日本茶とお茶の間

お茶の間を復活させたい思いから、日本茶に関連する情報などを発信し、みなさまとの情報交換の場にしていきたいです。

シグナルとシグナレス

2016年07月09日 16時15分20秒 | 茶戸庵日記
★ルビーの季節★
水無月祓いも終え、あっという間に7月に入りましたね。7月の誕生石はルビー(紅玉)きらきら輝くルビーは和さんも大好きな宝石です。学生時代、母からもらった小さな赤い石がついた細い...






7月7日は七夕の節句。
年に一度、織姫と彦星がやっと逢える日、
子供のころは七夕祭りは大切なお願い事をする日でした。
柳の木を父が家の前に用意してくれて、お星様や短冊などキラキラ飾り付けしました。
短冊に願い事を書いて『大きくなったら・・になりたい』とか
『クレオパトラになりたい!?』なんて(笑)
お友達と声をそろえて、♪笹の葉さらさら~♪と甲高い声で歌い、
胸が高鳴ったのを覚えています。
夕立が来ると軒先に入り、じっと雨の止むのを待ちました。
北海道の七夕は、ひと月遅れの8月7日、ちょうど夏休みの最中、思い出すことが沢山あります。
暗い校庭でのカンテラ遊びや、花火大会、盆踊り、川狩りなど、外で遊ぶことばかりでした。
小さな町の小学校は、上級生も下級生も一緒でしたので、
特に夏休みは毎日がスペシャルなのです。

真夏の夜、頭上に横たわる天の川、天頂近くで織姫星(ベガ)
その下で彦星(アルタイル)がまたたき出します。
さらに、想像を膨らませると、宮澤賢治の銀河鉄道の夜へと広がります。
ジョバンニとカンパネルラ二人の銀河の旅は私たちの想像をはるかに超えてゆきます。
小さな子供を助けようとして、川の事故で帰らぬ人となったカンパネルラ。
ある夏、私の兄のお友達が川で亡くなったこと、その日真っ青な顔で家に帰った兄・・・
たくさんの思い出が走馬灯のように浮かんできます。
生きることも死ぬことも受け止めて、子供達も大きくなっていくのですね。
宮澤賢治の世界に触れて、幼い自分も現在ある自分もひとつの線で繋がってゆくようです。


さて、本日午後から、【Kenj食堂】7月例会があります。
昭和15年に作られた映画”風の又三郎”をターシャさんで観ることになっています。
(日活製作・もちろん白黒映画です)ガラスのマントがとっても楽しみですね。
例会では毎回、順番で一押しの童話や詩を朗読する時間があります。
次回は、とうとう私の順番が・・・・。
最近、あまり賢治さんの作品に触れていないので困っていますと、居合わせた方が
”シグナルとシグナレス”なんかどうですか?
生前、宮澤賢治が発表した唯一の童話作品なのだそうです。
早速、絵本を頼んでみると、大好きな新井良治さんの絵で描かれた、
とてもファンタスティックなお話なのでした。
岩手軽便鉄道(現在のJR釜石線)の列車信号機、
シグナル(男性)とシグナレス(女性)の幻想的な淡い愛のお話です。
二人の美しいファンタジーは遠く銀河の世界の入口をみることができます。
いまのわこさんに愛の世界が朗読できるのかしら!?
孫のあみりとってもひょうきん

まだまだ、深いです。そして、遠いです。賢治さんの美しくて透明な世界。
今年、生誕120年、益々魅かれてしまいそうです。(微笑)

最後までお付き合いありがとうございました。