山紫水明 日本って素敵!

お寺や神社、祭、古道、そして自然・・。歴史や民俗に惹かれ訪ねた各地の魅力を、写真と共に。

当麻寺のお練り 1

2010-05-16 09:19:15 | 雑記
大阪の阿倍野から近鉄で橿原神宮方面に向かう途中、進行方向右手に二こぶ駱駝のような形をした山が間近に迫ってきます。大阪と奈良の県境に聳える二上山です。標高は500メートルほどで、高い山ではありませんが、古代より様々な人の思い、歴史が堆積しているこの山は、実際の高さ以上に近づくのが難しい山のような気がしています。

二上山には近いうちに登る予定ですが、今回はこの山の麓、當麻の里にある当麻寺と、そこで行われた練供養の話です。




当麻寺は、聖徳太子の弟にあたる麻呂子王子が推古20年(612)河内の国に創建し、白鳳9年(681)この地の豪族当麻氏が現在の場所に移したと言われるお寺で、当初は奈良仏教の学問寺院でしたが、弘仁14年(824)に弘法大師がここを訪れ、真言密教が伝えられると、密教寺院として発展しました。

当麻寺はこのように歴史あるお寺ですが、当麻寺といえば中将姫、そして中将姫が蓮の糸を用い一晩で織り上げたと伝わる当麻曼荼羅で知られます。5月14日は中将姫のご命日ということで、夕方4時から練供養がありました。




練供養の前に境内を拝観しようと昼過ぎに當麻駅に着きましたが、すでに駅から当麻寺までの道は出店なども出て賑わっていました。もちろん境内にもたくさんの出店が。



まずは本堂(曼荼羅堂)へ。国宝・當麻曼荼羅はこちらにあります。

中将姫というのは、奈良時代、聖武天皇に仕えた大納言藤原豊成の娘で才色に秀で、4歳のとき『称讃浄土経』をあげるほどでしたが、5歳で実母を亡くし、継母のいじめに遭います。けれども中将姫はそれを恨むことなく、万民の幸せを願い『称讃浄土経』の写経に専念します。写経を成し遂げた16歳のとき、二上山に沈む夕陽の中に仏の姿を感得され、当麻寺への入門を願い出られましたが、当時の当麻寺は女人禁制で、入山を許されません。それでも中将姫は諦めることなく、一心に読経を続けたところ、岩に足跡がつき(中将姫誓いの石として、中之坊にあります)、入山を許可され尼になります。
入山の翌年、目の前に現れた老尼の指示で、蓮の茎から糸を取って染め、一晩で大きな織物を織り上げました。それが當麻曼荼羅です。

曼荼羅は縦横共に、4メートル近くもあり、それに合わせて作られた檜材漆塗りの厨子に収められています。厨子と須弥壇も国宝です。

曼荼羅は傷みが激しく秘宝ですが、ちょうど5月13日から15日まで、特別公開されており、実物を拝観することができました。

薄暗い堂内で、目の細かい金網ごしに拝観するため、細部まではっきり見ることはできませんが、色彩は全体に落ち着いた茶系で、阿弥陀如来、観音菩薩などたくさんの菩薩や天人を配した極楽浄土の世界が描かれています。


当麻寺というと、東西の塔も有名です。古代伽藍で、東西の両塔が揃って現存するのは当麻寺だけ。どちらも国宝です。

こちらは東塔。天平時代に建てられた塔で、高さは約24.39メートル。写真ではわかりにくいですが、塔の先端の水煙が、魚の骨の形をした珍しい作りです。二上山の麓を訪れた中将姫が、この東塔に惹かれて当麻寺にたどり着いたという伝説があります。




こちらが西塔。天平から弘仁時代にかけての作。高さは約25.21メートルです。





当麻寺には、平安時代に40あまり、江戸時代に30あまりもの僧坊がありました。そ
の筆頭が中之坊です。



中之坊は、当麻寺の開創に伴い、役行者が道場として開いたのが始まりです。中将姫を手引きした「導き観音」(十一面観音像)がご本尊の中将姫剃髪堂にお参りした後、名勝に指定されている庭園「香藕園(こうぐうえん)」に足を踏み入れると、にわか雨に濡れた木々の合間から、東塔が顔をのぞかせていました。現在の香藕園は、後西天皇の行幸際し片桐石州によって改修されたそうで、園内には石州による茶室もあります。








ジャンル:
奈良県
キーワード
當麻曼荼羅 十一面観音 当麻曼荼羅
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