暇つぶし日記

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スケベニンゲンに行ってきた

2017年09月17日 22時45分23秒 | 日常

 

 

2017年 9月 17日 (日)

家人がハーグに住んでいる息子の家に行きたいと電話で息子に昨日連絡し、息子が夕食を作ることを約束させ今日午後ライデンの家をでた。 天気が良かったので海を見たいと言い、ハーグの中央駅からハーグの海にある保養地・海水浴場のスケベニンゲン行きの市電に乗った。 この何日か寒くてビチョビチョ雨の降る鬱陶しい天気だったのが今日はどうしたことか麗らかでお日様まで出ている。 スケベニンゲンはオランダの代表的な観光地の一つでもあるからここでは世界中の言葉が行き交っているけれど近年ロシア語は勿論旧東欧諸国の言葉が多い。 Scheveningen と書いて自分はスケベニンゲンと日本語表記する。 ケかへかは聞く人間の耳、どういうオランダ人が発音するかによって変わる。 南の人間ならへに近く発音するだろう。 自分が昔住んでいた北の州都 Groningen は自分はグロニンゲンと表記する。 けれど日本の地図にはフロニンヘンと書かれたものまである。 この態でいくとㇲへべニンヘンとなっても不思議ではないけれどそう書かれたら自分には何が何だか分からない。 ドイツ人の名前で「ゲーテとは俺の名前かギョエテ言い」という川柳があるけれどゲーテにしてもドイツ人には誰か分からない。 兎に角、スケベニンゲンだ。 こういえばこの響きから日本人はこれを忘れないだろう。

スケベニンゲンのような海岸の保養地は19世紀以来栄えたイギリスのブラックプールを模したものではないかと思う。 海岸に沖に向かってピアという大きな桟橋のようなものを伸ばしそこに遊戯施設、飲食店などを並べ海岸の大通りには背景に大きなホテル、海岸沿いの通りにはカフェーに土産物屋という陣容だ。 中央には明治時代の建物であるクールハウスというホテル施設がみえ、そこは森林太郎(鴎外)が泊まったという記録があり60年代にローリング・ストーンズが公演した際には会場が荒れたところだ。 

去年イギリスに行った時、東海岸のノーフォーク、このような過去の保養地、グレートヤーマスに行ったのだがそこの廃れぶりに驚いたのだがここは当分そうはならないような気がする。 森鴎外以来ドイツ人がここに夏場は長く逗留する慣習が続いておりそれに加えて今はスラブ系観光客が多くなっているとも聞く。 このピアにしても廃れていたものがこの2年ほどで新しく投資するものがでてきて勢いを盛り返したようで、新しく改築されている。 ピアに来るのはもう20年ぶりぐらいではないかと思う。  その当時はこの桟橋も朽ちて落ちるのではないかと思ったけれど今の盛隆ぶりをみると景気は悪くないようだ。 

ピアからは北を望めばライデンから近い港町カットヴァイクが見え、その向うにここに次いで大きい保養地のノルドヴァイクのホテル群が見える。 ピアの先にある大観覧車の頂点あたりからはアムステルダムの海水浴場ザンドフォルトやブルメンダールが見えるのではないか。 南を望むとロッテルダムの港湾石油備蓄施設が微かに見える。  また、この浜は正月元旦には泳ぎ初めというか水の浴び初めの何千という人々で埋め尽くされそれが毎年その日のニュースになるほどだ。

天気がいいのでここからハーグの中心にあるチャイナタウンのゲートまで歩き始めた。 ゲートのそばに息子が住む家があるからだ。 スケベニンゲンとハーグの市街の間に大きな公園、森があるので気持ちよく歩ける。 人がいない松林の中で久しぶりに松の香りに包まれて一瞬故郷の林を歩いているような錯覚に陥った。 松の香りというのは自分にとってそういうものだ。 子どもの頃静かな松林の中で遊んだ記憶が残っているからだろうか。 公園に人が少ないというのは昨日まで雨が続き、草地がまだ湿っているからかもしれない。 なかなか予想できない天気で、今日は偶々丁度午後の何時間か晴れ間が続いたというところだろうか。 歩いていると暑くなりカッターシャツにバックパック姿で息子の家に着いた。 

息子がドアを開けるまで歩道で待っていると25年ほど前に自分の学生だった男に出くわした。 もう40も半ばになっているはずだ。 何年かに一度かはライデンの土曜のマーケットで顔を合わすのだがこんなところで、と言うと、天気がいいからライデンから歩いて来たのだといい、友達のところで何か飲みこのまままたライデンまで歩いて戻るつもりだという。 35kmぐらいになるだろうとも言う。 何とも物好きなと笑ったのだがよく聞いてみるとピアからは自分たちと同じように公園や林を辿るコースを歩いて来ている。 腕のデジタルの何かのメーターを見てピアからだったらほぼ8kmだと言った。

8kmだと聞いて少々疲れを感じた。 息子のところでゆっくりと夕食を摂った。 自分が鯖が好きだというので鯖のマスタード・クリームスープにキッシュ、豚ロースのステーキだった。 食事中は激しい雨が降っていた。 食後のコーヒーを飲んでいると小止みになって9時前に家を出ると中央駅までの通りのあちこちに大きな水溜りができていた。 ライデン駅まで来ると雨はやんでいた。 自転車を3kmほど漕いで帰宅した。