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旧作探訪#7『恋はデジャ・ブ』

2007-11-09 22:32:35 | 映画(レンタルその他)
Groundhog Day@レンタル、ハロルド・ライミス監督(1993年アメリカ)。
永遠に繰り返される同じ一日を生きる破目になってとことんあせる男の、壮絶な「時」との戦い!
もしも、寝ても起きても明日がやってこず、同じ日を何度も繰り返すことになったら…。
年を取る心配はないし、罪を犯しても死んでしまっても一夜明ければすべては帳消し。女性を口説くのだって彼女の好みを聞き出しておけば、次の日には理想の男性を演じることができるのだからわけはない?
TVの気象予報士・フィル(ビル・マーレイ)が体験したのがまさにそんな不思議世界。冬眠中のモグラをたたき起こして春の訪れを占うというペンシルバニアの田舎町の祭典を取材に訪れたが、高慢で自己中なフィルは毎年のように田舎祭りを取材しなければならないのが不満で、同行した女性プロデューサーのリタ(アンディ・マクダウェル)にも不機嫌な態度を隠そうとしない。
ところがその年は天気予報が外れて吹雪が直撃する大荒れな天候のもと、交通や電話も不通になって、取材を終えて帰ろうとしたフィルの一行は町に足止めをくってしまった。
そして翌朝、フィルが目覚めると町は祭り当日!フィル以外のすべての人がそっくりそのままを繰り返す…彼は永遠に同じ一日が繰り返される時間の迷路に閉じ込められてしまったのだ。
フィルはこの特権を生かしてリタを口説こうとしたり、自暴自棄になって犯罪に走ったり自殺しようとしたりするが、それでも必ず同じ一日の朝がやってくる!
どうどう廻りの毎日、彼にとっては何年もの時間が過ぎ去り、やがて彼の心はある境地に達する…。

いや久しぶりに映画を見ていてわくわくさせられる気持ちになりましたね。
この原題にもなっているグラウンドホッグ・デイという祭りはキリスト教系の民間伝承からきているものなのだそうだが、なにかそういう宗教的な人生哲学を、楽しいコメディ小品の中に溶け込ませて心の琴線に触れてくる。
いやな男だったフィルが「なにをやってもすべて翌朝には消えてしまう」にもかかわらず「できるかぎりすべての人に対して善行を成そう」という心境に変わっていく様子。
それを「キリスト教=偽善」という言葉で片付けることはとてもじゃないができるものではない、もっと深いところで心がゆさぶられ、共感し、温かな気持ちになれる作品である。
そしてここで思い出させられるのが鎌倉仏教の「善人なおもて往生す、いわんや悪人をや」という悪人正機説で、拡大解釈すれば「他人のために善行を成しているつもりの人ですら極楽浄土へ行けるのだから、どうあっても他人を傷つけてしまう自分の罪深さに気づいている人が極楽浄土へ行けるのは当然のこと」となるのであろうか、それにしてもあまりにも内向きの哲学と言えなくはないか。
<神>という発想の有無によって異なってくる宗教哲学なのだろうか、どうもそれだけでは説明のつかない気が…
ちなみにこの映画、押井守監督の『うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー』にインスパイアされて作られた、という説があるそうである。確かに設定などかなり似ているところがあるものの、どちらも心の底に響いてくる思索性があり、後続のクリエーターに大きな影響を与えそうな優れた映画として甲乙つけ難い。
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