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はじめてのりけん

2009-12-23 01:20:38 | 読書
『クズが世界を豊かにする YouTubeから見るインターネット論』松沢呉一(ポット出版)
─(ウイグル自治区の争乱など)中国について語るのは、もう少し待ってもらうとして、メディアが情報を上から選択していくのと同じで、テレビ局(や新聞社)が給料を払って人を雇おうとする以上、能力が高いほうから選ぶ。つまりはマスコミに関わっている人たちはエリートですよ。頭がよくて知識があって行動力があって判断力や体力もあって。そのエリートが現地に飛んで取材するよりも、学歴もなくて、取材なんてやったことのない、携帯を持った凡人100人のほうが強いってことになってきています。─
1958年生まれのフリーライター松沢呉一(まつざわくれいち)。『スナイパーEVE』や『お尻倶楽部』に執筆するが、本来エロは彼の守備範囲の一部でしかなく、興味のおもむくままさまざまな事象について書いた文章を有料メールマガジン『マッツ・ザ・ワールド』として配信している。毎月1冊本が出せるほどの分量。本書はインタビュー形式でYouTubeなどネット媒体について語ったもので、YouTubeは最高におもしろい道具だが、使いこなすには「自覚的な好奇心」というマニュアルが必要とし、これからのメディアのあり方、文化比較、インターネットの可能性などについても語る。



「はじめてのしょくざい」なら『はじめてのおつかい』をパロってるとわかるが、「初めての利権」をひらがなで書く意味は薄い。
いや松沢さんの前著『エロスの原風景』を好意的に採りあげたのを出版社の人が見てくれたらしくて、ブログで書いてくれるなら新刊をタダで送りますがという打診があって、お引き受けしたというわけ。ブログをやってることで、なにか品物を受け取ったのは、5年以上もやってて純粋に初めて。試写会とかは自分から応募したりヤフオクで落札したり、イラストやフィギュアを発注するにしても自分からこれは!と思う人にお金を払って依頼してきた。利権とは異なる。
で、結果から言うと、とてもじゃないが1680円を払って、この本を自分からは買わないなあ。↑に引用したような、YouTubeやら2ちゃんねるやらTwitterやら現れて、既存のマスコミはお客さんの時間をいただくことができなくなって、それは特に広告収入で番組を作るテレビ局への打撃が大きい。しかし松沢さんは、それでもマスコミは必要だとする。自分で探す能力や時間がない人、それが面倒くさい人たちに「ハイ、今日の情報」と手渡す役割は必要と。
それはわかります。TVニュースや新聞のように見出しを付けて体系化したり、取材してウソか本当か検証したりする仕事の人は必要と思う。
でも、一般人より先におもしろいことを見つけてマスコミで紹介したりする仕事=松沢さんやパクリ王・唐沢俊一などにとっては厳しい。たとえば「作られたシンデレラ」スーザン・ボイル、奇妙なダンスが話題となった4人組バンド「OK Go」、↓お蔵入りになったテレビCM、各国のフリーハグ映像などなど──本書にはさまざまなYouTube投稿映像が採りあげられてるが、これはおもしろい!もっともっと知りたい!と思わせるほどではない。



【Banned Commercials - Microsoft Xbox】 ①分娩室でいきむ妊婦



②ものすごい勢いで産み出された赤ちゃんが病院の窓を突き破って飛んでいく



③飛んだまま成長し、青年へ、やがて壮年・老年へ。青年期には勃起した陰茎も写っている



④そして棺桶に着陸する…「LIFE IS SHORT」「PLAY MORE」の文字が入る

オラ最近で役に立ったYouTubeは、そうですねえ、福島千里選手が圧勝した陸上アジア選手権の女子100mとか。中盤からの抜け出し方がすごい。向かい風を突いて11秒27。リレーでも勝った。中国人からのインタビューなんかでもかわいい・かわいい。
音楽では昔の工藤静香の「嵐の素顔」やブラック・ビスケッツの「タイミング」や、キャンディーズなんかもたまに見る。振りも楽しいが、なにより音楽がいいので。iTunesストアでPV売ってたら買うよ。
スーザン・ボイルやOK Goにお金を払う価値はない=時間を割くのももったいない。時間は貴重。YouTubeなんかに使ってる場合じゃない。
それが本当に時間やお金を捧げる価値あるかどうか。そういう意味でもまだまだマスコミも必要。すごかったよM-1グランプリ。すでに安直なキャラクター商売でも地位を占めてるはずの南海キャンディーズやハリセンボンも挑戦して下位に沈んでたね。見上げた意気だ。ハリセンボンの近藤さんなんか緊張して噛んでたじゃん。あの4分間はそれぞれ価値あった。
練りに練った4分間の笑いもいいが、それは年に1回とかだから盛り上がるので、いくらお笑い芸人さんが選ばれた存在だとしても、毎週の深夜ラジオでは前半1時間のフリートークより、後半1時間のリスナー投稿ネタがおもしろくなるのは必然。いまの雨上がり決死隊の「引っ越したい」のコーナーも、過去のさまざまな番組の名コーナーとともに殿堂入りしそう。その締めくくりに、必ず『生島ヒロシのおはよう一直線』という早朝番組の冒頭あいさつのパロディが読まれる。いつも長編なのだが先日その一部に

─生島ヒロシの「イ・ク・シ・マ」であいうえお作文いってみたいと思います。
イ=いくら女房でも
ク=口にくわえさせたままで
シ=しょんべんしたら
マ=マジギレされた。さあ、では今日もはりきって参りましょう─

という一節があって2分間ほど笑い転げた。何度か思い出し笑いも。投稿ネームさえ憶えてもらえないのに、よくこんなおもしろいこと考えつくなあと。投稿者のセンス、生島さんの芸風、雨上がり宮迫の朗読力、深夜ラジオという場、どれが欠けても成立しないってことにも貴重さを覚える。
人を笑わせられる人、なにか新しいことを考えられる人ってのはえらいもんだ。それができない人も、さまざまなことでお金を稼がなければならないのは当然としても、《ぼくは・あたしは人より先に見つけたからえらいという尊大/だからお金をくださいという卑屈》のような商売は曲がり角に来つつあるといえましょう。
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