うなぎの与三郎商店

目立たぬように、はしゃがぬように、似合わぬことは無理をせず、教育・古典・語学・芸能など。タイトルは落語「うなぎ屋」より。

はやし家エーオー

2017-05-10 23:00:00 | 教育 学校・教職・授業論
【はやし家エーオー】

《AO入試が目を噛んで死ぬことついて》

 世間には四角い三角形というか、まわり右向け左というか、自由に生きることの強制というか、晋三が首相というか、不思議な現象がある。

 国公私大のAO入試に学力試験を義務化するというニュース〔注〕も、きっと一休さんばりのとんちクイズにちがいない。

 私はこれまで、AO入試は大学的な知のスタイルの先取り選考だと思っていた。いや、嘘である。薄々気づいていたけれど、特定の大学・学部が求めているのは、むしろ反大学(反アカデミズム)的で企業的・ビジネス的な発想である。それが愚劣だと思っていたから、指導の責任を果たし、合格のお礼などというありがたい反応を受けつつも、生徒をできることなら文学や哲学、美術といった領域に誘導しようとしていた。

 もちろん、新鮮な驚きもあった。面接官が受験生に励ましの言葉をかけたり、大学進学の動機を振り返る機会を設けたりして、受験生の将来設計と進路選択を支援した大学もある。入試そのものを受験生の成長につなげていこうとする大学の姿勢には「教育の原点」を見る思いがした。

 しかし、趨勢はもういいかげんわかっていただろうに。「人物本位」の「AO入試」などと大仰なことを謳ったところで、出来損ないのアドミッションポリシーとグダグダ選考のSodomだったことが。シュールなコント「AO入試」が飽きもせず繰り広げられていたことが。

 そのAO入試がなりすましに手を染め出した。文科省主導で中身をすり替えつつ、今後も「AO入試」の看板を掲げるという、何だか複雑な時代になってきた。顧客にとって、アレを「サンペイ」と呼ばなければならない理不尽と同等の屈辱である。なあ、林家。


「国公私大のAO入試、学力試験も…20年度から
 書類や面接で評価する国公私立大のAO(アドミッション・オフィス)入試や推薦入試について、文部科学省は、2020年度から学力を問う試験を義務付ける方針を固めた。
 一部の学生に学力不足が指摘されており、一定の学力を求めるのが狙い。同年度に現在の中学3年生が受験する新テスト「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の実施方針案も明らかになり、文科省は近く新テストの方針案を公表し、大学側の意見も聞いたうえで、6月にも確定する。〔以下略〕」〔読売新聞ネット版2017-05-10 07:42〕
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