キロスキスタはしゅっとした文字だね

キロスキスタはしゅっとした文字だねです。

建物すべてが巨大な冷蔵庫

2017-07-11 18:27:22 | 日記
はてなダイアリーでやっていた日雇い日記の続編をこちらではじめます。


マイクロバスがMの前の路肩に到着した。

「あ、あれです」

彼にうながされて私が乗りこもうとしたときだった。突然、50前後の男、30代くらいの男が6人ほど、あたりの物陰から飛び出してきてバスに駆け込んできた。

一瞬、私は自分がどこかへ拉致されるのかと思ったほどだった。

さっきまでは私たち2人だけかと思ったのに、彼らはいったいどこに潜んでいたのだろう。彼らが姿を隠さなければならない理由はなんなのだろう。

世間に日雇いの姿を見られたくないのか。それとも、隠れなければならない事情でもあるのか。バスは扇島方面にむかっていく。

海沿いに石油コンビナートが巨大な影絵となって突っ立っている。高い煙突のうえに炎だけが揺れている様子は、黒い蛇がチョロチョロ舌だけを見せている不気味さがある。

明かりの消えた倉庫街の一角にあるAスーパーのセンターにつくと、日雇いたちはロビーで名前を記入してなかに入っていった。

私も真似してなかに入ったとたん、半袖の体に震えがきた。建物すべてが巨大な冷蔵庫になっていた。これではさっきの男が言ったトレーナーどころか、もっと厚手の服が必要だ。

ほかの男たちについていくと、自分の荷物をもったまま、ベルトコンベアーの横を通り、奥へ進んでいく。


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