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『ベティ・ペイジ』

2007-12-22 20:38:16 | 映画(映画館)

The Notorious Bettie Page@渋谷シネマライズ、メアリー・ハロン監督(2006年アメリカ)
世界の歌姫マドンナの挑発的なパフォーマンスやステージ衣裳、前髪を短く切り上げた黒髪とヴィヴィッドな赤リップをほどこした唇にはハリウッド女優たち、そして今注目のバーレスク・ダンサー、ディータ・ヴォン・ティース…皆がその受けた影響の大きさを語ってやまない伝説のピンナップ・ガール、ベティ・ペイジ…。
1923年にナッシュビルの敬虔なクリスチャン家庭に生まれた勉強熱心で美しいベティ(グレッチェン・モル)は、大学進学と結婚に失敗し、心機一転NYにやってきた。偶然出会ったカメラマンの被写体となってモデルのキャリアをスタートさせた彼女は、露出度の高い下着でさまざまなポーズと表情を変幻自在に見せ、またたく間に1950年代アメリカで最も人気のあるピンナップ・ガールとなった。
一方で、あるときいかがわしい写真館を営む兄妹アーヴィング&ポーラ・クロウに出会ったベティは、さらなる才能を開花させる。怪しげなボンデージの衣裳とは裏腹に、天真爛漫な笑顔でカメラに向かうベティは、性の表現に自由をもたらした。
しかし1955年のポルノ追放運動において糾弾され、ベティはNYを去り、そのキャリアはたった7年で幕を下ろすこととなった…。

なんとなくベティ・ペイジという名前を知ってる気がしてたんだけど、テネシー・ワルツの歌手パティ・ペイジと、コケティッシュな漫画のキャラクターのベティ・ブープがごっちゃになってただけの模様。
しかし演じているのが素晴らしい女優さんで、実際にそういう運命をたどって50年代当時の人気ピンナップ・ガールとなった、としか思えないような存在感を放っている。
映画としては特段大きな劇的展開が待ち受けているわけではないのだが、そのような歴史の真実の手ざわりが印象的。
米英のこの種のマイナーな映画には、なにか日本人に不足している客観的なジャーナリスト精神みたいなものが感じられる。それは音楽においても同様で1曲1曲が歴史の証言とでもいうか。
『闇金ウシジマくん』というビッグコミックスピリッツの連載マンガが、今のオラにとって最も待ち遠しく、生きるのに欠かせない栄養になってるのだけど、そこにおいてもこの映画と同じように「何が彼をそうさせたか、何が彼女をそうさせたか」ということがおろそかにされることが決してない。大勢の人が絡み合って複雑に変化していく現実が見事に活写されている。
フリーター編の終盤、郊外の川のほとりで宇津井優一に襲いかかる少年たちにも、彼らをそうさせる理由があることを一瞬の登場ではあるが最低限説明する手間を省かない。
結局それは、人間に対する思いやりの深さというか、もはや宗教的な慈悲の心とまで読んでも差しつかえないと思うんだよね。
それと逆に人間を軽んじているように思えてしかたないのは、劇的な展開のために人間を単純化・キャラクター化して描き、人間を一つの駒としてストーリーに隷属させることなんじゃないでしょうか。多くのハリウッド映画・日本の大作映画・連ドラみたいな。

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コメント (2)   この記事についてブログを書く
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2 コメント

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トラックバックありがとうございました (CARAMEL*PAPA)
2008-01-17 11:21:19
トラックバックありがとうございました。
コメントは苦手で殆ど書かないのですが、
実は音楽のレビューがとても素晴らしいと思いましたので、ここで書かせていただきました。ライノとBlenderへのブックマークがあったので、非常に驚き、失礼ながら・・いやぁ。この方は出来るな!!と。
時々、音楽レビューを楽しみにお邪魔したいと思います。ありがとうございました。
はじめまして! (冬のマーケット)
2008-01-17 21:27:54
音楽記事を見ていただいてありがとうございます。
貴ブログを拝見して、画像や動画の質と量の豊富さにびっくりしてしまいました。
集める労力、質と量を維持するエネルギーに感服いたしました。

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