環境省「廃棄物処理施設からのダイオキシン類排出量の推移」より
環境省 2017年3月24日
廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度等の測定結果について(お知らせ)
この1年間に全国の廃棄物焼却施設から排出されたダイオキシン類排出量の推計は、約43g-TEQ/年であり、その内訳は、一般廃棄物焼却施設からのものが約24g-TEQ/年(前年比約3g-TEQ/年 減少)、産業廃棄物焼却施設からのものが約19g-TEQ/年(前年同)でした。これは昨年の排出量約46g-TEQ/年から約7%の削減となっております。
ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)第33条第1項の規定に基づく「我が国における事業活動に伴い排出されるダイオキシン類の量を削減するための計画(平成24年8月変更)」では、当面の間、廃棄物焼却施設からの排ガス中のダイオキシン類排出量を、一般廃棄物においては33g-TEQ/年、産業廃棄物においては35g-TEQ/年を目標としていますが、平成27年度の実績では目標を達成しています。
添付資料
「(別添)廃棄物処理施設からのダイオキシン類排出量の推移」より抜粋
1 一般廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度等について
(1)一般廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度
①ダイオキシン類の排出基準への対応状況
市町村及び事業者が設置する一般廃棄物焼却施設の排出基準への対応状況は次のとおりである。
ア.市町村の設置する一般廃棄物焼却施設
平成27年4月1日から平成28年3月31日の調査対象期間に排ガス中のダイオキシン類濃度の測定を行った1,949炉のうち、排出基準を超過したのは2炉であった。
イ.事業者の設置する一般廃棄物焼却施設
平成27年4月1日から平成28年3月31日の調査対象期間に排ガス中のダイオキシン類濃度の測定を行った46炉は、全て排出基準に適合していた。
(2)一般廃棄物焼却施設の休止及び廃止の状況
平成27年4月2日から平成28年3月31日までの1年間において、市町村の設置する一般廃棄物焼却施設では27炉が廃止され。平成27年4月2日以降に休止し、平成28年3月31日現在でも休止中の炉は27炉である。一方、平成28年3月31日現在で、稼働中の炉は1,955炉である(別図-3参照)。
また、事業者の設置する一般廃棄物焼却施設で平成27年4月2日以降に休止し平成28年3月31日現在でも休止中の炉は1炉で、この期間中に廃止された炉はない。一方、平成28年3月31日現在、稼働中の炉は46炉である(別図-4参照)。
2 産業廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度等について
(1)産業廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度
平成28年4月1日時点で稼動中の産業廃棄物焼却施設1,235炉(1,095施設注))のうち、測定結果が得られた1,196炉の排ガス中のダイオキシン類濃度分布を別図-1に、産業廃棄物焼却施設の種類ごとのダイオキシン類濃度を別図-2に、また、都道府県・政令市別ダイオキシン類濃度分布データを別表-1に示す。
これらのうち、稼働中施設の焼却炉の処理能力に応じた排出基準への適合状況を表1に示す。
排ガス中のダイオキシン類濃度の基準と比較したところ約99%の炉が適合していた。
また、休止・廃止施設も含めると、排出基準値1~10ng-TEQ/m3N(既設)、0.1~5ng-TEQ/m3N(新設)を超えた炉は11炉あった。これらの炉での対応状況及び現状について表2に示す。
注)平成27年度に稼働実績のある炉のうち、調査期間中排ガス中のダイオキシン類濃度の測定値が排出基準を1回でも超過した炉を対象としている。(平成28年4月1日現在で休止中2炉を含む。)
2)産業廃棄物焼却施設の休止・廃止状況
産業廃棄物焼却施設は平成9年12月1日現在5,757施設あったが、その後、平成28年3月31日までの18年4ヶ月の間に延べ4,934施設が廃止となり、稼働中と休止中を合わせた供用中の焼却施設は、平成9年比78%減の1,279施設となった。
なお、前回の調査では、平成26年4月1日から平成27年3月31日までの1年間に、全1,361施設のうち約17%に当たる228施設が休止・廃止していた。
また、今回の調査では、平成27年4月1日から平成28年3月31日までの1年間に、全1,314施設のうち、38施設が廃止さ、これに休止中の184施設を含めると、約17%にあたる222施設が休止・廃止していたという結果が得られ、平成28年4月1日現在の稼動施設数は1,095施設であった(表3参照)。なお、都道府県・政令市別のデータは別表-2のとおりである。