うなぎの与三郎商店

目立たぬように、はしゃがぬように、似合わぬことは無理をせず、教育・古典・語学・芸能など。タイトルは落語「うなぎ屋」より。

かわいそうなブルドッグ

2016-10-15 23:00:54 | 随想 社会・文化私論
【かわいそうなブルドッグ】

《どうしても引っかかる新聞記事(ネット版)のこと。「ケーサツ、ありがとう」の精神の足りない中年男の寝言だろうか》

 定期購読しているわけではないが、ネット上で見つけた新聞の小さな記事。どうしても引っかかって仕様がない。

職質へ集団妨害多発、携帯で仲間呼び寄せ…大阪
 警察官から職務質問を受けた人物が携帯電話で大勢の仲間を呼び寄せるなどして質問を妨害するトラブルが大阪府内で多発している。
 府警によると、今年1~9月で100件に上り、現場から立ち去られたケースもある。薬物事案に集中しており、職務質問を避ける手段として口コミで広がっている可能性があるという。危機感を募らせた府警は対策に乗り出した。
 「何もしてないやろ!」。大阪市旭区の路上で7月7日夜、怒声を上げる約30人の男らと、約30人の警官が小競り合いとなった。男らは、薬物使用の疑いで職務質問された暴力団組長(44)が呼び寄せた組員たちだ。警官の前に立ちふさがったり、パトカーをたたいたりし、この間に組長は車で現場を去った。〔以下略〕〔YOMIURI ON LINE 2016-10-15 09:17〕


 大した危機感である。手軽に視聴できる職質動画は腐るほどあり、作品としても森達也監督の記録映画「A」には豪快な転び公妨がはっきりくっきり登場する。そんな強圧的な「加害者」が手のひら返しで「被害者」ヅラするプロトコールか。

 「A」ではないが、あきれるほど豪快な「職質」動画ならこちら——その1その2。ここまでくると、もう「職質」ではない。……えっ? 職質じゃない? 趣味? どうやら関係のないものを引用してしまったようである。ただ、「職質」の定義云々より、この動画の状況で「集団妨害」に手を染めない組織の方が気になる。率直に言うと、違和感を覚える。

 これはターゲットにされた「組織」の勢いの違いなのか、それとも質の違いなのか。あるいは「公務執行妨害」との距離の違いか。公安がタイホの手ぐすね引いて待っている場合(対中核派)と、ただのイヤガラセにとどめる府警の場合(対暴力団)との違い。

 しかし、冒頭の記事では「薬物使用の疑いで職務質問」と謳っている。大仰な割に弱腰である。恐らく、大層な大義名分とは程遠いユルユルのイヤガラセだったのだろう。逮捕なんてハナから考えていない。それなのに大勢のこわもてヤクザに囲まれた。現場の警察官にしてみれば確かに「コスパ」が合わず、被害者ヅラしたくなる。警察組織としても被害者ヅラの方が何かと便利である。かわいそうなブルドッグ……。

 いずれにせよ、以上は「ケーサツ、ありがとう」の精神の足りない中年男の寝言に過ぎない。
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