ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

あるトワイライトに

2017-08-14 07:26:20 | エッセー
 夕食が済んでほろ酔いの私はベランダへ出た。涼しい風が吹いている
椅子を出して一日の内一番大好きなトワイライト、一人でぼんやり歩く
人達を眺めていた。だんだん暗くなってきた、すると、突然インドの聖地
リシケシのアシュラムでのトワイライトを思い出した。
 夕方から始まるヨーガレッスンの後のトワイライト、ガンジス河を見下ろすベンチで、ギターを弾いてヨーロッパ人の男性達が歌っていた。
 私達が通りかかると「一緒に歌わない」と誘われ、それから帰る日の前日まで毎日一緒に唄った。ときどき日本の歌も弾いてくれ、とても楽しい思い出だ。

「私達はツアーできたが、リシケシに残りたくて観光旅行をパスしてここ
に1週間だけのの滞在」と言うと、彼らは大変驚いていた。
 彼らはそれぞれ国は違い、別々にアシュラムに着たようだが、仲良く
なって毎日この時間になるとこの場所で、しゃべったり歌ったりしていた
ようだ。そんな事を懐かしく思いだしていたら、突然「スローリー・
スムーズリー」と男性の声が聞こえた。それはまだ若い男性の先生で
インド独特の甲高いが、ヨーガレッスン中のやさしい声で、まさしく
私の「イメージ聴覚」だった。
 
 まだ寒い早朝に毛布を持っていない私達3人は、いつもシュラフの上でレッスンをし、それにくるまってリラックスしていたので、先生はとき
どき私達を見てクスクス笑っていた。まだ日本人などいないアシュラムでは、私達3人は誰からも特別扱いをされ、街を歩くとどこでも人だかりが
でき、男性達がぞろぞろついてきた。先生は車で私達を美術館など、色々
なところへ連れて行って下さったが、あれからもう何年過ぎただろう?
 あの時一緒に行動した私より若かった二人とは、その後会っていない
がお元気だろうか?と思いをはせた。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする