映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「ニンフォマニアック Vol.1」 ステイシー・マーティン

2014-10-15 20:01:35 | 映画(洋画:2013年以降主演女性)
映画「ニンフォマニアック Vol.1」を映画館で見てきました。
予告編で見て、すごい刺激的なセリフと映像が気になっていた。
題名を直訳すると「色情狂」とのこと、なんか70年代前半の東映ピンク路線みたいだなあ。


最近、邦画も洋画もわざわざ映画館行くのがないので消去法で選択。エロ満載で男ばかりと思いしや、ちょっとインテリ風のお姐さんも割といて満員でした。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「メランコリア」などを手掛けるデンマークの鬼才ラース・フォン・トリアー監督がメガホンをとるけど、ユマサーマン、シャイア・ラブーフといった主演級が出演するのも気になる。

ある冬の晩、道に倒れている女性が通りがかりの年配の男セリグマン(ステラン・スカルスガルド)に助けられる。どうしてこうなったんだい?とセリグマンに聞かれ、ジョー(シャルロット・ゲンズブール)は子供のころから語ってもいいかと確認してその半生を語り始める。ジョーの幼少時の性への関心から、妙齢を迎え処女を喪失し、若き日のジョー(ステイシー・マーティン)が男漁りをするようになった話が続いていく。。。

こればかりは色々ストーリー書くより予告編を見た方がよさそうだ。




前半は5章に分けられている。ジョーの半生をつづる。

1.ステイシーマーティン
ヌード全開でひたすら活躍するのはステイシー・マーティンである。
まだ23歳という彼女が、さまざまな男と肌を合わせる場面を次から次へと演じる。ものすごく強烈というほどではないが、一部場面では自分の股間も少し変調してしまう。


何せ娼婦でもないのに、一日7,8人といたすというのだ。これは色情狂だ。自分の父親が危篤状態になっていても、病院職員をつかまえてやってしまう。時間でスケジュールが決められていて、次から次へと男がくる。
こんな役やるのも大変だよね。それにしても、7歳から13歳まで日本にいらっしゃったとは驚きだ。まさかその時は違うよね。

2.シャイア・ラブーフ
この映画の一番の役得がシャイア・ラブーフだ。ひたすらステイシー・マーティンの身体をむさぼるうらやましい役だ。見ていると、本当にやっているんじゃないかと錯覚してしまうショットも見受けられる。
そこにフィボナッチ数が絡むという後講釈には笑うしかない。ジョーが処女を喪失した折り、いきなり前から3回腰を動かす。そして後ろむきにしてから5回腰を動かす。そこでフィニッシュだけど、そのとき映像に3と5を表示してその数字を強調する。
何それ!


3.フィボナッチ数
1,1、2,3,5,8,13,21,34,55.。。と続いていくのがフィボナッチ数列だ。
例えば5,8の次の数は13だ。5+8である。しかも、5以降あとの数は前の数の約1.62倍となり、前の数はあとの数の約0.62倍だ。黄金分割比の基本である。
ジョーの語る男あさり遍歴に、セリグマンが哲学、宗教、釣り、音楽に造詣が深いという設定になっているので広範な知識で応じる。なかなか面白い。フィボナッチ数は数学が題材の映画ではちょこちょこ使われる。トムハンクスの「ダヴィンチコード」では暗証番号として使われたり、株式市場を予測する数学の天才を描いたダーレン・アロノフスキー監督「π」でもフィボナッチ数が語られる。でも男がセックスの時に何回腰を動かしたなんてばかげた話は聞いたことがない。こういう話に強引に持ち込んだのには笑えた。

4.ユマサーマン
「パルプフィクション」「キルビル」のユマサーマンは大好きだ。今回彼女が出てくるので、なんかセクシーショットがあるのかと期待した。でもその期待は空振り↓


ヒステリックな女を演じる。主人公ジョーが遊んでいる男の一人で妻帯者がいる。ジョーは深入りしないようにしているので、あなたは妻子がいるからダメだわと言ったら、離婚するといって旦那が来て、ついでに妻と3人の子供が飛び込んでくるという構図。ユマサーマンは浮気相手の家に殴りこんできた妻というわけだ。少し前の彼女なら逆はあっても、こういう役はやらなかっただろう。でもこれからお声がかかるかも?何せ迫力はあるからね。

5.強烈な音楽
スタートで一瞬静かな光景を無音で映したと思ったら、いきなりすごいヘビメタだ。なかなか強烈な主題歌だ。余分なバックミュージックは少なく、いざという所で象徴的な曲をかける。そのバランスは実に素晴らしい。
主人公ジョーが友人Bと列車の中でどちらがおおぜいの男とやれるか?賭けようとさっそうと車中を歩く時、映画「イージーライダー」の主題歌であるステッペンウルフ「ワイルドで行こう」がかかる。このタイミングもいい。セリグマンの対比法の講釈に合わせてバッハのパイプオルガン曲が流れるタイミングも悪くない。


映像もモノクロにしたり、画面分割やクロスカッティングをつかったりさまざまなトライをしているところは好感が持てる。
単なるポルノにはしないぞという意思が強い映画である。

(参考作品)

ニンフォマニアック Vol.1/Vol.2
性に狂った一人の女
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映画「バチカンで逢いましょう」 マリアンネ・ゼーゲブレヒト

2014-10-15 17:55:41 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
映画「バチカンで逢いましょう」は名作「バグダッド・カフェ」マリアンネ・ゼーゲブレヒト主演のローマを舞台にしたドイツ映画だ。


「バグダッド・カフェ」で活躍したマリアンネ・ゼーゲブレヒトが、いいおばあさんになったな!とジャケットを見て思う。あのパフォーマンスを思い出しつつ、dvdを手に取ってしまう。ドイツ人のおばあさんのローマでの珍道中といった感じだ。

マルガレーテ(マリアンネ・ゼーゲブレヒト)は40年前に夫とドイツのバイエルンからカナダのビッグベア・クリークに移住し、幸せに暮らしていた。そして、長年連れ添った夫ロイズルの葬儀を済ませた。長女マリー(アネットフィラー)は遠く離れた一軒家で一人暮らしをする母の家を売却し、自分の家へ呼び寄せることにした。
ところが、マリーの家で一緒に暮らせるはずだったのに、マリーは彼女に新設の老人ホームを勧める。みんなで行くと約束をしていたローマ旅行もうやむやにされてしまう。敬虔なカソリックの信者であるマルガレーテには、どうしてもローマ法王の前で懺悔したいことがあったのだ。ある朝、マルガレーテは置手紙を残して、空路ローマに旅立った。

ローマに住む孫娘マルティナ(ミリアム・シュタイン)の家に転がり込んだマルガレーテは、さっそくバチカンへ向かった。だが、法王と会うのは簡単なことではなかった。そこで、イタリア人の老詐欺師ロレンツォ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)と出会う。彼は盲人を装って法王に会おうとしていたのだ。


マルガレーテは集団謁見の日に再訪する。神聖な法王の前で偽りの姿をさらす老詐欺師を見つけ、懲らしめようと、持っていた護身用のスプレーを吹きかけたところ、それが法王を直撃してしまう。逮捕され、大きく報道されてしまう。尋問を受けるマルガレーテを救ったのは盲人を装っていたロレンツォだった。彼は警察に事件はすべて自分のせいだと説明し、マルガレーテは釈放される。

一方、マルガレーテはロレンツォの甥ディノとも不思議な縁で出会っていた。ディノの母親はドイツ人で彼らはローマでバイエルン料理店を経営していた。店の料理は不味く、倒産寸前だった。最初は客として来店したマルガレーテも、あまりにひどい料理に自ら厨房で料理を作り始めてしまう。やがてマルガレーテはその店のシェフとして働くことになり、彼女の作る料理は大評判となって店は一気に繁盛する。


法王襲撃犯として国際ニュースにまでなった母を心配して娘マリーもローマへやってきた。そして、彼女は40年間家族の誰にも話したことのない秘密をマリーに明かす。だが、その秘密のあまりの衝撃に母と娘は大喧嘩を始めてしまうが。。。。


第2外国語がフランス語だったので、ドイツ語はまったく分からない。スイスに行った時も、ドイツ語を話されるとバンザイ状態。それでもドイツ映画のコメディは「ソウルキッチン」などなかなか面白いものがある。古くは「ローマの休日」新しいところではウディアレンの映画「ローマでアモーレ」とローマ観光的映画は多々あれど、今回は若い孫役の娘とイタリア人の老詐欺師を中心にコミカルに展開させる。

1.「バグダッド・カフェ」との類似
「バグダッドカフェ」は傑作である。アメリカ西部の片田舎のドライブインに一人のドイツ人が夫とはぐれてくる。彼女はきれい好きで、流行らないドライブインでものすごい活躍を見せる。伊丹十三「タンポポ」のように一気に店に躍動感を与える。そこでは女の友情も語られる。


マルガレーテは孫の家の行った時、アパートは散らかしたままで、壁は裸の女のペインティングできたなくなっていた。早速部屋ををきれいに掃除する。これを見て「バグダッドカフェ」を思い出す。この映画を見てから、自分はドイツ人が整理整頓をする人種というイメージを持ってしまった。ここでも同様、シェフとなる店でもきれいに掃除する。


あとは料理である。本当は故郷のバイエルン料理を食べに行ったつもりだったのに、出てきたものはお粗末そのもの。食材を自分で扱って、「ウィーン風カツレツ」なるものをつくる。結局それはランチの献立になり、顧客を呼ぶようになる。
そんな感じで「バグダッドカフェ」のオマージュ満載である。

2.支える脇役たち
この詐欺師どこかで見たことある!そう「007慰めの報酬」でも見かけたのだ。ジャンカルロ・ジャンニーニはイタリアを代表する国際スターだ。服装もセンスがいい。いかにも陽気なイタリア人らしくコメディタッチにのっていく。スパイ映画だけが彼の持ち味ではないのだ。
イタリアにいる孫を演じるミリアム・シュタインが可愛い。結局現地のロックカフェに勤めて、ロッカーと同棲している。親の心配をよそにハネを伸ばしているという設定だ。フランス娘もいいけど、ドイツ人もいい女多いよね。ウィーン生まれという彼女はその美貌はハリウッドまでとどろくのではないかな?


定番のローマの風景は抜群、最初に映るカナダの山風景もすごくきれいだ。
観光的要素もあり、それなりに楽しめた。


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