和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

昔『TVタックル』で。

2017-06-22 | 短文紹介
渡部昇一著「知の湧水」(WAC)の
終りの方に、

「・・下重暁子(しもじゅうあきこ)さんの『家族という病』である。
この本の悪魔性(?)を洞察した金美齢(きんびれい)さんが、
毒消しになるような本『家族という名のクスリ』(PHP研究所)を
出された・・・」(p271)


はい。『家族という名のクスリ』をネットで購入。
はい。読んでよかったです。
こんな箇所はどうでしょう。

「私が日本人の最大の欠点だと思っているのは、
『オール・オア・ナッシング』
というふうに考えがちなところだ。
日本は先の大戦に敗北し、それによって
戦前を捨てて180度向きを変えてしまった。
しかし、そんなことではいけない。
国が永続するためには
守るべき価値は守っていかなければならない。
『守るべきは守る』という精神の闘いに淡泊すぎた。
それどころか、それを避けて新しい価値に飛びつくか、
なあなあで打ちすぎてしまった。
その意味で私は、
〈 敗戦は日本という国そのものが変わり、
違う価値観の下にリセットされるべき大きな節目 〉
だったと言う下重暁子さんとは対極にいる。
有形無形の日本の伝統や文化が、
戦後バラバラに崩れていったのは
けっして好ましいことではなかった。
代わりに物質的な豊かさを手に入れた
という人は大勢いる。しかし、
最低限、かけがえのないものを置き去りにした
という痛みを抱えるべきなのだと思う。
それが平衡をもたらす。」(P117~118)


本の最後には、娘麻那さんとの対談でした。
そこからも引用。

「昔、『TVタックル』(テレビ朝日系)で
田嶋陽子さんと少子化問題で激論したことがある。
『なぜ産まないのか』という産まない側の考えは
大きく取り上げられるのに、
『なぜ産んだのか』という側は取り上げられない。
・・・・
来日したときのボーヴオワールの講演録を
読んだことがあって、彼女が大変な知識人である
ことはわかったけれど、同時に、彼女は
自由な生活を選んだ結果、大多数の女性の
置かれている苦悩が全然わかっていないということもわかった。
・・彼女の経験、蓄積からは、普通の人の日常を
踏まえた本当の意味での女性の代表にはなれないと思い、
そんな指摘をしたわけ。
すると田嶋さんは『想像力があるだろう』と言う。
殺人を経験しなければ殺人について語ってはいけないのか、
という難詰をしてきたのね。
私が、『文学を専攻したから、平均的な人よりは
想像力があると思うけれど、同時に想像力の限界も
承知しているつもり』と切り返すと、
『仕事を持つ女が子供を産み育てることの
大変さがわかるのか』と喚(わめ)きはじめた。
私は、『あなたの百倍知っている。
夫の身の回りの世話をし、二人の子供を育て、
かつ仕事を持っている。その大変さを承知で
産むことの大切さを語っているつもりだ』と。・・」
(p182~183)

はい。テレビを観てるだけだと、不思議と
田嶋陽子さんに軍配が上がるんですよね(笑)。
活字を読むのとでは、大違い。
ということで、読めてよかった。

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