映画とライフデザイン

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映画「恋する惑星」 トニーレオン&フェイウォン&ブリジットリン&金城武

2014-10-06 04:43:14 | 映画(アジア)
映画「恋する惑星」は94年の香港映画
ウォンカーウァイ監督の出世作で香港映画のスタンダードだ。何度もこの映画を見ている。


香港好きの自分からすると、最近の香港での民主化デモ騒ぎは本当に心配である。英国のサッチャー首相と小平との会談で50年間は今までの政治経済体制を変えないと決まったはずだ。その主旨が、中国共産党という圧倒的な権力に押さえつけられてしまうのでは?と気になる。この映画はまだ中国返還前の映画だ。コロニアル文化とオリエンタルなムードがうまく混ざり合って出来たあの香港をなつかしみたくなり、またdvdを手にした。いかにも今より猥雑な香港だけど、いい感じだ。

映画は2つの物語で構成される。

〈重慶マンション:Chunging House〉
刑事223号(金城武)は、雑踏の中で金髪にサングラスの女(ブリジット・リン)とすれちがう。
「そのとき、彼女との距離は0.5ミリ-57時間後、僕は彼女に恋をした」
女は重慶マンションを拠点に活動するドラッグ・ディーラーで、密入国したインド人に麻薬を運ばせる仕事を請け負っている。刑事223号はエイプリル・フールに失恋。ちょうど1か月後の自分の誕生日まで失意の日が続いていた。
金髪の女は啓徳空港へ。しかし、麻薬を渡したインド人の姿はなかった。ほどなく命を狙われた彼女は相手を銃殺し、走り逃れる。


刑事223号と金髪の女は偶然入ったバーで知り合う。恋人を忘れるため、その夜会った女に恋しようと決めている刑事223号に女はそっけない。それでも二人は閉店まで飲み続けホテルに泊る。彼女は眠り込み、やがて静かな一夜が明ける。刑事223号は25歳の誕生日の朝を迎えるが。。。

〈ミッドナイト・エクスプレス:Midnight Express〉
刑事223号は小食店〈ミッドナイト・エクスプレス〉で、新入りの娘フェイとすれちがう。
「そのとき、彼女との距離は0.1ミリ-6時間後、彼女は別の男に恋をした」


刑事633号(トニー・レオン)は店の付近を巡回している。彼にはスチュワーデスの恋人(チャウ・カーリン)がいた。二人には別れの予感があった。ある日、フェイはスチュワーデスが刑事633号にあてた手紙を店主からことづけられる。手紙には彼の部屋の鍵が入っていた。
フェイは刑事633号のことが気になりだしていた。鍵を持って部屋に忍び込む。フェイは口実を見つけては店を抜け出し、彼の部屋で『夢のカリフォルニア』のCDを聞きながら、少しずつ自分好みに模様替えしていく。やがて二人は部屋で鉢合わせ。店を訪れた刑事633号は彼女をデートに誘う。大雨の夜、待ち合わせ場所の店「カリフォルニア」に633号はむかうのであるが。。。

1.重慶マンション
「恋する惑星」なんて何でこんな名前になったの?という題名がついているけど、原題は「重慶森林」である。重慶は四川の都市名だけど、香港でいえば誰しもが重慶マンションのことを指すことだとわかる。

沢木耕太郎の「深夜特急」で、主人公はいきなりこの雑居ビルに宿泊する。九龍側のメインストリートに面するけど、うさんくさそうな人物がうろうろしている。1階のすぐ横の両替屋のレートはウソみたいに高いけど、2階へ行くと香港№1の両替料率に変わる。その代わり気味の悪いインド人に遭遇する。交換したばかりの金がぼったくられそうで怖い。


2.ブリジットリン&金城武
ブリジットリンは金髪でサングラスを外さないので、誰だかわからない。その金髪女は重慶マンションの中でインド人たちに仕事を持ちかける。麻薬の運び屋だ。ウォンカーウァイ監督はあの猥雑極まる重慶マンションの中を思いっきり悪さをさせ、手持ちカメラを用いて臨場感を出す。今は無き啓徳空港でのシーンを見ると、懐かしく思える。


そのお相手は金城武だ。振られ男だけにカッコいい役ではない。それでも、夜のバーで口説くシーンでは、広東語、北京語、英語、日本語と何でもございだ。感情をむき出しに演じるのはまだ若かったからできることだろう。

3.トニーレオン&フェイウォン
今や中国全土を代表する俳優となったトニーレオンもまだ見るからに若い。そして香港警察の制服がよく似合う。「インファナルアフェア」も「花様年華」も撮られていないころだ。いたずらっぽく忍びこむフェイウォンもかわいい。いかにも香港人らしく、とっかかりが無愛想だ。ファイナルファンタジーの主題歌を歌うのはもう少し後だ。当時、スクウェアのtopに後輩がいて、飲みに行った時よくこの曲聞いたものだった。


村上春樹「シェエラザード」を読んだ時、片思いの同級生の家に忍び込む高校生の時の想い出を語る話があった。その時とっさに思い浮かんだのは「恋する惑星」のフェイウォンだ。優雅に金魚を水槽に入れ込んだり模様替えをする彼女がかわいい。

4.印象的な挿入歌
お店でうるさいくらいママス&パパスの「カリフォルニアドリーミン」が高らかに響く。これが耳について離れない。ウォンカーウェイ監督はこの曲を、カリフォルニアに行きたいという意味と香港のナイトスポット「ランカンフォン」の名店「カリフォルニア」にひっかけた。



あとは優雅に鳴り響くダイナワシントンの「what a difference a day makes」がうまく合っている。ウォンカーウァイ監督は自分と同世代なので、一世代違うはずだが、「花様年華」でもナットキングコールの歌をメインにしていたし、いわゆる一時代前のスタンダードが好きみたい。

5.ランカイフォン:蘭桂坊
初めて香港に行った時、親友に連れてこられてから毎度必ず寄っている。金融街セントラル:中環のすぐ山手なので欧米人が多い。その連中がビール片手に道端でだべっていたり、バーの中で大はしゃぎしている姿にはビックリした。東京では六本木や麻布のごく一部にそういう場所があるけど、明らかに香港ならではの別世界である。
(ユーチューブにいい動画があった)↓


「カリフォルニア」はその中の一つだ。「Midnight Express」はもうないという。
いつも香港へ行くと夜が更けるまでこのあたりで遊んでいる。暴動で大騒ぎの今はどうなっているのかなあ?

(参考作品)

恋する惑星
返還前の香港の若者


天使の涙
ウォン・カーウァイが描く夜の香港


深夜特急〈1〉香港・マカオ
重慶マンションといえばこの本


欲望の翼
ウォンカーワァイの出世作


いますぐ抱きしめたい
ウォンカーワァイのデビュー作品
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