うなぎの与三郎商店

目立たぬように、はしゃがぬように、似合わぬことは無理をせず、教育・古典・語学・芸能など。タイトルは落語「うなぎ屋」より。

もはや読むに堪えないブログ「海鳴りの島から」〔修正版〕

2016-10-18 23:15:00 | 随想 社会・文化私論
【もはや読むに堪えないブログ「海鳴りの島から」〔修正版〕】

《沖縄のことについてひとこと。「読むに堪えない」のはブログ「海鳴りの島から」ではなく、そこで取り上げられている現在進行形の事態のこと。〔2016-10-19追記〕本文を大幅に加筆修正》

 数年来、目取真俊のブログ「海鳴りの島から」を読んできたが、最近は高江のあまりにも酷い現状に堪えられなくなってきた。

 遠方で二次的に情報に接する人間が現地を差し置いて勝手に跳ね上がってはならないと思いつつ、「物言わぬ人間」と思われている人間が決して何も考えていないわけではないことを国、警察、沖縄防衛局に対して明らかにしておきたくなった。

 ✊いいか、サイレントマジョリティがバカで無関心だからサイレントだと思うなよ❗️
 ✊はらわたが煮え繰り返る思いでお前らの所業をしっかり見ているからな❗️
 ✊お前らの不埒な悪行をこの目で確かめつつ、日々の雑事に埋もれているんだからな❗️
 ✊へたれた俺らがいつまでも黙っていると思うな‼️

 ……って、迫力の欠片もない言葉を吐いてしまった。

 電子版で定期購読すれば、沖縄タイムスや琉球新報が毎日、全紙面、ごく普通に読めることを知ったのが1年半ほど前。また、しかるべき人物やサイトにアプローチすれば、知りたいこと/知らなかったことが即座にわかるのを教えてくれたのが「海鳴りの島から」。

 その「海鳴りの島から」に本日、看過できない記事、看過できない動画がアップされていた。

「沖縄県民を『土人』呼ばわりする大阪府警の機動隊員」2016-10-18 18:07:42
「『黙れ、こら、シナ人』『土人』、あまりにもひどい大阪府警機動隊の実態。」2016-10-18 22:48:00

 確かにヒドイけれど、既視感がある。「かわいそうなブルドッグ」2016-10-15で取り上げたこれとか、これとか。

 ここで言い古された、使い古されたニーメラーの言葉をもう一度——

 ナチが共産主義者を襲ったとき、自分はやや不安になった。けれども結局自分は共産主義者でなかったので何もしなかった。〔中略〕さてそれからナチは教会を攻撃した。そうして自分はまさに教会の人間であった。そこで自分は何事かをした。しかしそのときにはすでに手遅れであった。


 人はどんな思いでこの言葉を引用するのか。この言葉に時代の警鐘、社会の木鐸を期待してのことか。

 しかし、例えば特高に拷問・虐殺された小林多喜二からみると悠長極まりない言葉である。彼が直面したのは、端緒の「ナチが共産主義者を襲ったとき」が直ちに「手遅れであった」という「結末」につながる極限状況だった——ナチが共産主義者を襲ったとき、すでに手遅れであった。自分はまさに共産主義者であったから。

 私たちがニーメラーを気取っているとき、日本国憲法体制ならぬ日米安保法体制下にあって「戦後の繁栄」を享受していた私たち、自分たちの自由を信じて疑わない私たち、「同調の自覚さえない同調者」の私たちのすぐ隣で、孤立感をいっそう強めている「異端者」がいる。

 そんなに遠い時代、遠い場所のことではない。海保に殴られ、公安に転ばれ、原発にベクられ、会社にバーンアウトさせられ、そして面と向かって「土人」呼ばわりされている、私たちのすぐ隣の「異端者」である。

〔2016-10-19追記〕
19日付の沖縄・地元紙の報道——
「『どこつかんどんじゃ。土人が』 高江の機動隊員が発言 作家・目取真俊さんに」沖縄タイムス+プラス2016-10-19 06:44。
「『土人』発言は沖縄県外の機動隊員か 『県民見下している』と憤り」沖縄タイムス+プラス2016-10-19 07:21。
「市民を『土人』呼ばわり 機動隊員、沖縄のヘリパッド建設現場 識者ら差別発言と批判」琉球新報(ネット版)2016-10-19 06:30。
「『立ち去れ』『くそ』『ぼけ』 沖縄・米軍ヘリパッド建設現場の機動隊員暴言 激しい罵倒繰り返す 市民『まるで脅し』」琉球新報(ネット版)2016-10-19 06:30。

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