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Swan Lake ~ヒップホップの衝撃

2008-02-11 18:45:00 | 高橋大輔プログラム
10月7日、日米対抗戦EXで初披露されたSwan Lake ~Hip Hop Versionの衝撃は大きかった。あらかじめ@niftySportsの記事を読んで、白鳥の湖とヒップホップを融合させたとんでもないプログラムが披露されるらしい、ということは知っていたが想像もつかない。期待と不安の入り混じった気持ちでテレビ放送を待った。
新SPプロが披露されるというアナウンスが流れ、会場に喜びの悲鳴が響く。バチェラの衣装に身を包んだ彼が氷の上で音楽に合わせてセクシーに動き出す。3本のジャンプ(3F,3A,3Lz)を跳んだ後、固唾を呑んで見守る観客の前でステップが始まる。

こんなの見たことない!上半身と下半身が別のリズムをとっていると解説の八木沼純子さんが語っていたが、彼は自分の身体を自由自在に操り上半身と下半身が別の動きをしている。こんな動きがスケートで可能なのだと、改めて彼の能力の高さに驚いた。
よく使われた言葉だが、革命的なプログラム、これを見たら世界中のスケート関係者が度肝を抜かれるだろうと思った。そしてスケートに本格的にヒップホップを取り入れたのが彼が初めてであること、自分が彼のファンであることに感謝した。

インタビューで何度も彼がヒップホップの難しさ、そしてそれを氷の上で演じることの困難さを口にしている通り、これは並大抵の努力と能力でできることではない。
ダンサーに比べれば自分はまだまだという彼の謙虚さからくる妥協なき努力が、陸上のダンスであるヒップホップを氷の上で再現させたのだ。それは誰よりも速いステップを踏むことのできる彼の能力があってこそ可能だったわけで、他の選手が簡単に真似のできることではない。

最初の公式戦スケートアメリカ、彼は斬新なプログラムがジャッジに受け入れられるのかが気になっていたようだが、観客にもジャッジにも大好評で迎えられた。
その後日本はもちろんヨーロッパでもこのプログラムは熱狂的に受け入れられる。
ジャッジも人の子、同じようなプロばかりではなく、目を覚ませてくれるような斬新なものを見たいのだ。今期このプログラムはどの選手のSPよりも高いPCSを毎試合叩き出した。

このプログラムは2人の天才、ニコライ・モロゾフと高橋大輔の組み合わせでしか生まれ得なかったものであると思う。
ところで、競技にヒップホップを初めて取り入れるにあたり、なぜ『白鳥の湖』の音楽を使ったのか。あえてポピュラーすぎるほど有名なクラシックの曲を取り入れたのは、ジャッジに与える衝撃を和らげるためだったのではないだろうか。
世界初の斬新なプログラム、戦略家ニコライ・モロゾフのことだから十二分に勝算はあっただろうが、100%の確信は持てなかった。有名なクラシックというワンクッションを置くことにより、頭が固いと思われたジャッジにマイナスの評価を受ける可能性を避けたのではないかと思う。だが、ジャッジは思われていたより遥かに頭が柔らかだったのだ。

今後、フィギュアスケートでヒップホップと言えば高橋大輔のSwan Lakeだと語り継がれるだろう。
だが人間とは贅沢なもので、どんなすごいものも見慣れてしまえばそれほどの驚異だとは思えなくなってしまう。再度ヒップホップに挑戦するならば、これ以上のプログラムを用意せざるを得ない。
2人は来シーズンはどんなプログラムであっと言わせてくれるのだろう。



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