楽しく遍路

四国遍路のアルバム

外泊 宿毛街道中道 観自在寺から大岩道 僧都 小岩道 上槙

2016-10-12 | 四国遍路

 
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   石垣の里 外泊(そとどまり)

外泊
今日は一日、雨です。明日に備え、身体を休めることにしました。
そこで思いついたのが「石垣の里」外泊(そとどまり)へのバス旅行。天恢さんが以前訪れたと聞き、ゆきたいと思っていた所です。バスの回数は少ないですが、急がない私には、問題ではありません。
明日は宿毛街道中道を歩きます。予報では快晴とのこと。天気も回復、元気も回復。楽しい遍路行となりそうです。

外泊
説明書によると、外泊の造成が始まったのは、幕末の頃だそうです。中泊の人口が増え、次男三男の分家移住先が不足。時の家長たちが合議し、外泊造成を決めたといいます。
造成が終わり、移住が完了したのは、明治12(1879)頃とのこと。よくもまあ、やり遂げたものです。


石垣
明治12(1879)の移住者は46戸、198人。その後、昭和40(1965)頃がピークで49戸、218人。しかし平成24(2012)には43戸、93人となっています。
平成24の数字は、ある状況を思わせる数字です。戸数はあまり減っていないのに、人数が激減しています。若い者が出ていったのでしょう。年寄りが残りました。残れるものなら残りたい、残せるものなら残したい、親も子も、つらい選択に迫られたとおもいます。


石垣
「石垣の里」と美しく呼ばれ、「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」(水産庁)に選ばれましたが、暮らしには、厳しいものがあります。
今日も、強い北からの海風が吹き上げています。風強いっすねと、島の人に話しかけたら、おお、昼からはもっと強くなる、と返ってきました。冬の季節風、夏の台風は、こんなもんじゃない、といいます。


ひなまつり
空き地を利用して、おひな様を飾っています。石にペイントしたおひな様です。幟もつくって、人寄せの努力もしています。


屋敷神
石垣に屋敷神を祀る祠を設けています。


屋敷神
ご神体は、漁網にかかった「石」です。捨てても捨てても、また魚網にかかってくるので、これは大漁の神に違いないと、祀っているとそうです。


観自在寺山門
御荘に戻ってきました。宿に入る前に、ふたたび観自在寺に参りました。明日の道中無事を祈ります。

  宿毛街道 中道 その1 観自在寺から上槙まで
宿毛街道中道については、(中道につながる)野井坂の号などで、何回か記してきました。この号では、重複はさけ、(下手ですが)写真をご覧いただこうと思います。復元成った中道の様子です。平成28年3月、撮影しました。



出発5:00のつもりが、6:00になってしまいました。足弱の私です。この1時間遅れは、行程の終わりの頃、大きな遅れとして響くかもしれません。


県道295号
長月-城辺線です。御荘長月にむかいます。



道なりに長月川を渡ると、・・・


越える山
景色が開けてきました。前方に越えるべき稜線が見えます。右寄りの高い部分に白石山があり、左寄りの低い部分に大岩道があるのでしょう。


入り口
次の交差点を右に入ります。


遍路札
すぐ遍路札が道を示していました。ルートに乗っているという安心と、(ちょっと恥ずかしいですが)はやる気持ちを感じました。なにせ天気がよすぎます。



しかし復元成ったばかりの道に、必要最低限以上の道しるべを、期待すべきではありません。道を逸れた場合への備えは、常以上に必要です。


道しるべ
右寄りの小さな白い四角は、遍路道トライアル・ウォーク用の道しるべです。信用できます。


道しるべ
同じく遍路道トライアル・ウォーク用の道しるべです。信用できます。


赤いリボン
所々、赤いリボンを見かけます。私は参考にしました。ですが、どなたが着けたものかは、わかりません。


排水
雨水は山道の大敵です。


排水
保全のご苦労が思われます。


道札
写真では見にくいですが、遍路道トライアル・ウォーク用の札とへんろみち保存協力会の札、両方が架かっています。


切り通し
小さな峠です。


遍路札
高めの切り株が門のように立ち、「遍路道」の札が立っています。目につくよう、意図的に高く切ったようです。というのも、これを見逃して過ぎてしまうと、・・・


林道
すぐ先に林道が通っていて、道を間違えかねないからです。



道のラインがやや読み取りにくいかな、などと思っていると、赤いリボンが残されていました。


遍路札
こちらでは遍路札がラインを示しています。効果的な一枚です。


林道との交差
道も道標も、はっきりと見えます。


尾根分岐
この部分で私は、十数メートル、正規ルートから外れて歩いたかもしれません。ただヒモがかかっているので、迷う心配はありませんでした。



すぐ元に復しました。



樹間から海が見えす。御荘港の辺りでしょうか?


大岩
大きな岩が見えてきました。大岩道の大岩のようです。


大岩
大岩道の「道」(どう)は、「峠」(たわ)から来ていると思われます。大岩がある峠、ということでしょうか。


大岩道
「四国遍路を世界遺産に」の旗が立っています。


大岩道峠
大岩道峠です。標高550㍍。


下り
下りにかかります。


僧都
僧都が見えました。あそこまで下るわけです。
僧都川が二つの水源を持つところから、「そうず」は、元は「左右水」と書いた、という説があります。後に、都の僧が藩主の命で居住したので「僧都」と書き換えられた、そうです。「添水」から来ているとの説もあります。


鹿除けネット
大岩道への登りで鹿を見かけました。鹿除けネットだと思います。扉をくぐり、また閉めておきます。同様のゲートが、この先いくつもあります。


小岩道
知らずに撮っていたのですが、風車がある稜線の、右端の凹みが小岩道です。


下り
さらに下ります。


僧都
ほぼ降りてきました。大岩道からの標高差約330㍍。


二本松一里塚
宇和島藩の一里塚として、二本の松が植わっていました。どちらの松も幹が二分かれしており、まるで合わせて四本松のようにみえる、見事な松でした。樹高があり、遠くからでも見えたと思います。・・・実はいただいた写真があり、お見せしたいのですが、頂き物です。掲載は控えます。
道は、県道46号です。中道-野井坂道に取って代わった道、と言っていいでしょうか。満願寺、さらには野井坂の先まで、遍路道についたり離れたり、重なったりする道です。


僧都
写真右奥、風車がある稜線を越えます。越えて降りると上槙上組です。


若宮神社
僧都の氏神さまです。祭神は大鷦鷯尊(おほさざき尊)。仁徳天皇です。


神楽殿
お伊勢踊りを伝えているそうです。


古い道
私は車道(県道46号)を歩いてきましたが、二本松から神社にかけて、左上を元の古い道が通っていました。
なお僧都川を越えた向側にも、古い道があります。46号以前は、向側が本道だったのかもしれません。


橋 道標
この川は大僧都川です。大僧都川は、若宮神社の所で小僧都川と合流し、僧都川となります。前述の「二つの水源」とは、大小二つの僧都川を指していると思われます。
橋を渡って、コンクリート道を行くと、軽トラックがある先に分岐があります。


分岐
右は登る道、左はやや下るような感じの道です。
右の道を行こうとしたら、畑仕事の男性が、左だと教えてくださいました。右に行ってしまわないように、(土の道だった)左の道にもコンクリをうってみたんだが、うまくいかんなあ、・・・やや残念そうに話してくれました。ありがたいことです。


道しるべ
よく見ると、前方の木にトライアル・ウォーク用の案内がかかっていました。
男性が打ってくれた誘導用コンクリート道が切れ、土の道に変わっています。


道しるべ
登ります。



気持ちのいい道です。



丸太の椅子が並んでいます。同様の椅子を野井坂峠でも見かけました。


僧都
展望が開けています。見えるのは「大僧都」でしょうか。大僧都川沿いの集落を「大僧都」とよび、小僧都川沿いは「小僧都」とよぶようです。


野井坂峠から
野井坂の峠近くでも展望が開けていました。野井坂-中道の復元に、共通した手法を感じます。


風車
風車が近づいてきました。


県道46号へ
県道46号に一度上がります。上がると、・・・


上へ
すぐ斜めに横断し、前方の遍路札に従い、法面を切れ上がります。



ふたたび山道になり、・・・


小岩道
まもなく工事現場に出ます。


小岩道
南愛媛風力発電所です。そして、ここが小岩道です。昔の「小岩道らしさ」は消えています。僧都からの標高差約390㍍。


県道46号
また46号と出会いました。


工事中
工事中なので、臨時的に遍路道が設けられています。


下り
下ります。


下り
快適な下りです。


上槙
民家の庭先を抜けると、上槙です。小岩道からの標高差約190㍍。


ふり返る
ふり返ると小岩道が見えます。


上槇へんろ道場
右方、すこし入った所に、「上槙プロジェクト事務所」がありました。「上槇へんろ道場」という名の簡易宿泊施設でもあるそうです。
お礼の一言も、と思いましたが、お留守のようでした。この場でお礼申し上げます。すばらしい道を歩かせていただきました。ありがとうございます。

さて、ご覧いただきました皆さまにも、ありがとうございます。中道の道半ばですが、上槙から先、満願寺までは、次回にまわします。更新予定は11月9日です。更新曜日が木曜から水曜に、一日繰り上がったのは、私の秋遍路の都合です。悪しからず。

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🎵一山 二山 三山越え~ (ヨイヨイ) (天恢)
2016-10-21 20:54:34
 秋の台風や長雨のシーズンが終わって、やっと秋晴れが続く季節となりましたが、北の国では、そろそろ冬支度で忙しくなります。 今回も「外泊~上槙」まで楽しく読ませていただきました。

 さて、今回の舞台は石垣の里・外泊に寄り道されて、観自在寺から大岩道、僧都、小岩道、上槙までの道中記でしたが、「楽しく遍路」さんの足跡を地図やネットで追っているとHPで「四国へんろ道文化」世界遺産化の会の「旧へんろ道(宿毛街道中道) 復元整備事業趣意書」にあった宇和島城下以南の遍路道(3ルート=灘道・中道・篠山道)の地図に出会いました。
 詳しくはHP(88henro.blog.jp/upload/20150729test.pdf)で確認いただけますが、宿毛から宇和島までの主街道であった中道は、松尾峠(299m)、大岩道(555m)、小岩道(588m)と続いて、タイトル「♪一山(ひとやま)二山(ふたやま)三山(みやま)越え~」と、天恢のふる里の民謡・炭坑節の一節を思い起こしたわけです。
 この道中で、しっかり整備された「へんろ道」や配慮された「道しるべ」の写真を拝見して、終わりに『すばらしい道を歩かせていただきました。ありがとうございます』との謝辞に、この「趣意書」を読んでなるほど!と納得する次第です。 まだ「中道」の道半ば、次回の「上槙から先、満願寺まで」が楽しみです。 そうなると「野井坂越え」は中道の付け足し?のようで、天恢も来春は何とか「中道」全行程完歩にチャレンジできればと願っております。

 さてさて、今回の見所ですが、『天恢が以前訪れた』と紹介があった石垣の里・外泊です。 遍路」は札所から札所への急ぎ旅ですからでの「寄り道」なんて無理な相談なんですが、四国の名所旧跡の多くは遍路道から外れているような気がします。 事情で一生に一度の遍路であっても、ここだけはと絞って寄り道、回り道されることをおススメします。 
 それにしても、江戸末期に中泊の次男三男の分家移住先で造成された外泊ですが、狭い山の斜面に積み上げた石垣は、家の軒に届くほどで、強風から暮らしを守ってきたのですね。 対岸は九州、豊後水道と呼ばれる「海の道」は「風の道」でもあって、強い風が一年中吹き荒れて、外泊は細い急な石段の上り下りもあり、さぞ生活するには大変だと実感できます。 天恢も月山詣りでの「赤泊の浜」や柏坂越えの手前あたりで強風に泣かされました。 今も、過疎化や暮らしで苦しむ外泊は、これからも未来に残すべき日本原風景の「石垣の里」であってほしいです。
♪一つ山越しゃ~(ホイホイ) (楽しく遍路)
2016-10-23 06:43:51
コメント、ありがとうございます。炭坑節に応える題名として、懐かしきホンダラ行進曲を思いつきましたが、やや真面目さを欠くかもしれません。お許しねがわねばなりません。
しかし実際、一つ大岩道を越したときは、天候に恵まれたせいもあったのでしょうか、越しても越しても~ホンダラ・ホイホイという勢いではあったのです。

私が勢いを失ったのは、小岩道を降りてからでした。二つ山を越しゃ・・・気の緩み。
残る、上槙から満願寺までの(比較的平坦な)12キロが、重く感じられてきました。元々は体力がないからなんですが、(次号で記しますように)カメラの電池が切れるなどのトラブルも加わり、いっそう意気を喪失させていたのです。気分はもはや、ホイホイでもヨイヨイでもなく、ヨレヨレだったのを覚えています。
その後、幸い、これもお大師さんの采配と、気持ちの切り替えに成功し、なんとか‘月が出る‘前に、宿にたどり着いたのでしたが、今は、いい修行だったと思っています。

道は見事といっていいほど、よく整備されていましたので、充電忘れをせず、朝、早立ちが出来ていれば、私のような足弱でも、もっと余裕をもって歩けたのではないかと思います。
天恢さんの脚力ならば、‘完歩‘は間違いありません。ぜひ来春、楽しんでください。復元にあたった方々も、それをこそ望んでおられるのでしょうから。

天恢さんお勧めの中泊でしたが、「寄り道 脇道 まわり道」をし、楽しませていただきました。
次は、(天恢さんはすでに二度訪れたという)、宮本常一さん、中務茂兵衛さんの生誕地でもある周防大島へ、大まわりしたいのですが、・・・石鎚も剣も、まだ行けていませんし、・・・うれしい悲鳴です。

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