2017年11月25日(日)、丹沢のロングハイクヘ出かけた。
忙しさと悪天候を理由に、10月と11月の週末は山へ行くことができず、2ヶ月ぶりの山行となった。
ラントレと山トレは別物と考えているゆえに、久しぶりのロングはちょー不安。そんな中、青空と富士山のコラボを夢見て、丹沢の山深いところからメジャーな塔ノ岳を目指すことにした。
プランは、寄(やどりき)をスタートして、シダンゴ山から雨山と熊木沢出合を経て、塔ノ岳から大倉へ下る25km超のロングハイク。
寄なんて聞いたこともなく、塔ノ岳を除けば、全てがお初となるルート。
ユーシンさえ行ったこともなければ、単なる清流のイメージしかない。
お初づくしの丹沢ルートは、行く前からワクワク感いっぱいではあるが、エスケープとして、雨山峠から寄へ戻るルートと少し距離の短い鍋割山経由を選択肢に入れておく。
小田急線/新松田駅から始発のバスに乗るために、新宿駅05:31発の小田急小田原線急行に乗って、新松田駅に06:51に到着する。
新松田駅からはバスに乗って、寄で下車したのは、07:15頃。
天気はピーカンで無風。絶好の登山日和だ。
早朝ゆえに寄自然休養村管理センターは営業しておらず、道路の反対側のみやま運動公園のトイレを拝借する。
身支度を整えたら、先ずはシダンゴ山取り付け口を目指す。人様の石垣を含めて要所要所に標識があり、迷うことなく猪除けゲートに到着する。
この時の気温は、9度。ツーンと鼻にくる冷たい澄んだ空気の中、ゲートをくぐって登山道を上へ上へと進む。
マイナールートで荒れていると予想していた登山道は、全くの逆でキレイに整備されている。「もしかして、ここってメジャールートかも」と呟くくらいにちゃんとしている。
登り続けること30分、シダンゴ山頂に到着する。
空が広い!この開放感はなんだ?というのが第一印象。天気が良かったのが大きいのだけれど、鬱蒼とした登山道から急に開けた空間に出るのだから、全くの別世界であることは確か。
青い空、遠くの雪化粧した富士山にキラキラ光る相模湾。海と山の両方を味わえる贅沢な眺望が広がる。シダンゴ山、ノーマークだったゆえに素晴らしい景色はうれしいサプライズだった。
まだまだ先は長いので、シダンゴ山とお別れをして、次の目的地の秦野峠を目指すが、ここから大きいアップダウンが続く。
ざっくりだけど、シダンゴ山頂から100m下って、200m登り、100mまた下る。そこから100m上がると秦野峠に到着する。
無駄に降りて登るアップダウンは体力的にも精神的にもツライ。下り坂を見ると、「またか〜」と悪態をつく始末。
ようやく着いた秦野峠は、眺望はなく、寂しい雰囲気。写真を撮って、伊勢沢ノ頭へ向かって高度を上げる。
登り坂はツライけど、途中見える富士山と丹沢湖のコラボが実に素晴らしくて、ここでは標高の高さと晴天に素直に感謝する。
振り返ると眼下には相模湾がどーんと広がり、一面ブルーの世界は、それはそれで見事だった。
落ち葉でトレースが見えない中にもかかわらず、調子こいてハイペースで登り続けたところ、伊勢沢ノ頭の手前で完全にルートをロスってしまい、進行方向が分からなくなってしまった。
お守りのGarmin GPSMAP 62sを取り出していたら、遠くから熊鈴の音がリンリンと近づいてくる。音のする方向を眺めていると、下山方面へ向かう登山者を目視することができた。
登山者の通った位置まで行くと、足元にはトレースがあり、運良く短時間でルートロスをリガバリーすることができた。
見つけたトレースに沿って上昇を続けると、地味な雰囲気の伊勢沢ノ頭に無事到着する。
伊勢沢ノ頭は眺望なし。写真を撮って、すぐに出発する。
檜岳までは林の中を進む。檜岳山頂も眺望はなく、到着してすぐに雨山へ向かうが、雨山までの途中も絶好の富士山撮影ポイントだった。
富士山に連なるように雪化粧した南アルプスを目視できた時は、標高の高さと晴天に素直に感謝する(本日2回目)。
雨山山頂にもベンチらしきものは無く、休憩するにも場所が無いため、写真を撮ったらエスケープルートとの分岐点にあたる雨山峠まで下山する。
雨山峠で一本入れながら、頭の中と身体の状態を確認する。
集中力オッケー!体力オッケー!なので、ユーシンブルーを目指して雨山橋方面への下山を開始する。
沢沿いの道は、結構荒れていて、トレースはほぼゼロ。崩落箇所もあったりで、なかなか気を抜けない。
雨山橋に近づくにつれ、川べりの上へ上へと誘導され、最後は高い所を通る桟道(さんどう)を歩くことになり、これはこれで「道迷い時は、沢を下ってはイケナイ」をリアルに体験する良い経験になった。
雨山橋まで降りてくると、急にカジュアルな装いの人達に囲まれる。下界感たっぷりの中、一般客にもまれながら、ユーシンロッジ分岐を直進して、熊木沢出合の少し先でランチ休憩を入れる。
目の前には蛭ヶ岳が見える絶好のロケーションの中、菓子パンを2つを一気食いして、靴紐をリセットする。
長い歩きの後の登りだし、大倉バス停はまだまだ先だ。集中力オッケー!体力オッケー!を確認(本日2回目)して、塔ノ岳に向かって上昇を開始する。
単調な登りは、体力的にも精神的にもツライ。途中見える丹沢山が唯一のご褒美ではあったが、1時間もすると無事に塔ノ岳山頂に到着する。
山頂からはややガスってはいるが、まさに富士山どーん!の景色が全開で、この時ばかりは塔ノ岳最高!となるが、山頂は相変わらずの混み具合なので、写真を撮ったらさっさと下山を開始する。
霜が溶けた下山路は、所々ドロドロで、予想はしていたけど、下り渋滞も発生していたけど、下山後のビールに背中を押され、途中休むことなく大倉バス停まで一気に下山する。
到着後は、どんぐりハウスにピットインしてロング缶2本を買ってから臨時バスに乗車して、小田急線/渋沢駅に到着する。
汗をかいた身体に1Lのビールは瞬間蒸発。ほろ酔い気分のまま、東海大学前駅の「秦野天然温泉 さざんか」へ行き、ひとっフロ浴びてから家路についた。
以下、実測タイム。
07:27 みやま運動広場駐車場
07:38 トイレ
07:44 猪防護柵(1)
07:56 水場
08:15 シダンゴ山
08:44 ダルマ沢ノ頭(八郎丸)
09:04 林道秦野峠
09:25 秦野峠
10:11 伊勢沢ノ頭
10:37 檜岳
11:02 雨山
11:18 雨山峠
11:54 雨山橋
12:04 ユーシンロッジ分岐ゲート
12:10 茅ノ木棚沢
12:17 鉄砲沢
12:32 熊木沢出合
12:41 オガラ沢出合
13:05 尊仏ノ土平
13:57 不動の水
14:07 塔ノ岳
14:24 金冷シ
14:28 花立
14:33 花立山荘
14:44 天神尾根分岐
14:52 堀山の家
15:00 堀山
15:06 駒止茶屋
15:14 一本松
15:21 見晴茶屋
15:32 観音茶屋
15:47 大倉バス停
実測タイムは、ヤマレコにアップした自分の山行記録とGarmin GPSMAP 62sのトラックデータから転載した。
この日の総平行移動距離は27.74km、総上昇距離は2277mだった。
シダンゴ山が気持ちの良い抜け感たっぷりの山であることが今回の収穫だった。
トイレが無いのはイマイチではあるけど、静かな山を楽しめるので、シダンゴ山は初心者の単独行や子連れ登山隊にはうってつけかもしれない。
久しぶりに天気に恵まれた登山だった。