映画とライフデザイン

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映画「MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間」

2016-12-28 22:41:32 | 映画(洋画:2016年以降主演男性)
映画「マイルス・アヘッド」を映画館で見てきました。


ジャズ界を常に引っ張っていたマイルス・デイヴィスが突如演奏を休止した70年代後半の話を映画化したものであるが、元妻であるフランシス・テイラーの幻影を追うために60年代後半とみられる映像を組み合わせている。中学時代から常にマイルス・デイヴィスを追っていた自分からすると、興味深い。B級と受け取られてもおかしくないレベルではあるが、最後に60年代の史上最強のバンドで活躍したウェインショーターとハービーハンコックがマイルスを装った男の後ろで自らの姿を誇示しながら演奏する姿をみて感動してしまった。それを見れただけで満足だ。


1970年代後半のニューヨーク。長らく音楽活動を休止中のマイルス・デイヴィス(ドン・チードル)の自宅に、彼のカムバック記事を書こうとしている音楽記者デイヴ(ユアン・マクレガー)が押しかけてくる。しかし体調不良に苦しみ、ドラッグと酒に溺れるマイルスは、創作上のミューズでもあった元妻フランシス(エマヤツィ・コーリナルデイ)との苦い思い出にも囚われ、キャリア終焉の危機に瀕していた。


やがてデイヴと行動を共にするうちに、悪辣な音楽プロデューサーに大切なマスターテープを盗まれたマイルスは、怒りに駆られて危険なチェイスに身を投じていく。その行く手に待ち受けるのは破滅か、それとも再起への希望の光なのか……。

1.フランシステイラーとジャケットを飾った女たち
マイルスデイヴィスは女性のポートレートをレコードジャケットにのせるのが好きだ。「SOMEDAY MY PRINCE WILL COME」で美しい姿を見てるのがマイルス元夫人のフランシステイラーである


。「ポギ―とべス」ギル・エヴァンスと制作している最中に2人が恋に落ちるシーンもある。


この映画ではかなりキーになる存在だ。「ESP」のジャケットにもフランシステイラーが映る。それまでライブレコーディングが多かったマイルスが久々スタジオ録音でつくったものだ。

その後、フランシステイラーと別居することになり、「ソーサラー」では81年に結婚する女優のシシリー・タイソンのポートレートをジャケットに使う。離婚前とはいえ、シシリーに入れ込んでいるのが良くわかる。でもシシリーと真の意味でつき合うようになるのは、長い沈黙時代の後半1978年ごろである。シシリーがいなかったら、マイルスデイヴィスは麻薬に入れ込んだままで復活しなかったかもしれないのだ。


2.60年代の最強クインテット
ジョン・コルトレーンやビル・エヴァンスがいるときに、ジャズのベストセラー「カインドオブブルー」という代表作を送り出す。映画でもライブハウスで白人のピアニストが出てくるシーンがあるが、これはビル・エヴァンスということであろう。その後60年代に入り次のサックス奏者が定着しない時期が続く。ようやく63年に当時まだ若かったハービーハンコック、ロンカーター、トニーウィリアムスの素晴らしいリズムセクションに恵まれた。トニーウィリアムスに至ってはまだ17歳である。同時にアートブレイキーとジャズメッセンジャーズにいたウェインショーターを招き、1964年最強クインテットができる。個人的にはジャズ史上最強だと思う。



この映画でも当時のメンバーに似たメンバーが登場し、「ネフェルティティ」を演奏する場面が出てくるが、マイルスとフランシステイラーと夫婦喧嘩をしていて、あんまりいいシーンではない。
67年の映像 トニーウィリアムスのドラムスが冴える



3.ウェインショーター
先日元ウェザーリポートのジャコ・パストリアスのドキュメンタリー映画「JACO」を見たときにウェインショーターのインタビューが含まれていた。80歳を過ぎてまだまだ健在だというのを見せつけてくれ、本当にうれしかった。自分はマイルスデイヴィスクインテット時代のウェインショーターが好きだ。マイルス後半やウェザーリポートの頃からソプラノ・サックスが目立つようになるが、豪快なテナーの音がいい。

アルバム「ソーサラー」ではメンバーのオリジナル曲ばかりでマイルスの曲がない。2曲目の「ピー・ウィー」ではなんとマイルスが演奏していないのだ。実際にウェインショーターカルテットだけど、そこにはいないマイルスの匂いがたちこめるのは不思議だ。ウェインショーターはかなりしつこくマイルスデイヴィスからメンバーになるように誘われたらしい。2人の緊張感あふれるプレイはすばらしい。そんなマイルスデイヴィスの映画なので、「黄金のクインテット」のウェインショーターとハービーハンコック2人もライブに参加してくれたんだろう。ウェインショーターは座ったまま吹いていて、年齢を感じさせたが、先日に引き続き映画でその姿を見れただけでもうれしかった。


ドン・チードルはマイルスに似ているかな?ちょっとイメージが違うかな?と思っていたが、かなりなりきっているとみた。最後のライブシーンのふるまいもいい感じだ。

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