ポスケブログ with 田中助六

twitterを敷衍すべく作ってみました。それ以外のことも、随時書き散らかそうと思っています。平成26年11月13日設置

譲位問題

2016-09-29 14:26:07 | twitter連動
譲位問題で有識者会議の構成員が発表された。この構成員の顔ぶれだけを見て何を審議するための有識者会議かと聞かれても、誰も正解できないことは確実である。何しろ、経済界の重鎮、慶應義塾塾長の経済学者、政治学者(近現代政治論)、行政法学者、歴史学者(但し専門は中東、イスラム史)、メディア出身の大学教授で構成されているのだから、移民問題への対処とかを審議するんじゃないのか?と思うのが通常であろう。今回の有識者会議では、皇室や神道に関する専門家から意見を聴取して提言をまとめるとのことであるり、これは小泉内閣時の皇室典範改正のための有識者会議の時と同じやり方である。そこから透けて見えるのは、女系天皇容認への道筋をつけることなのだろう。安倍首相の「日本を取り戻す」との決意がどの程度のものなのかが試される。民主党政権末期に宮内庁長官に任命された風岡典之は創価学会員との噂が専らでありそれを急遽退任させたのは一応評価できる。しかし予断を許さない状況が続く。ちなみに、風岡典之は旧建設省出身で国土交通省事務次官を経て宮内庁次長になっている。国土交通大臣は創価学会=公明党が掴んで離さない役職であり、当然国土交通省事務次官は創価学会系列の官僚が優遇されているはずである。歴代宮内庁長官は旧内務省系の役所から出ており、旧建設省もその流れを汲む役所だが創価学会の浸食が激しいので、以降は旧内務省の本体である警察庁出身者を充てるのが好ましいと思う。

譲位問題で一番疑問に感じるのは、皇室典範の中の皇位継承についての部分を議会が審議変更することはおかしいのではないか、ということである。皇位継承は日本民族の族長である最上位の神官を継承することであり、その継承の正統性は皇室典範によるのではなく皇位継承の伝統により認められるのである。すなわち神事の伝統によるのであり、究極的には皇室が皇祖から伝わる皇統の伝統により決するのである。つまり、有識者会議の提言に基づき民選の議員が立法で決めるようなものではないのである。皇室典範は明治の日本が近代国家として欧米に認められる必要から法律とは区別された規範として、皇室の伝統と近代国家建設を融合させるものとして定立されたものである。日本は既に近代国家として欧米から承認されその地位は揺らがない。そうであれば、皇室典範など廃止して皇位継承はは皇室が伝統に基づき自ら決すべきとすべきだと考える。

第二に疑問に感じるのは「公務の負担軽減」という理由である。天皇を天皇たらしめるのは祭祀である。故・村松剛氏は天皇は祭祀王であるとされたが、まさにその通りと思う。現在の天皇の公務の大半は国事行為やそれに準じるものである。現在の国民意識を前提にすれば皇位の安定継承のためには国民に親しまれねばならないということの結果なのかもしれないが、それは国民のために祈る天皇という本来の天皇の姿を意図的に国民に知らせないようにしてきた戦後日本の教育、メディア体制の結果に過ぎない。そうであれば、これを機に「天皇は日本民族の安寧を祈ることを本来のつとめとする祭祀王である」という伝統的な天皇の姿を国民に広く知らしめることが何にも増して求められる。その際、政教分離規定が障害になるなら、それは米国人の作文による当用憲法の方が間違っているに過ぎないのである。更に言えば、当用憲法にせよ現行の皇室典範にせよ、日本が主権を制限されたというより主権を喪失していた時期に成立したものであり、本来無効であるという原点に戻るよい機会とすべきである。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿