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  理阿弥の 題詠blog投稿 および 選歌・鑑賞など

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ひぐらしひなつさんのうた

2009年12月03日 | 八首選 - 題詠2009
ひぐらしひなつさんの歌から8首。


097:断
断頭台かがやく朝はあたらしき挨拶をして人が行き交う

095:卓
卓球台ひらかれたまま廃村の公民館閉ざされる霜月

079:恥
しまうまのように恥じらうあたらしい日々のはじめの陽射しをくぐり

066:角
龍角散の銀の容器をあたためてゆっくり閉じる冬の西陽は

053:妊娠
妊娠を告げておんなは花鋏へと手を伸ばす春の陽のなか

033:冠
選ばれて赤い鶏冠を持つ者が喉ふるわせて解体を待つ

012:達
陽射しごと連れ去りながら配達を終えて路地へと消える自転車

010:街
花街に花なくかつて花たりしひとの曲がった影ゆくばかり



ひぐらしひなつさんの百首を読んで、浮かんだのは「陰影」という言葉。
それぞれに固有な時間を伴った光と影が切り取られています。

95番。
廃村にならないまでも、小さな村の出身としては、
なんだか胸がぎゅっとくる一首。
あの寒い午前中に、窓からさした陽の中に舞う埃とか、
片隅に転がったバスケットボールとか。

10番。
かつて花たりしひと、か。
いまは存在しない花の、そのかつての美麗さも思わせる、
長い長い時間がこの一首の中にありますね。
ぼくにとっては完璧だな、この一首は。
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