切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

【お題】 5月病対策 ⇒ ま、料理なんていいんじゃない。

2016-05-06 22:30:41 | 日日雑記
何を隠そう、高校入学時、大学入学時、社会人になって以後、と何度となく五月病、発症しました。ついでにいっておくと、GW前後に風邪をひくのも、子供のころからの恒例で、わたしにとっては5月は昔からの鬼門なんですよ。なので、同じような問題を抱えてらっしゃる方の一助となれば幸いかな・・・。ま、役に立つとは限りませんが・・・。

①料理
一人暮らしの方に特におすすめ。手を動かしますし、買い物に行って旬の食材探す楽しみもある。自分が食べる分には、失敗しても責めを負わないですむ。実生活で役に立つなどいいこと尽くめです。あと、ついでに、料理に関するエッセイ、漫画なんかも読んだりすると、さらによいです。今の季節なら、筍を米ぬかであく抜きするところから始めるとか。

②大量に映画を観る
半端にぽつぽつ見るんじゃなくて、大量に観る。たとえば、黒澤明全作品とか現存する小津安二郎全作品、ヒッチコック全作品など、忙しすぎるくらいにひたすら観る。特にこの3人の場合はガイドブックも充実しているので、観終わった後も、読書で楽しめる。また、論点も多い。学生時代、かなり熱心にやりました・・・ね、こういうの。ヒッチコック本人の登場シーンを全てチェックなんて楽しいですよ!

③ひたすらオペラを観る
これは社会人になってやりました。もっとも、わたしの場合は、当時二束三文だったレーザーディスクを買いあさって、ひたすら観続け、あの大作「ニーベルングの指輪」も一気見しました!ワーグナーの毒や、イタリアオペラの血の濃さは、確かに鬱を吹っ飛ばす効果があります。適当な調子でいいんでイタリア語で歌ってみたりすると、さらにグッド!飲みすぎない程度に安いワインを飲んだりすると、これまたさらによい。ただし、飲みすぎないこと!

④大長編を読む
短篇じゃなくて、大長編群ができたらよいんですが、ひたすら没頭して読むと効果的。ドストエフスキーとか、それなりに楽しめて毒があるとなおよいです。あとは、バルザック、スタンダールとかかな。プルーストの『失われた時を求めて』でもよいんですが、向き不向きがあるんで、よく考えた方がよいでしょう。ちなみに、最近、村上春樹による新訳が出たカーソン・マッカラーズという女性作家は、『失われた時を求めて』を読み始めたらやめられなくなり、仕事の無断欠勤をつづけた挙句、読み終えたときには会社を首になっていたそうです。

⑤最後の手段は、旅に出る
国内じゃなく、ツアーとかでもなく、言葉の通じない海外がよいです。日本だとコンビニだのユニクロだので、たいていのことは何とかなってしまいますが、海外だと、大都市であってもそういうわけにはいきません。自分の世話を自分でする忙しさが、相当なレベルで自分を浄化してくれます。ただ、はまりすぎると、永遠のモラトリアム・バックパッカーみたいになってしまうんで、帰る日にちくらいは決めといた方がよいです。何につけ「戻ってくる」って重要ですから。

【番外編】⇒無機質な空間に一時的に籠ってみる。
あまり薦めないんですが、一時的なら手近でよいかも。吉本ばななの『キッチン』、ジャン・フィリップ・トゥーサンの『浴室』などの小説のように、無機質な空間に籠って時間を過ごすという手があります。ちなみにわたしは「浴室」派でした。この場合、普通の部屋だとダメなんですよ。インテリアなど感傷的になる要素が少ない空間の方がよいらしいんですよね。でも、小説「キッチン」も「浴室」も連れ出してくれる異性が登場するところがミソなんだけど・・・。

というわけで、役に立つのかな。ま、微妙ですね・・・。


小林カツ代のおいしいごはんのコツ ~ふだんのおかずと味噌汁がひと味違う!~ (だいわ文庫)
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料理の四面体 (中公文庫)
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中央公論新社


愛がなくても喰ってゆけます。
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定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー
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晶文社


オペラ道場入門
玉木 正之
小学館


小説家が読むドストエフスキー (集英社新書)
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世界の十大小説〈上〉 (岩波文庫)
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世界の十大小説〈下〉 (岩波文庫)
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岩波書店


二十世紀の十大小説 (新潮文庫)
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アジアン・ジャパニーズ
小林紀晴
情報センター出版局


ねむれ巴里 (中公文庫)
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中央公論新社


キッチン
吉本ばなな
幻冬舎


浴室 (集英社文庫)
ジャン‐フィリップ トゥーサン
集英社

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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お富さん、今年は大丈夫なんですか? (蝙蝠お高)
2016-05-08 22:40:01
要は忙しくしていれば悩むヒマなどないという方法なのでしょうか。
でも…こんなにパワフルに忙しくなる?気力がない…長編読んでたはずが、大量のオペラ観てたはずが、いつの間にか上の空、膝かかえて自分の闇見つめてた…て顛末が…あ、それは鬱病か。
同じスタンスだと、ちょっと無理めな山を登ってみるってのも…下手したら遭難するので…よゐこは真似しないでね…なネタか…五月病っぽいコメントでm(__)m
コメントありがとうございます。 (切られお富)
2016-05-11 21:55:53
>忙しくしていれば悩むヒマなどないという方法なのでしょうか。

微妙に違うんですが、好奇心に火がつけば結構人生楽しいよって意味なんですけどね。

あと、実際に引きこもりの子のためのカウンセリングで、「規則正しい生活」と「手作業を伴う趣味」が推奨されたりするんですよね。なので、料理っていうのは良いと思うんですけどね。

また、アフリカの自閉症治療で、リズムを教えるというのがあるそうです。自閉症とか鬱というと、都市生活病、文明病みたいなイメージがありますが、さにあらず。じつはアフリカでも多いんだそうですね。

その場合、リズムを取ることを教え、リズムが取れるようになるにしたがい、回付されていくんだそうです。そう考えると、アフリカンアメリカンのビート感覚の根源ってこれなのかなって気がしてきますね。その意味で、音楽治療というのはあると思います。

最後に、むかしサルトルが「餓えた子の前で文学は有効か」っていう言い方をしたと思うのですが、わたしは自殺したい若者に、世界文学10冊とか、世界の名作映画10本は有効だと思うんですよ。馬鹿な友達とか親族に振り回されるより、ずっと有益な瞬間がある。ちなみに、山田詠美と奥泉光の対談では「死ぬ前に世界文学50冊を読め」って言っていました(対談集MEN AT WORKという本)。

ちなみに、今年のわたしはBABYMETALのおかげでGW楽しく過ごせました。じつは去年がヤバくて、それがきっかけで、ブログを再開したんですけどね。なので、再開当初は訃報記事ばかり書いてました。気づいた人いないでしょうけれど。でも、とうとう一年366日分更新しちゃったんで、わたしもまだまだ言いたいことがあったんだな、と。ブログも鬱治療になるんじゃないでしょうか!?

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