キロスキスタはしゅっとした文字だね

キロスキスタはしゅっとした文字だねです。

冷蔵人間たち

2017-07-14 13:24:10 | 日記
そこには更衣室があり、彼らは黙々と着替えをはじめた。50歳くらいの男が、バスのなかで飲み終えた缶コーヒーを捨てにゴミ箱に向かった。

彼は片足を引いていた。ここで働くのは、その「足の状態」と関係があるのだろうか。私はその男に聞いてみた。

「すみません、上着持ってこなかったんですけど、どこかにあまってるジャンパーがないでしょうか?」
「お、ここにあるよ、これ。これならいいよ」

彼は近くのロッカーの上に丸めてある薄汚いジャンパーを手にとって、渡してくれた。

「でも、だれが着たかわからないし、臭いがうつるぜ」
「いいです。助かります。ありがとうございます」

ジャンパーに腕を通すと、汗やタバコの臭気でむっとした。帰りの電車では、となりの乗客にいやな顔をされるだろう。ほかの者がやっているように、私も首に自分のタオルをまき、寒気が入ってこないように準備を整えた。

責任者はパーマをかけた30前後の男だった。ホイホイサービスの社名が入った、防寒用の青いつなぎを着ている。

いつもここで働いているのだろうか。青白い顔でマスクをしていた。彼は十数人の日雇いたちを、てきぱきと数人単位のグループに分けて、持ち場につかせた。

20~30くらいまでの男には『彼』とよびかけ、30代後半の私くらいの年齢から上の人間には『あなた』とよびかけて区別していた。




ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 建物すべてが巨大な冷蔵庫 | トップ | 冷気との戦い »

日記」カテゴリの最新記事