つれづれなるままに

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「技術の伝え方」

2007年01月06日 | 教育・人材育成
「技術の伝え方」
 (畑村洋太郎 著/講談社現代新書)

いよいよ2007年問題の年である。
我が社においても、もちろん大きく取りざたされており、いかにしても退職されていく方々の知識を後世に残していくのかが課題となり、ナレッジマネジメントの重要性が声高に叫ばれている。

本文に「企業価値を決めるのは社内文化で、それを生み出すのが社内教育である」「時間や空間を共有しなければ知識や考えの共有はできない」というGEの会長ジャック・ウェルチの言葉が引用されている。
技術を「伝える」のではなく、“場”の共有によって技術が「伝わる」とのことである。
このように著者は「伝える」方法ではなく、「伝わる」状態を生み出すことが大切と説いている。
失敗事例についても、「原因」→「結果」のみを記述するより、「原因」→「行動」→「結果」と、ヒューマンエラーの部分である「行動」を入れるべきだというのも、読んだ人にとってそれが使える事例になっていなければ伝わらないからだ。

最近の新人はコミュニケーションが苦手であるとよく言われているが、それは仕事以外で新人とコミュニケーションをとる機会が減少したためではないかと思っている。
そしてこのことはコミュニケーション能力のみならず、ナレッジマネジメントにおいても通じるものがあり、自主研究グループ等の“場”を作ることにより、解決可能ではないかと私は常々考えていた。
まさにそのことがこの本によって裏付けられた形となり、今現在の仕事に自信を持って臨める気がする。
あと何事も相手の立場を慮って伝えることが大切、最も基本的なことだ。