さい会社で、支払えば会社は倒産するでしょう?
 PCBは電気のトランスに使われていますが有害物で、国の命令で現在まで各事業所で保管されているPCBは、国の費用で処理しています。
 PCBはポリ塩化ビフェニールと言う物質で、カネミ倉庫では、ライスオイルの加熱熱媒体としてステンレスパイプの中を通していました。ステンレスは塩素に弱く侵され腐食し、穴があき、ライスオイルに混じってしまったのです。
 カネクロール(PCBの商品名)のメーカーは大企業鐘ヶ淵化学ですが、製品製造者の責任は追及されません。そしてトランスに使用したPCBの処理は国の費用でしています。PCBでステンレスが侵されると言う知識を知らしめるのは製造メーカーの責任と感じますが、表には出て来ません。患者救済は、カネミ倉庫だけでは無理なら、福祉政策を考える時期と感じます。