暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

いよいよ本格的な恢復の兆しがみえてきた

2017年09月06日 10時44分20秒 | 日常

 

2017年 9月 5日 (火) 

午前、癌研AVLの看護婦であり患者が退院後、患者のモニター、アドバイスに家庭訪問して当たるヴァレンタイン看護婦の5度目、最後の訪問を受けた。 この訪問は患者の任意で行われるもので癌治療で手術後のフォローアップを意図しての政府助成プロジェクトの一環である。 入院中でも様々なモニター、意思の疎通が図られるが癌研期間から時間と距離をおいてその後の細かなケアを目指す新しい政府補助事業であるようだ。 ヴァレンタイン看護婦はたまたま近郊の町に住むことから我が家の担当となり退院後約3週間に一度、全5回の来訪となったわけだが一回に1時間半ほどの談話で入院中には掬えなかった様々なことがらについて話し合いそれが双方の何らかの役に立つように意図されたものだが成果はあったのだろうか。 ヴァレンタイン看護婦は病棟で偶々自分が直接看護された人でもあり癌研での暖かく和やかなことはあっても大組織の中の「事務的・効率的」な接触とは違い家庭訪問では様々な話題を交えての団欒は印象が癌研でのものとはまるで違い彼女との懇談では自分の経験に厚みがぐっと添えられたような気がする。 

癌研での手術とその後の入院期間約3週間はめまぐるしく過ぎて嵐の中で翻弄される木の葉のような感も無きにしも非ずだった。 医療・看護のプロに任せきりのこちらは素人患者であるから殆どが受け身であり、体験することが全て初めての「異常事態」であることから、当然受け身にならざるを得ない事情はあり、「患者中心」の原則は当然のこととしても患者、付き添いの判断、感想はそんな状況ですぐに反応できるものでもなく、緊張した中でどちらかと言えば腰の引けたものになる。  そしてそんなことどもを退院後に想い返し、気が付くこともいくつもあることからこういうプロジェクトは双方のまとめとして、医療・看護の側にとっても将来に向けて改善の余地を探るデーターベース資料となるものであって、話は自然と手術(後)の状態と医師、看護、食餌、薬品、身体機能の諸局面に及んだ。 こちらは自分の体験を思うままに語りアドバイスを受け、向うはそんな中から問題点、改善点を探り出し持ち帰り将来の資料にする。 それにつけても医療・看護・患者・各間の意思疎通、相互の意思疎通の大切さが今更ながら表面化してくるようだった。 

ヴァレンタイン看護婦を送り出し暫くして隣人のハンスが訪れた。 ハンスは医師免許を持ち、ロッテルダムの大病院の技術部長だったのが去年定年してゴルフとヨット、同好の士たちとワイン造りが道楽の陽気な男で連れ合いのティネカは児童精神医でもある医者の夫婦だ。 ハンスに腹の傷を見せ今までの経緯を話ていると電話がかかってきて約束の通り癌研AVLの栄養士が様子を訊いてきた。 状況を話すと流動食は任意でやめてもいいこと、当分の間はタンパク質飲料の補給はつづけること、腸に繋がった流動食用の管は癌研でも家庭医でも取り外してもらうことができること、流動食を止めて普通食にした場合の栄養のバランスを考えて総合ビタミンのサプリメントを服用することなどの助言を受けた。 栄養士の感触では予想以上の恢復であるようだ。 3週間後の電話を約束してこれを終えた。

その後ハンスは親の看護、ヨットのこと、二人目の孫のことなどを話して帰った。 午前から2時間半ほど絶え間なく集中的に話題は自分の体調のことになったのだがここにきていよいよ本格的な恢復の兆しがみえてきたのを確信した。

 

 

写真は先日ライデン国立古代博物館に行った時に見た5000年前のシリアの香油差し壺。 挿し口の形が水鳥の頭部・嘴を抽象的に模したもののように見えて興味深かった。 それに加えて陶器の表面の光沢が印象深く、それは古今東西に共通するものだ。