晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

スペインの片田舎の「心にしみる光景」に癒された。『ラ・アルベルカ村』には悠久の時が流れる。

2011-07-24 20:37:13 | 心にしみる光景
久しぶりに<心にしみる光景>です。

西スペイン、ポルトガル国境に接する「サラマンカ県」の、『ラ・アルベルカ』村をご紹介します。



        
        ラ・アルベルカ村の「プラサ・マヨール」(中央広場)


スペインとポルトガルとが接する辺り、西スペインに『ペーニャ・デ・フランシア山地』と言う山岳地帯が有る。
1000メートル前後の山々がうねる。
最高峰は1492メートル。

アラゴン河とタホ河とが、所々でダム湖を抱き、風光明媚な山国である。


そのただ中に、『ラ・アルベルカ』の村は有る。

人口900余の、小さな村で、所々に往時の城壁が残っている。

城壁外の僅かな「新しい」家並を過ぎて、城門をくぐると旧市街へと至る。


        
        アルベルカ村の城門


木の柱と梁との間にレンガを詰め込んだ、「昔ながらの」家並がかたち作る細い路地は、何れも村の中央である「プラサ・マヨール」広場に通じる。


        
        馬車等通れない狭い路地


        
        通りに面して残る、馬の為の水飲み場


一階部は石造で、その上が「木造」となっている、往々にして上階に「バルコニー」か「出窓」を持つ、この地方の伝統的家屋が、肩を寄せ合う様に並び、その間の<隙間>が街路を形づくっている。


広場よりやや離れて、教会がポツンと建っている。


        
        村の教会


さすがに、教会は総石造り。

こ奇麗で清潔な内部に入ると、床が総て大振りな石盤で葺かれた、独特の雰囲気が漂っている。


        


その、床の石盤には、なぜか「番号」が彫り込んであった。


        
        このように広い石盤で葺かれた床の教会は珍しい


ところで、スペインと言う国は、ことの外、深い「マリア信仰」で知られている。


夫々の町や村には、中心となる教会に、その町で一番尊ばれているマリア像が飾られている。

復活祭の日曜日にかけての一週間は『聖週間』とよばれ、お祭りが繰り広げられる。
その際、一番美しい豪華な衣装を身に纏い、宝石類を飾り立てて、神輿の様に「街中」を練り歩く。
往々にして、「神の御子」を失って嘆く、「涙のマリア」が多い。

夫々に、呼び名がついている事が有るが、セゴヴィアの『マカレナ』が、特に名高い。


        
        ラ・アルベルカのマリア様

ここ、ラ・アルベルカ村のマリア様は、多数の剣を捧げ持っていらっしゃった。


そして教会の入り口の脇に、なぜか「イベリコブタ」の『像』が建っていた。


        
        ブタまでお行儀良さそうな


そして、村の中には「イベリコハム」の製造販売店も。

この地、「サラマンカ県」の南部は、イベリコハムの珠玉の名品『ベロッタ・ベロッタ』の産地なのです。


        
        イベリコハムとドライソーセージがふんだんにぶら下がる店内



        

再び、小径を引き返して、中心の広場『プラサ・マヨール』に行ってみよう。


スペインには、ほとんど総ての町や村に、『プラサ・マヨール』と呼ばれる広場が有る。
通常は、四方をアーケードで囲まれた、四角い広場である。

町人、村人の集う所で、各種催しや祭りの中心ともなる。
大きな町では、騎士達の「馬上槍試合」の行われる事も有った。

勿論「闘牛」も。

この程度の村では、闘牛は無理であが、村人達は数件のカフェのテラスに座り込んで、日がな一日を過ごすのだ。


        


        
        周囲の建物の一階はアーケード

        


そして、広場の片隅に「十字架」がしっかりと建ててある。
村人の全員を、見守っているかの様に。


        
        文字通り村の<中心>


この、眠った様な静かな村の路地を歩いていたら、ほんの少し開けた所に三人のおばあちゃんが座って、鳩首会談の真っ最中だった。

二人は編み物をしながら。
もう一人は杖を持って、頷きながら。


        
        恥ずかしそうに、カメラを逃げようとするおばあちゃん


あまりに「可愛らしい光景」だったので、そのままの姿をし写真に収めたくて、挨拶抜きでカメラを構えたら、一人が気付いて、とたんに三人の形づくっていた「空間」が崩れてしまった。

その、左側のおばあちゃんの、カメラを避けようとする恥ずかしそうなポーズが、又また可愛らしかった。

勿論、写してからお詫びとお礼を言いました。



世の中には、このような「心の洗われる」様な光景が、残っているのですね。


国の中央の政治や陰謀とは、全くかかわり合いを持たずに、十年一日どころか、数世紀一日、変わらぬ「自分達の生活」を、かたくなに守っている社会がある。

そこには、政治家のエゴも、高級官僚の「シャイロック」並みのどん欲さも関係なく、原発も放射能も無い。

明るくなったら起きる。
暗くなったら寝る。

村の住人全員が、お互いに全員を知っている。

孤独死も無い。
自殺も、恐らく無いだろう。

でも、自分達が歩んで来た、揺るぎない歴史の確かさが有る。
それが、村人一人一人の、確たる自信を形造っているのだろう。

GDPも関係ない。
今日も食事が出来て、明日も生きていられる事を信じていて、それを神様に感謝している幸せな人生。

一生、この村を出た事もない村人だって、未だに居るかもしれない。


それでも。
人間の『尊厳』を、しっかり失わずに暮らしている、村人達の一生は、きっと幸せである筈だ。


羨ましい限りである。



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4 コメント

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はじめまして (ひろみ)
2011-08-04 06:16:43
アルベルカに来られたんですか!
私たち一家は、去年の12月からアルベルカに住んでいます。
ここは、本当に素敵なところです。
山の方に入ったら、栗の木があって、まるでトトロの森のようですし・・・。
日本の風景に似ています。

ところで、城壁なんて、ありましたっけ・・・?
気づきませんでした。。。
見えてないだけかも・・・。
ひろみさま。 (時々パリ)
2011-08-05 05:50:40
初めまして!
コメントありがとうございました。
ええっ!?
住んでいらっしゃるのですか??
良い所ですが、ずっと住むとタイムカプセルに閉じ込められた様になりそうな…(*^_^*)
きっと、何か理由があってお住まいなのでしょうね。
その辺りに、何か特殊な目的に適う物が有るのでしょうか。
あの三人のおばあちゃん(二人は姉妹だと思いました)は、相変わらずあそこで編み物をしながら、おしゃべりしていらっしゃる事でしょうね。
また行きたいです。
<城壁>は、具体的では無く、「ここは城壁の後だな」と知覚したのです。
はじめまして・・・ (mako)
2013-05-02 09:32:21
ひろみさん経由で訪問させていただきました。実は、今月の27日出発でスペインに行きます。最初の予定ではひろみさん訪問でしたが、予定変更で、ブルガリアのバラ祭りにいくことになり、ちょっと、残念なんです。しかし、絶対行きたいところです。
また訪問させていただきます。
makoさま。 (時々パリ)
2013-05-03 05:50:50
初めまして。
コメント有り難うございました。
スペインに向かうのにブルガリア??
何だかわかりませんが、楽しそうですね。
ラ・アルベルカまで足を伸ばすのは、交通の便などから考えて、あまり簡単では無いでしょうね。
私もスペイン大好きなので、またいつか「スペイン特集」をしたいと思っています。
これからも、宜しくお願いします。

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