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- 聴覚障がい者と演劇 (松尾和敏)
- 2016-12-18 19:33:47
- 私はありとあらゆる障がい者のサポーターをやっております。手話・点字は若干できます。ただ、今日、南村千里さんの『ノイズの海』で、聴覚障がい者の受付のボランティアをやりましたが、手話を忘れていますね。また、TAーnet会員の森岡見帆さんと知り合いになりました。案外、聴覚障がい者の方は、磁気ループや骨伝導ヘッドフォンを使わないことが分かりました(知っていても)。いままで、芸術関係の聴覚障がい者としては、庄崎隆志さん(ゆずり葉俳優)、早瀬憲太郎さん(ゆずり葉監督)にお会いしています。廣川さんのTAーnetは初めて知りました。私たち健聴者は、聞こえないって大変だなと思いますが、返って余計な雑音に悩まされずにすむというmeritがありますね。今日の南村千里さんの『ノイズの海』もそうですが、聴覚を奪われた方の作品は、聴覚以外の視覚・味覚・触覚・嗅覚が鋭敏になり、健聴者が気づかない世界を写し出します。勿論、健聴者のアーティストも、自己表現を100%伝えることは難しいですが、聴覚障がい者の作品は、感性が鋭いので、なおさら健聴者に伝わりにくいでしょう。ただ、私が庄崎さんのワークショップを受けた感想で申しますと、人に伝える表現方法の数に圧倒されました。つまり、人間は、全てが整っていると鈍感になってしまうのです。話をTAーnetに絞りますと、廣川さんの言うAccesibility(近づきやすさ)は、要するにバリアフリーのことでしょう。高齢者や障がい者が、いままで受けてきた障壁を取っ払って、健常者と同じ権利を得る。ところで、日本は障がい者の芸術が欧米とくらべて立ち遅れています。これは、芸術だけのことではありませんがね。私が関係している特別支援学校で申しますと、こういう話を聞いたことがあります。アメリカから日本へ特別支援教育の調査に来るはずだった大学教授。連れて来るお子さんが障がい者だったのですが、日本の特別支援教育があまりにもお粗末(50年遅れている)なので、日本に来なかったそうです。また、砂長びんさん(ディクレクシア:読み書き能力困難者)の場合。イギリスの芸術大学で彼女の才能が花開いた。私も英語教師ゆえ、イギリスへ行ったとき、路上でShakespeareの演劇をやっていたので舌を巻いた経験があります。また、ニューヨークのBroadwayでは、聴覚障がいの役者が質の高い演劇をしています。廣川さんも、南村さんも、目指す高みは同じはず。お二人は、聴覚障がい者演劇関係のパイオニアとなられるでしょう。ただ、これから幾多の障壁が待ち構えております。それにもめげず、頑張ってください。応援しております。松尾和敏(12/18)
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