俳句の箱庭
「箱庭へ風の粒子の粗く吹く」(透次)
◯浮かんだときが作るとき。作ることに無理はしないように。
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◯「俳句の箱庭」ヽ(^ι_^)ゞノ♪透次
●次元俳句033・端(空間)02・岸田稚魚
○「北端の岬囀のひつかかり」(岸田稚魚01)
○季語(囀・春)
【鑑賞】:北の端、最果ての岬に鳥の囀りが引っ掛かっています。鳥の声を物質化して詠み込んでいます。「→会へば兄弟ひぐらしの声林立す」(→草田男)、「→月光にぶつかつて行く山路かな」(水巴)、「→ますぐなる音の木の実の前に落つ」(素逝)「→ぶつかる黒を押し分け押し来るあらゆる黒」(葦男)などと同様の「抽象の具象化」という俳句の方法です。
○岸田稚魚(きしだちぎょ)(1918~1988)
○好きな一句「満開の風の辛夷やいつもはるか」02
○季語(辛夷・春)
【Profile】:東京出身。滝野川に洋品店を経営。父は→増田龍雨系の加納野梅主宰の「野梅」同人。巣鴨商業卒業後、結核発病。茅ヶ崎南湖園入院中俳句を覚える。1943年「鶴」に参加。→石田波郷門となる。戦後「鶴」休刊中「寒雷」同人。1955年「鶴」風切賞、57年角川俳句賞。1962年に「筍流し」によって俳人協会賞。「琅かん」創刊主宰。
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岸田稚魚掲載句
03青空のまだ残りをる切子かな(切子・初秋)〈色彩486・青40〉2020/7/5
04鬼灯市夕風のたつところかな(鬼灯市・晩夏)〈方法628・形容名詞効果2-場所の「ところ」〉2023/7/10