Plein Soleil (太陽がいっぱい)

2016-09-18 02:27:36 | 懐かしの映画音楽
Plein Soleil (Screen Music)


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驕る平家は久しからず、・・・これは平家物語の冒頭の「驕れる人も久しからず」から 、自分の地位などを頼みとして勝手な振る舞いをするものは遠からず衰え滅ぶということですよね。

憲法に書いていない部分を都合よく解釈し、立憲主義を否定しても、自分の我を通す現政権はまさに「驕る平家」、・・・言い分はあるにしても、侵してはいけない領域を侵すという行為は長続きはしないでしょう。

ところで次の文章は、これも我が国の著名な小説家の代表作のひとつ、今度は冒頭ではなく、ラストの部分を引用してみました。(笑)

「君よ!今は東京の冬も過ぎて、梅が咲き椿が咲くようになった。太陽の生み出す慈愛の光を、地面は胸を張り広げて吸い込んでいる。春が来るのだ。
君よ、春が来るのだ。冬の後には春が来るのだ。君の上にも確かに、正しく、力強く、永久の春がほほえめよかし‥‥僕はただそう心から祈る。」

すぐに分かった方は相当な文学通の方か、あるいはマスター(ふうちゃん)のように、文学史のお勉強として、タイトルと作者を覚えて、あらすじを読んで、最初と最後の名文だけを読んで、読んだ気になってる方か、のいずれでしょう。(笑)

正解は、有島武郎の「生まれいずる悩み」という小説です。
有島武郎は、ほかに「或る女」、「カインの末裔」、「惜みなく愛は奪ふ」などがあります。

「人間失格」の書き出しと、「生まれいずる悩み」のラストとを比べてみると、冬の後には春が来る、と、冬来たりなば春遠からじを彷彿させるような、有島武郎が、なんと前向きな、ポジティブな、プラス志向の作家であると思われるかもしれません。

しかし、事実は残酷なもので、有島武郎という作家も、1923年(大正12年)、享年45歳で、人妻と軽井沢の別荘で縊死自殺をしています。

有島武郎も、薩摩藩郷士で大蔵官僚である父をもち、学習院中等科を卒業、札幌農学校に進学し、ハーバード大学等へ留学後、東北帝国大学農科大学で教鞭をとりながら、同人雑誌「白樺」に参加、武者小路実篤、志賀直哉などとも親交がありました。

作家としても恵まれた境遇にあったといえますが、宗教や思想への懐疑、父親や妻の死、そして創作活動の行き詰まりなど、やはり人知れずの悩みがあったのかもしれません。

有島武郎にしても、太宰治にしても、あるいは、芥川龍之介、金子みすゞ、原民喜、火野葦平、三島由紀夫、川端康成など、素晴らしい文学作品を書き上げ、人々に感銘を与えたにも関わらず、多くの作家が自殺しています。

作家に限らず、他の分野で功成り名を遂げた人でも、大きな組織で位人臣を極めた人でも、衆生済度を説く高名な僧侶であっても、自殺する人は自殺しています。

もちろん、マスターは、貴賤貧富を問わず、老若男女を問わず、いかなる理由や原因があるにしても、自殺自死することを肯定しません。

突然の病に倒れたために、そして予期せぬ不慮の事故のために、天寿を全うできずに、生きたくても生きることができずに、無念に亡くなった方々を多く見送ってきました。

だからこそ、いのちある限りは、生まれてきたことを悔い、生きていくことに悩むことがあっても、それは人間として老若男女を問わず、どんな境遇でも起こりうるべきことであって、そのために自らのいのちを絶つようなことはすべきではありません。

「山より大きな猪はでない」、どんなに大きな猪でも住んでいる山より大きな恐ろしい猪は出ない、この世で起きたものはこの世で解決できないものはありません。

「明けない夜はない」、陽が沈んで真っ暗闇が続いても、いつかはまた陽が昇る、いつまでも漆黒の闇が続くわけがない、いつしか夜が明けていくものです。

「止まない雨はない」、どんなに激しく、長く続く雨であっても、雨はやがて小降りとなり、やがて雨は止んで、晴れ間に虹がのぞくこともあるでしょう。

言い古された言葉、気休めの言葉、だと思われるかも知れません。
でも、そう思っても、やはり、これが真理、これが真実です。
そう言い聞かせて、そして、どんなことをしても、生きていくべきだと思うのです。

例え、いまが「平家」の時代であったしても。

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