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昭和天皇元侍従の日記見つかる

2007年03月09日 | 皇室
 昭和天皇の「肉声」がつづられた当時の侍従による日記が見つかりました。
 日記は日中戦争中の昭和14年5月から終戦の20年8月までを、当時の宮内省の用紙約600枚分で書かれているそうです。
 この日記については、明日10日発売の「文芸春秋」4月号に掲載されます。

 日記の内容は、昭和天皇の平和や戦時下の国民に対する思いが中心だと思われます。
 それゆえ、ネット上においても前回の「富田メモ」と違って、概ね好意的に受け止められている感じです。
 「富田メモ」とは違い、これまでの天皇像とあまり変わるところもありませんし、陛下の聡明さなどが多く表れているためだと思います。

 ただ、もし今回の日記がこれまでの天皇像と違った面などがわかっていた場合はどうだったでしょう。
 おそらく、「捏造だ!」とか「陛下の政治的利用は良くない!」という言葉があふれていたのではないでしょうか。

 確かに、昭和天皇の御言葉を知りたいというのは国民の誰もが思うことです。
 そして、侍従だけに語った内容というのは、陛下の素顔の面が分かるという意味において、学術的に見ても非常に貴重なものです。

 しかし、それはあくまでも元侍従の日記であり、陛下の「肉声」ではないのです。
 ですから、そこには陛下の真意ではない点も多く含まれているかもしれません。

 人間であれば誰しも、口には出さないが心で思っている「私」の部分と、心で思っていることとは違うが、立場上言わなければいけない「公」の部分があります。
 陛下の場合ですと、上記に加えて、側近だけに語る「私」の部分が存在します。
 陛下が内々に侍従だけに語ったのであって、決して「公」に向けて語ったわけではないのです。
 それを今「公」にするというのには、例えそれが問題のない内容であっても、陛下の御心に反する行為であり、それもまた陛下を政治的に利用していることに繋がるのではないかと思います。

 そして、侍従の日記などは学術的にも貴重で国民も望んでいるので、どんどん公開すべきだという風潮が生まれたらどうなるでしょう。
 今上陛下を含め、皇室の方々は側近に対しても本音が言えなくなってしまします。
 もし、ここで変なことを言って将来的に公開されたら大変なことになるかもしれないと、侍従などにも言葉を選んで話すようになってしまうはずです。

 それが皇室にとって良いことではないことは明らかです。
 誰にも本音を語れず、信頼できないとなると、まるでスパイに囲まれて生活するような感じとなってしまうはずです。
 確実に御体と御心を壊されることでしょう。

 学術的に貴重であり、国民が望んでいるということも分かりますが、皇室のことを考えますと、皇室に遣える者によるこうした文章は一切公開しないとすることが大事であり、皇室の政治的利用を排除するためにも求められると思いました。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (かついち)
2007-03-10 08:56:56
私もこの日記の信憑性については懐疑的です。
前の「富田メモ」でかなり不信感を抱いたことがありますので、この手の資料が出てきても「本当なのか?」と思いました。
陛下のお言葉はたとえ独り言を書き写したメモであったとしても、政治的にかなりの影響力を持つものです。陛下のお言葉だ、と言えば誰しもが「承詔必謹」、これは聖徳太子の時代から続く君民の関係ですが、現代においてはそれを悪用しようとする輩が何と多いことでしょう。去年大騒ぎになった女系容認の皇室典範改正に関する問題についても、ある政治家が「陛下の御意志」とうそぶいて女系容認の流れを党内に作ろうとしましたが、あれも結局陛下の御意志を悪用したいい例です。
誠に無礼を承知で申せば、陛下の御意志、お言葉は扱い方を間違えば諸刃の剣であり、それが為に歴代の侍従はこの日記を封印してきたはずです。
このように、昭和天皇崩御の後にこのような類の資料が出てきたことは、ある面からすると「出てくるべくして出てきた資料」と言えるし、従軍慰安婦問題など戦後の日本の歩みに立ちはだかる難題山積の中で意図的に出されたものでは?とも言えます。
いずれにせよ、この資料はよくよく注意してみないといけないものであるかもしれません。
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Unknown (vice-virtue)
2007-03-10 13:11:45
>かついち様

いつもコメントありがとうございます。
日記の信憑性はこれから徐々に明らかになってくるでしょう。
ただ、陛下と元侍従が現在いないことからも、陛下の言葉が真に正しいものかどうかは誰にも分からないことだと思います。
私も注意深く見ていきたいと思います。
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昭和天皇と戦争 (傍観者)
2007-03-12 02:22:02
シナ軍急進抗日派や陸軍拡大派や強がり海軍や
拡大派議員などに引きずられ
戦争を余儀なくされあそばされた聖上のご苦悩
否シナ軍急進抗日派や拡大派議員や陸軍拡大派や
強がり海軍が宸襟を悩ませ奉った事情は
重々承知いたしました。聖上のご胸中如何ばかり
だったか畏れ多くも推察奉りまする。
返信する