若生りえ Jazz Songs & Diary

ジャズ歌手の若生りえがジャズスタンダードソングの歌詞やエピソードについて語る。
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金子三勇士『愛の夢』。そして涙の理由。

2013年12月14日 | ジャンルを越えて ~音楽大好き!!~
みなさぁ~~~~~~~~ん

こんにちはぁ~~~~~~~~~~~

今日はまた天気がいいですね~!

お陰様ですこーしだけお部屋も綺麗になってきました

これでまたやる気スイッチがオン!です


さてさてさて!!


今日はお返事をさきにさせていただきます


悪凡夫さぁ~~~~~ん

『がんばれぇっ!!
当方も息抜きを終え,ジャケット製作に取りかかります。』

あはは!コメントいただいたのでちゃんと頑張りましたよ

どうぞそちらも寒さに負けずがんばって!!

素敵な週末をお過ごしくださいませ


みかんさぁ~~~~~ん

『もうバルバラ聴かれたんですか。さすがりえさんは研究熱心ですね。
22日のGINZA-SWINGのライブは本日予約をしました。楽しみにしてます。』

いやいやいや。こちらこそ素敵な音楽をいつも教えていただいた上に、

銀座スウィングの御予約いただきまして本当にありがとうございました!!

9月のグリーのときにみかんさんと立ち話でお話しておりました、

『金子三勇士』さんというピアニストの演奏に今年は感動し刺激をもらいました。

みかんさんのおっしゃられたピアニストの方の名前を忘れてしまったので、

銀座スウィングのときにでもまたお名前をお教えいただければ幸いです!

金子さんの演奏も本当にすばらしいので、ぜひ聴いてみてください


さぁ!あらためまして!!


今年もあと2週間ほどですが、一年を振り返ったときに

若生りえの勝手にレコード大賞をしたくなりました

「Miyuji plays Liszt」

ピアニスト「金子三勇士(かねこ・みゆじ)」さんのアルバムです


日本人の父、ハンガリー人の母のもとに生まれ、

6歳で単身ハンガリーへピアノ留学!!

11歳でフランツ・リスト音楽院の大学生!!

大学生をやってから東京音大付属高校2年生に編入し、

もう、世界中でご活躍中のピアニスト!!

ミユジさんとお読みするそうですが、

ミユジ→ミュジ→ミュージ→ミュージック

みたいに、まさに音楽家になるために生まれてこられてきたようなお名前!


最近ではコバケンさんと一緒に演奏されたり、

テレビ欄の下あたりにもよく新聞広告で載っていらっしゃるので、

お名前を見た!という方はいらっしゃるかも。


彼はまだ若干24歳!!

その華麗なるプロフィールに最初はビックリしましたが、いやいやいや。

本当にビックリしたのは、演奏の奥深さ。


以前、私の書いた「ご近所さんはピアニスト!?」

というブログを覚えていらっしゃいますか?


ある日我が家の隣に新しく越されてきた御宅から、素晴らしい演奏が漏れ聴こえるようになり、

素晴らしいピアノ演奏、その演奏主であるピアニストらしき人物の姿が見えたときに、

その方が、金子さんと同じくハーフで、同じくらいの年齢の方だったので、

これは間違いなく、お隣さんは「金子三勇士」さんだ!!

と勝手に勘違いしていたのです。


ある日、新聞広告に顔写真が載っていたときに、

「ねぇ?お隣さんて、この金子三勇士さんじゃない?似てるよ?」

そのオッチョコチョイの勘違いからはじまり、さらに、

その新聞広告の曲目を見ると「月光」、「ラ・カンパネラ」、そして「愛の夢」など!

お隣さんがよく練習で弾いている曲がズラリ書いてあったので、

「このコンサートの練習をしていたのだ」と、すっかりそう思ってしまったのです(笑)


しかし今年の夏。思いがけずその『お隣さん』の演奏を聴かせて頂くチャンスはやってきました。


ちょうど出先でシスターと一緒にいるときに、知り合いの方から電話で、

「今夜この方のコンサートにいきませんか?でもクラシックピアノは聴かないかしら?」

と誘っていただいたので「いやいや聴きたいです!ちなみにどなたですか?」

と、その名前を伺ってビックリ!!

金子三勇士さん!!

お・・お隣さんではないですか!!

「かかかか金子三勇士さんですか!?ぜぜぜひっ!」

まだご本人を見るまではうかつにお話できないとおもいながらも

シスターと二人、ひそかに鼻息荒く出かけたのでした。


そして・・・・。


夜7時のコンサートがはじまり、足音が聞こえてきました。


コツ・・コツ・・コツ・・・コツ・・・・・


「いよいよ、お隣さんが現れる!!ドキドキドキドキ・・・」


本人ご登場!!!!!


















ちがった・・・・・



シスターと、二人にしかわからない笑いがこみあげてきましたが、

金子三勇士さんが一音ピアノの音を奏でた途端に、

それは一気に感動の世界へと引き込まれたのでした。


正直、いくら6歳で単身ハンガリーに行ったからといって、

『ブダペストのリスト・フェレンツ音楽院は、フランツ・リスト自身が設立した

世界で唯一の音楽院』という由緒正しい大学に、

11歳にして飛び級で「大学生」になり、テクニックと表現を学び、

世界の数々の賞をとられていらっしゃるからといって、

やはり若干24歳。


まぁきっと、テクニックは飛びぬけて上手いのだろう、と思っていたのが間違いでした。


彼のショパンの『ノクターン』や生まれ育ったハンガリーにちなんだ『ハンガリー舞曲』、

そして『ラ・カンパネラ』などの、テクニックうんぬんを超えた

深い表現力にただただ感動!!


しかし、本当の感動は最後にやってきました。


最後のアンコールで弾いたのが『愛の夢』でした。


それまで、ピアノ小品としても、女子フィギアスケートなどでも度々選ばれる、

どちらかというと『エレガントでドラマティックな雰囲気の、美しい有名な曲』

という位置づけの人気のピアノ曲で、だれもが一度はテレビなどでも耳にしたことがある

曲だとおもうのですが、いやいや、初めて聴いた素晴らしい表現でした。


彼の演奏に引き込まれ、最後のきかせどころの高音で演奏されるところでは、

間の取り方といい、繊細な表現といい、なによりもあたたかい演奏に自然と涙が!

深い愛を感じる演奏!!!


私、めったにこういうこと恥ずかしくてしないのですが、

思わず帰りにサインしてもらいました(笑)



知的でユーモアのあるトーク、弾き終えた後の余韻を大切にする仕草、

優雅で風格のあるステージング。

すべてにおいて私たちは参ってしまったのでした。


この方がお隣さんじゃなくてよかった。

この人がお隣さんだったら、私きっと、自分の練習もままならなくなって、

毎日、大沢家政婦紹介所からやってきた市原悦子さんバリの「みたわよ」の連発で、

通報されていたかもしれない。

本当にお隣さんじゃなくてよかった(笑)


じゃぁ、お隣さんは、、だれ???


というギモンだけは残ったものの(笑)それは今後の課題として


そんな思わぬ「金子三勇士さん隣人騒動」にも決着がつき、

帰ってからも今でも時々、心のザワザワを落ち着けたいとき、

このCDで『愛の夢』を一人でじっくり聴いています。


そんなある日、

「それにしても『愛の夢第3番』て、今まで単純に「美しい」というイメージだったけど、

あの日のコンサートで、あんなにしみじみと涙が出たのは何故だろう?」

と思ったのです。


なんというか、ピアノ演奏なのでもちろん歌詞もないのですが、

彼の『愛の夢』の演奏に、とてもあたたかい『物語』を感じたのです。


「フランツ・リスト愛の夢」とネットで調べてみると、

第1番、第2番、第3番と其々、詩人の詩がもとになって作曲されていることがわかりました。


私の聴いた有名な「愛の夢・第3番」。

そこにはフェルディナント・フライリヒラートというドイツの詩人が書いた詩、

「おお、愛しうる限り愛せ」が元になって作曲されたことがわかりました。


すべて引用ですが、ご覧ください。

この詩を歌詞のように演奏を聴きながら読んでみてください。

この有名な曲が、より奥深いものになることまちがいなしです。


今回はスペシャルバージョン!!

本当は金子三勇士さんの『CD』でぜひ聴いていただきたいですが

動画もあったので、特別に載せてしまいます!!

でも本当は、雑音のないCDでじっくり聴いていただきたいっ!

この詩を眺めながら聴いていただくと、私の涙の理由がわかるかもしれません!!


そうか!そんな思いがこの曲にはこめられていたのか!!


ぜひぜひCDの演奏も聴いてみてくださいね!!

う~~~~ん!金子三勇士さん!ノーブル


愛しうるかぎり愛せよ
愛したいとおもうかぎり愛せよ
墓場にたたずみ なげきかなしむ
ときがくる ときがくる

なんびとか 愛のまごころを
あたたかくおまえのためにそそぐとき
おまえは 胸に愛をいだいてあたため
ひたぶるにその炎をもやすがいい

胸を おまえのためにひらくひとを
できるかぎり愛せよ
いかなるときもそのひとを悦ばし
いかなるときも そのひとを嘆かすな

わが舌をよくつつしめよ
あしざまの言葉をふと口にしたら
ああ それは けっして悪意からではなかったのに
けれど そのひとは去り そして悲しむ

愛しうるかぎり愛せよ
愛したいとおもうかぎり愛せよ
墓場にたたずみ なげきかなしむ
ときがくる ときがくる

その時おまえは墓のほとりにひざまづき
うれいに濡れた まなざしを おとす
もはやそのひとの影もない
ほそい しめった 墓場の草ばかり

「あなたの墓に涙をながしている
このわたくしをごらんください
わたくしが あなたをののしったのも
ああ それはけっして悪意からではなかったのです」

が そういってもその人は聞きもしないし見もしない
喜んでおまえをいだきにもこない
しばしばおまえに接吻したその人のくちびるは
ふたたび「とうに許しているよ」とも語らない

あの人は 許したのだ とうにおまえをゆるしているのだ
おまえのおかげで おまえのきたない言葉のために
あつい涙をとめどなく流していたけれど
今は しずかに眠っている もうふたたび目をさましはしない

愛しうるかぎり愛せよ
愛したいとおもうかぎり愛せよ
墓場にたたずみ なげきかなしむ
ときがくる ときがくる





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4 コメント

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ピアニスト (みかん)
2013-12-14 23:22:22
りえさんはさすがにべんきょうねっしんですね。金子三勇士さんは若い人の中では、演奏も音も素晴らしいと思います。特にリストはいいですね。
あらゆるジャンルの音楽に触れ、また、良い絵画に触れ、いろいろ挑戦されることで、ますます音楽が芸術まで高まることを期待しております。
Unknown (悪凡夫)
2013-12-18 20:22:41
さっそくmiyuji plays lisztを購入して聞きました…‥

今,NHKラジオ第1で島倉千代子の特集を放送しています。
晩年の録音で声の張りはありませんし声量もありません。
でも自然に心の中に入ってきてジンときます。

何も書けなくなってしまいました。
おはずかしぃ (末摘鼻)
2013-12-18 21:03:59
金子三勇士のCD聴きました。
ここではじめて金子三勇士の名を知った当方です。
最初,「かねこさんゆうし」? 何かのトリオの名前?と思った末摘鼻!

そういう人間ですから「愛の夢」を聴いても深く感動はできませんでした(メインのシステムは改造中でパソコンの再生装置で聴いたからと言い訳したいところですが…‥),しかし「ラ,カンパネラ」の右手の音!こんな音初めて聞きました。
粒立ちがよくキレがいいし美しい。
まだ精神性を感ずるまで至っていないこと忸怩たる思いです。
よく聴き込んで深く感ずるようになりたいものです。

おっしょさんにはたいへん物足りない感想でしょうが,こういう者も居るということを知っていただきたく,敢えて書きました。

もう一昨夕となりました。 (赤城の山人)
2014-08-29 11:16:15
「愛の夢」高崎シティーギャライーのコンサートで聞きました。プログラムに[詩]の一節がありました。じかに聞くピアノの音はという感想では、金子さんのピアノを褒めることにはなりませんね。演奏を終えた息抜きの仕草といいあの場にいて共感できることの幸せを満喫。奏者によりロマンスを強制するような有名な人もいますが・・・高崎での演奏がまたありますように。親子のための夕べでしたので、わかっていながら参りました。自分のためにいけなかった親子ががいませんように・・・と祈りつつ。29日朝 記

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