わら日記

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ヘルムート・ラッヘンマン《オーケストラのための「書」》

2016-11-26 11:05:03 | 現代音楽
ヘルムート・ラッヘンマンは1935年にドイツのシュトゥットガルトで生まれた、現代音楽の世界では非常に有名な作曲家。
現代音楽では特殊奏法や騒音的な音響がしばしば使われるが、そうした手法を確立したひとりでもある。

《オーケストラのための「書」》は大編成のオーケストラのために作曲された2003年の作品。
曲名からルトスワフスキの大傑作《オーケストラのための「書」》を思い浮かべてしまうが、ルトスワフスキの作品の原題は《Livre pour orchestre 》であり、ラッヘンマン作品の《Schreiben for orchestra》とはニュアンスが違う言葉のようだ。
ルトスワフスキは現に存在する「書」(book、本)を措定しているのに対してラッヘンマンは「書く」という行為を暗示しているので、ふたつの曲の関連性は薄いと思う。というか関係なさそう。


ラッヘンマン自身の解説によれば、ドイツ語の「Schreiben」は「Schrei」(叫び)と「Reiben」(こする)から成り立っているとのことで、ちょっと強引な感じだけど、「schrei」に騒音的な音響を、「Reiben」に特殊奏法を象徴させていると考えることもできるかもしれない。
「書く」という行為についての思索をめぐる表現なのだろうか。

この曲自体は騒音的な持続音はなく、どちらかと言うと静謐な世界を志向しているように思われる。断片的な音のつながりの中から自然に湧き上がるようにスケールの大きな充実した音楽が生まれている。


ヘルムート・ラッヘンマン《オーケストラのための「書」》

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