映画とライフデザイン

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映画「オンリー・ラバーズ・レフト・アライヴ」 ティルダ・スウィントン

2014-06-15 09:32:35 | 映画(洋画:2013年以降主演女性)
映画「オンリー・ラバーズ・レフト・アライヴ」は2013年公開のバンパイア映画だ。
バンパイア映画と言いながらも監督はジム・ジャームッシュである。「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「ブロークン・フラワーズのような「とぼけた映画」をつくっている彼がメガホンをとるので、なんか違う展開じゃなかろうかと推測する。

実際この映画は普通のバンパイア映画とは違う。極めてスタイリッシュな映像だ。
現代の寂れたデトロイトを舞台にする。夜のムードではあるが恐怖に満ちあふれたスリラーとは言えない。モロッコの猥雑さや荒廃したデトロイトの町の映像がバックに加わり不思議なムードを持つ。

ティルダ・スウィントンジム・ジャームッシュ映画の常連になりつつある。最近では「グランドブタペストホテル」にも主演しているティルダが太古の昔から生き延びるバンパイアを個性的に演じる。ティルダはむしろ40歳後半をすぎて出番が増えている。しかも、ここでは年齢を感じさせないヌードも披露する。これはすごいことだ。最後にこそ狂気の顔を見せるが、それ以外はけだるいムードの演技でジム・ジャームッシュ映画らしいムードを引きだす。

吸血鬼のアダム(トム・ヒドルストン)はギターをはじめ弦楽器なら何でも自在に弾きこなすミュージシャンとしてアンダーグラウンド・ミュージック・シーンで活躍している。

しかしここ近年の自己破滅的な人間たちの振る舞いにアダムは抑鬱を抱えていた。そんなとき恋人イヴ(ティルダ・スウィントン)がデトロイトに住む彼の元を訪れる。
もちろん、彼女も吸血鬼で2人は何世紀も愛し合い、生き続けてきた。久々の再会もつかの間、イヴの破天荒な妹エヴァ(ミア・ワシコウスカ)が突然2人に会いにやってきて3人の運命は、ゆっくりと変わり始める・・・。(作品情報より)

1.永遠の命と血液の乾杯
トム・ヒドルストン扮するバンパイアのアダムはジミーペイジの風貌を思わせる孤高のロック・ミュージシャンだ。頻繁にロックのリズムが流れる。加えてロック好きならアレと思うギターに対するうんちくを語る。何世紀も生き続けている彼は、誰かを襲って血を手に入れるのでなく、病院の医師とつるみ良質な血液を買っている現代のバンパイアだ。
その恋人がイヴだ。何世紀も恋人として愛しあっている。2人はグラスに血を注ぎまったりと飲み続ける。不思議なムードだ。


2.ミア・ワシコウスカ
あのかわいいミアちゃんがここではバンパイアだ。ロック仲間であるイアンがアダムの家に出入りしているので仲良くするが、ミアはうっかりイアンの血を吸ってしまうのだ。血が歯の牙をむき出しにするシーンは今までのミアちゃんとはイメージが違う。てっきりイヴの娘役だと思っていたけど、妹役なのね。


3.デトロイト
デトロイトと言えば自動車不況。でもスリラーには関係ない世界
久々に会った2人がドライブして工場跡の廃墟や劇場の跡地を走り回る。高い犯罪率に自動車不況による工場撤退で、人口は180万人から70万人台まで落ちている。日本と異なりまだ人口が増えているエリアが多いアメリカでは信じられないことだ。何か警鐘じみたものを感じるけど、ドラキュラ映画らしくないところがいかにもジム・ジャームッシュ

ともかく最後のショットで見せるティルダ・スウィントンの表情が一番印象的
これは怖い!

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