日記

お遍路情報と、日記を綴っております。

終に野良犬は捕獲された

2009-01-30 23:58:14 | インポート

 朝から一日雨が降っている。悲しくなる雨だ。

 昼前、いつもと違う、聞いたことのない泣き声で犬が啼いていた。私は、出掛けようとして、駐車場へ歩いていった。このあたりの人々に愛されているノラ犬のチロが、めずらしく吠えながら走っていた。ワゴン車が1台停まっていて、傍に檻があって、成犬が4匹入っている。見覚えのある顔がいた。ちいさな箱に子犬も2匹はいっている。これはチロの子だ。男の人が3人、先に輪がついた棒を持っている。犬を捕まえにきたんだ。私の心臓もドキドキした。彼らはチロを捕まえようとしていた。邪魔したらおこられそうだし、気にはなるしで、私は少しの間ウロウロしていたけれど、車で立ち去った。どうかうまく逃げてくれよ、と祈りながら。

 可哀想だけど仕方がない。ここ1,2年のうちに、Gさん所有の駐車場で野良犬が増えていた。親子3代か4代の血族である。2ヶ月くらい前、チロのムスメが、駐車場のそばの空き地で、6匹、子を産んだ。Gさん、Sさん、私で、「どうする?ほおっておけないよねえ。これ以上ふえたら困るしねえ」と話していた。2週間前のこと、Gさん、意を決して、「処置するなら今しかない」と、4匹捕まえて公園にこっそりおいてきたのだ。何故4匹? 優しいGさんは1匹のこしてやったのである。本当は6匹いたのを知らなかったわけだ。で、2匹はその後も駐車場で昼ねしていた。まだ子供で、車を出すとき轢きはしないかと気になっていた。今日の捕獲騒動でどうなったか、知らない。

 チロも何処かで子を産んでいた。ムスメの子供達が2匹に減ったからか、チロも駐車場に我が子を、最近連れてきた。何匹いたのかわからないが、今日見たのはこの子達だ。

 ノラに餌をやってはいけないと、皆わかってはいる。無責任なやさしさの為、Gさんはとても迷惑していた。Gさんがやさしいから、犬がここをネグラにしてしまったのである。Gさんも近所の人たちも、誰一人追っ払う人はいなかった。黙認していた。私もその一人。Gさん、本当に気の毒だった。餌をやっているわけでもないのに、手をよごさなければいけなかったのだから。

 犬達に餌をやってた人、今日の事件、どう見ただろう。悲しい出来事だった。 


赤石山系はすごい

2009-01-27 17:18:38 | インポート

 日曜日の朝8時過ぎ、“日本の自然”みたいな番組で愛媛の赤石山系がでていた。石鎚山の東の方にある山脈である。多種多様の植物が自生する珍しい山だそうな。どこが?と思って、一生懸命見てしまった。あまりに傍にいると、その素晴らしさに気がつかない。

 先ず、西赤石のアケボノツツジ、確かに当たり年の満開の時期に登ったなら、一面のピンクに感嘆の声を上げずにはいられない。人も、あまり広くない頂上を、ところ狭しと歩いていて、この山の人気度を知らされる。私も、何度もこの山には来たけれど、素晴らしい花見をしたのは1回だけだ。当たり年と開花時期とお天気と自由時間が合わなくてはいけないからだ。アケボノツツジには、汗してしんどい目して登ってきた者だけがお目見えできる。正に春の女王様といえる。愛媛の西のほう、篠山(ささやま)にも、アケボノツツジの大群落があるそうだ。ここはもう少し楽に見られるそうだ。家から遠いので、未だ行ったことがない。

 次に銅山越のツガサクラ、アルプスで見られる高山植物だが、このような低い所での群落は珍しいらしい。フーン、それもそうだな。秋にこの辺歩いたとき、道の傍らのそこここに株があった。風がきつくて砂地という、厳しい環境で生き残れたのがツガサクラである。ウーン、なるほど、健気でかわいい花。

 東赤石はカンラン岩の岩山である。オトメシャジンは、カンラン岩の山でみられるそうだ。ギボウシやらマツムシソウやら、みたことはあるけれど、それほど多くもなく、咲き乱れていることもない、と私は思った。お花畑のすごいのは、南アルプスの悪沢付近かな。花畑の中、何十分もジグザグに登って行った。登りがきつかった記憶も鮮明だ。

 この夏、赤石山系にお花見山行もいいなあ。101_0440

この花、虫取りスミレというのだそうな。 肉厚のはっぱの裏がネトネトしている。夫の会社の従業員の男性は、ランを育てるのが趣味である。風貌からは想像もつかないので驚いたが、次々と仕事場に美しい蘭の鉢を持ってきては、私達を和ませてくれる。動物でも植物でも、やさしい気持ちがなければ育てることができない。彼の意外な面に、見直した。


ネコも寒い

2009-01-24 23:54:33 | インポート

101_0483  昨夜からとても冷え込んでいる。これは今日午後、実家の敷地内の写真である。

 朝、お遍路さんを見送りに通りにでたとき、空気は冷え冷えとしているけれども、あたりはいつもと同じ景色だった。それから家の中でゴゾゴゾしていた。10時過ぎ、戸をあけて、ネコちゃんに朝ごはんをやろうとして、屋根の上の変な音に気がついた。ポタポタと雫が落ちる音、ズズズッと何かずり落ちる音、急いでベランダに駆け上がって屋根を見ると、ほとんど融けているものの、うっすら雪が乗っている。ヘェー、降ったんだー。雪があるの、うちの屋根ぐらいで、よその屋根には全然ないし、表の通りだって全く雪のなごりもありはしない。変なの。午後から実家に行って見ると、周りの田んぼや民家の屋根に雪はあった。私のうちから7キロ離れた場所だけど、寒い日は雪になる。

 寒くて雨がそぼ降る夜は、ネコちゃんたちが心配で落ち着かない。ネコは濡れるのが嫌いだから、餌を食べに来る回数も減る。寒くてひもじいんじゃないかなあ、みんな団子みたいに集まって寝てるかなあ。

 さっき庭を覗いたら、4匹が発砲スチロールの箱の中でかたまって寝ていた。今夜もとても寒い。ときおり、野良犬がネコの食べ残しをねらって、ここにやってくる。ネコはあわてて飛び出して逃げていく。可哀想に。犬が入ってこられないように、板でも打たなければいけない。

 家の中で飼ってやりたいのはやまやまなんだけど、問題が多すぎる。死んだ玉緒はおとなしくて、看板ネコとしてもよくやってくれたが、このネコたちは遊び盛りだから、家の中メチャクチャになるだろう。

 4匹とは別のファミリーが以前から近辺にすんでいるのだが、数ヶ月前成長したオスがいなくなり、残っていた彼の弟もおとなになって、やかましく啼いていたかとおもうと、4,5日前、何処かへおよめさんを捜しに行ってしまった。今、ちょっと年取ったオカアチャンが1匹残っている。動物の世界でもオスは大変である。ほとぼり醒めたら、放浪の旅から戻って来るんだよ。ごはんにありつけるはずもなく、おなかすいてるだろうに・・・。これもネコの世界の試練か。

 


剣山系は大雪

2009-01-20 23:19:07 | インポート

 先週の連休、高知側から剣山系に登った。

 天気予報は、寒くなるといってた。不安ではあるが、ワクワクもする。

101_0454  11日午前8時半観音寺を出発、高知県に向かう。今日は、光石登山口から上り、オカメの小屋で泊る。メンバーは6人、車2台でいった。

 途中の山村の景色もたいそう趣きがあり、カメラが趣味の2人をのせた車は、なかなか先へ進めない。

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お餅を干してあるのかと思ったら大根だった。このような厚い干し大根食べたことないが、きっと美味しいだろうなあ。

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道端に設けられた地元の産物を売る棚に、ギンナン5袋だけが置いてあった。大きな粒のギンナンがたくさん入って、1袋100円である。スーパーの半価ね以下だ。このギンナンは私達が買い占めた。

 道草しながらもやっと登山口に。

101_0458  準備にも結構時間がかかる。登山開始は12時半だった。ちょっと遅い出発だ。

101_0461 8丁ヒュッテで昼食、2時半に小屋を出る。雪が深そうだけど、暮れるまでにオカメ小屋に着くかな。

 暫く歩くと、下ってくる3人パーティに遭った。雪深くて、標高1400メートルの地点で引き返したという。明日リベンジするらしい。彼らの話では、外人さん3人が先に登っているらしい。へぇー、どんな外人だろう、楽しみ・・・。しかし、そんな暢気なこと言ってられない。雪は相当に厳しいらしい。

 いつしか私がトップに歩いていた。樹林帯を抜けたころから、トレースを追うものの、雪に足が埋もれて疲れてきた。リーダーのMさんに先に歩いてもらい、小屋はまだかと気をもむ。日暮れが近い。ふと顔を上げると小屋が目の前に! よかった・・・。

 小屋の前に白人の男性がいた。中にはいると、ストーブが暖かく燃えていた。ここは薪ストーブがあって最高。先着さんは、オージーのカップルと、カナダ人の大柄でパワフルな男性一人の、3人だった。今日の利用者は合計9人。リーダーらしき、カナダの男性が、きっとラッセルしてくれたんだ。サンキュー・ベリー・マッチ!

 彼らは皆、日本語が話せた。とりわけ、カナダ人の日本語は、方言まではいって素晴らしい。10年以上日本に住んでいるそうだ。

 その夜のメニューは寄せ鍋だった。私は例の頭痛がはじまって、食欲なし。昼ごはんは、いっぱい食べたからいいんだ。こないだの大山の時のように、防災用のシートをシュラフのそとにかぶって寝た。寝る前に、初めてひれ酒なるものをいただいて、ポカポカいい気分で、眠りに落ちていった。しかし、やはり気温が全然違う。寒くて夜中に目が覚め、それから寝付かれない。まんじりともせず、起床の4時半になった。

 翌日は計画変更で、西熊山方面へ、時間を見ながらいけるところまで、ということになった。

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吹き溜まりでは、深さは1メートルもありそうだった。足をズボッと突っ込んでしまったなら、抜くのに悪戦苦闘。そのうち、うまく体重を分散させて、沈まないように歩くコツがわかった。

稜線ではものすごい強風だった。前を歩く人が飛ばされて転ぶ。足を踏ん張ってじっと動かず待つ。顔が、冷たいというより痛い。2人のザックカバーがとばされた。何年も前、秋の立山真砂岳での大量遭難事故が頭をよぎった。こんな状況なのかな。視界がなく、疲労困憊でうごけなくなったら凍死だ。101_0473

101_0477  下りは速い。雪のクッションが、衝撃から護ってくれる。龍が洞温泉で、冷えた体を温めて、帰路についた。

 


母のおしごと

2009-01-15 00:16:22 | インポート

 今日は、雲辺寺山、麓のあたりまで白いものが見える。お正月に1回目の降雪はあったけれど、今回はもっと深そうだ。山を越えてくるお遍路さんがいたとしたら、難儀したことだろう。

 母に来ている年賀状の返事を、1枚出し忘れていたので、慌ててポストに投函した。千葉県宛てだから、明日届かないかもしれない。お年玉の当選番号が、まだ発表されてないうちに発送したということで、許していただきたい。

 先週末、外出させた時の事である。賀状をいただきっぱなしにするのも気が引けるので、今年は頑張って、母に返事を書かせることにした。母は教師をしていたので、いまだに教え子から10枚ほど年賀状がくる。

 「さあ、ハガキを買ってきたから、今日は返事書こうね」

と、私。母は、

 「何もわからん。あんた書いて、たのむわ」

とか

 「文字が見えない」

とか

 「今晩、書く」

とか言って、拒否する。

 「ダメダメ。今書かんといかんよ。お正月もう終わったんだから」

 母はしぶしぶ机に向かう。年賀の挨拶と自分の住所はゴム版である。トントンとインクをつけて、ペタンと版を捺す。その言動から、かなり緊張しているのが見て取れる。1枚捺しては、やれ「ゆがんだ」とか、「インクが薄かった」とかいって、やめようとする。やかましく文句を言いながらも、ハンコの作業はできた。

 次は宛名書きだ。ワープロでプリントされた住所は、文字が小さい。私が読み上げて母に書かせる。漢字が書けるだろうかと心配したが、教えてあげると少しずつ思い出してくれた。やはり、昔とった杵柄だ。漢字もまだ覚えている。文字の形は美しいとはいえないが、手も震えることなく、しっかり書けている。このように、つきっきりで、頭を使う読み書き算盤のようなことをさせれば、認知症も改善されるかもしれない。本人の「好きなこと」ではないので、機嫌よく自発的にというわけにはいかないだろう。ホームでは、おそらく、このような手のかかる、勉強めいたことはなかなかできないだろうと思う。母の無断外出には、職員も手をやいているとのこと、勉強をみてやってくださいなんて、とても言えない。

 外出させたときには、ドライブしていると上機嫌だけど、家に連れて帰って、ここに住んでいたころ、やってたことを思い出させて、させることが大事と思う。墓参り、仏壇の掃除、庭の掃除、花の水遣りなど。そして家族の名前を書かせること。私の名前も思い出せなくなっている。少しストレスを与えたほうがいいのではないだろうか。

 宛名書きは、母にはかなりストレスだったかもしれないが、まだ文字が書けることがわかって私もうれしい。「もうやめた」と投げ出して、取り付く島もない状態になるかと思ったが、やり遂げられてよかった。